ビアンエッセイ♪

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■20321 / ResNo.60)  帰路-3-
  
□投稿者/ 金丸 大御所(407回)-(2007/11/27(Tue) 01:24:33)
    荷造りをする四季の姿を見つめながら

    実感がない不思議さに僅かな疑問を残しつつ

    あれがない、これがない、入れたか入れなかったかとキャリーにぎゅうぎゅうに物を詰めるいつもより少し違う四季に笑っていた。

    パンパンになったキャリーの上に乗ってパチンパチンと鍵をかける姿を見て
    ドラマみたいなことやる人初めて見たと、また笑った。


    小学校低学年生程の重さのキャリーを引っ提げて玄関をでた。

    もちろん私が持って。

    力持ちだから。

    深夜にキャリーのタイヤ音が響かないように持ち上げて歩いていたけど
    さすがに坂はきつくて「住民の皆さんごめんなさい」と言いながら結局大通りまで引いて歩いた。

    タクシーを捕まえてトランクを開けてもらったが、運転手が降りてこないのを見て

    田舎と違うのねと、都会の殺伐さに少し物悲しさを感じながらネオン街のソウルバーを目指した。

    ソワソワを隠しながら流れていく光を眺めながら

    一度行こうと言って流れたバーはどんなところか、また一緒に行こうと言ってくれた場所に期待と好奇心と嬉しさを混ぜて

    茶色い看板を目指した。

    重いキャリーを必死こいて持ち上げて階段を上がり、四季がドアを開けた瞬間

    あ、閉店?

    オイ待てコラ。デジャビュ?じゃなくて御苑の二の舞じゃねぇのか。階段また降りるのかっ。と笑い堪えきれず

    二人で笑い飛ばした。

    駅の近くにしよ。と駅に向かって歩き手頃な居酒屋を見つけた。

    始発まで数時間過ごす居酒屋で座ったのは格子を挟んで、濃厚なキスを繰り返す外人カップルと苦笑いの外人のツレ1人の隣だった。

    お疲れさま〜と乾杯した後

    あてもない話しを始めた

    (携帯)
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■20322 / ResNo.61)  帰路-4-
□投稿者/ 金丸 大御所(408回)-(2007/11/27(Tue) 02:41:31)
    会話の中でふと気が付いた

    四季の彼氏の話を聞いても

    今まで感じていたものが無いことに。

    今までは名前が出る度に

    傍に居る羨ましさと

    傍に居ない現状の寂しさで

    苦笑いになったり目を見れなかったりしたのに

    その感情がないことに驚いた。


    これから始まる旅の中

    もし羨ましさや寂しさを感じたら

    隠さずに居ようと

    旅の目的の一つになる程に決心していたのに

    自分に総すかんを喰らった様だった。


    た…旅の目的が一つ無くなった…と良いのか悪いのかわからない感情に包まれた。

    ま、意識しないでこうなら別にいっか と、楽観的に受け流すことにした。


    旅はもう始まってのかな

    そんなことを話の間で考えていたら

    時間はあっと言う間に過ぎて

    始発に乗る為に居酒屋を出た。


    外は寒くて

    今日飛行機を乗り継いで着く土地とどれほど温度差があるか想像もつかず体を縮めて硬直させながら歩いていた。

    駅に着いて始発の時間は間近

    なのにシャッターが開いてない。

    話しながら跳ねたり縮こまったりしながらタバコを吸って時間を潰して

    さぁ始発の時間2分前!!!!

    シャッターが開かない。

    おいおいおいおい、とツッコミを入れるとガタガタとシャッターが動く音がした。

    間に合わないね。次の電車だね。鬼だね。と話しながら携帯で時刻表を調べて10分後に来る電車に備えて切符を買い自分のキャリーをコインロッカーから出した

    向かうは羽田空港

    飛行機のチケット予約紙を取り出して

    山の手線で浜松町に出た後モノレールに乗り込んだ。

    四季は間もなく眠りに落ちて

    私は窓の外に広がる夜と朝の境目を探しながら

    あ、きょしんへいがいっぱい。と暢気に過ごしていた。


    朝が顔を出し始め

    まだだ

    もうちょっと

    あぁぁぁ!地下に行くの?!え?上がるよね?!あぁ…上がるのね。よしよし。


    おぉぉぉ!!!!!

    地上に出た瞬間広がる

    夜と朝の境目の世界

    斜め向かいに座って私の隣に足を投げ出している四季を起こして

    窓の外を見て と目線で促した


    夜明けが見れるかもしれないとモノレールに乗った時思い

    見せたいと

    四季と見たいと

    叩き起こすことを決めていた。

    間もなく四季はまた眠りについたが

    一緒に見れた満足感で

    羽田空港の一駅前、四季を起こすまで

    ずっと景色を眺めていた


    ルンルンで。

    (携帯)
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■20328 / ResNo.62)  帰路-5-
□投稿者/ 金丸 大御所(409回)-(2007/11/30(Fri) 17:07:57)
    空港に着き、チケットを手にした後

    荷物を預けて空港内のコンビニでおにぎり2つとサンドイッチ、お茶を買って入り口付近の椅子に座った。

    「おにぎり上手く開けられたことないんだよね。あんま…ほら」と千切れた海苔がビニールに取り残されたままになった姿を見せた頃には四季はおにぎりを頬張っていた。

    旅人達が賑わう姿を眺めながら

    私達も旅人なのか

    旅人…まだ実感わかないなぁ…とボーッとしていた。

    おにぎりを口いっぱい頬張ってお茶を開けて四季に渡した。

    飲むか?と差し出されたが、あまりにおにぎりが口いっぱいすぎて丁重にお断りした。

    朝御飯を食べ終わり喫煙所でタバコを吸いながら携帯をみると意外に時間が経っていた

    朝焼けの空を眺めながら追いやられた喫煙者が集うこの箱で

    こんな朝早くタバコ吸うの久しぶりかも

    とのんびりしていた。


    手荷物検査口で私が引っ掛かり「かばんの中身確認してもよろしいでしょうか?」と係員に言われ

    「全然いいっすよ」と、かばんを逆さまにして中身をぶちまけると中に4つライターが入っていた

    「どれか一つだけしか持ち込み出来ないんですよ」と真顔で言われたので

    じゃぁ、と四季が先日くれたライターを握った。

    ご協力ありがとうございました と言われたのでまたぶちまけた中身をかばんに放り込み肩にかけた後四季と合流した

    「ライターで引っ掛かっちゃった」

    「あそ」

    「うん」

    動く歩道に乗りながら飛行機が並ぶ外を眺めて

    でっけぇな

    と当たり前のことにも感心しながら搭乗口はどこだと探していた

    一番遠いやん

    と小さな数字に目をこらした

    (携帯)
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■20329 / ResNo.63)  帰路-6-
□投稿者/ 金丸 大御所(410回)-(2007/12/01(Sat) 00:44:52)
    飛行機が離陸体制になり

    宙に浮く不思議な感覚が身を包んだ。

    小さく小さくなってゆく街並み

    行き交う車も見えなくなり

    水面に光る白い波や白い尾を引く船達

    間もなく見えてきた富士山

    この山は雄大なのだと

    いつも見ていた姿からは想像出来ぬ程

    地を我が物にしていた

    その麓に最初は縫う様にしてあった街も

    海に近づくにつれ多大になってゆく

    あまりの建物の多さに消えていった木々が見えるように思えて

    その中に自分自身もあるはずなのに

    身につまされ苦しさが生まれた。

    雲の上に出た後

    『こっちくればいいべ』と四季が言うまで

    私は見入っていた。

    席を変わり四季が眠りについた後

    段々と変わらなくなる景色を眺めながら

    私はボーッと考え事をしていた。


    果たして四季と私はするのか否か

    するとしたらどっちがタチなのか

    どっちかっつったら私だよなぁ…

    わ…私がネコか…ネ…コ…か…

    私4年してないしな…どうなんのかな

    4年な上にネコか…

    でもまぁしないかもしれないしなぁ

    あ、今和歌山か

    はえー


    今回しなかったら一生しないかもな

    そしたら私これから処女戻りか

    ま…まじっすか

    きつ…い事もないか

    まぁ

    しなかったらしないでいいや




    結論に達した後四季を起こして元の席に戻った。


    眠る四季を眺めながら


    残る旅になるといいな

    色んな意味で

    二人にとっても一人一人にとっても


    そんなことを考えながら浅い浅い眠りについた

    (携帯)
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■20330 / ResNo.64)  帰路-7-
□投稿者/ 金丸 大御所(411回)-(2007/12/01(Sat) 01:22:43)
    ジュースとお菓子が配られた前後少し眠ったが

    殆んど外を眺めたり地図をみたり

    前の席についた液晶とリモコンと格闘して結局使い方がわからず止めてみたり

    そんなことを繰り返していたら後20分程で那覇に着くと表示が出た

    「四季、四季。もうすぐ着くよ。」

    『ん。』

    寝とるがな

    あ、起きた

    膝掛けを畳み窓の外を眺めていると

    飛行機は雲の中に入っていった。

    あまり昼間に飛行機に乗ったことがない私は

    その美しさに魅了された

    手を伸ばせば手に取れそうな雲の帯

    絹より滑らかそうなその儚い薄い層

    消えるのに在る

    在るのに散って行く

    帯の塊の中にポッカリ空いた場所

    光の吸収と

    光の通る様

    光と影と

    風と波

    揺れる機内に気を削がれることなく

    見入っていると


    藍の海が見えた

    (携帯)
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■20336 / ResNo.65)  帰路-8-
□投稿者/ 金丸 大御所(413回)-(2007/12/06(Thu) 01:58:29)
    いつだか言っていた

    『珊瑚が大分死んでる』

    浅瀬になって行くにつれ見えてくる

    所々にある黒い円

    あれが死んでるってことなのかな

    ってゆうか

    あれが珊瑚?

    岩じゃなくて?


    藍から

    ロイヤルブルーへ

    そしてターコイズ

    旋回を繰り返し

    街並みが見えた。



    本当に来たのかな



    やがて間もなく

    飛行機は着陸した。




    乗り換えまで一時間か…

    荷物受け取って

    チケット替えて

    間に合うかな



    私はもう

    本島に興味は無かった。


    私が待ち焦がれていた土地は

    ここからもっと西南へ

    本島より小さな

    宮古島

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20337 / ResNo.66)  帰路-9-
□投稿者/ 金丸 大御所(414回)-(2007/12/06(Thu) 03:20:27)
    荷物受け取りや手続きをしていると

    30分なんてすぐ過ぎて

    窓の外には見慣れたような建物が並んでいて

    「まだ実感湧かないや。木は低いね。言ってた通り。」

    納得いかない

    そんな気持ちが近かった


    『海見たら実感湧くんじゃない?』


    そうか。

    待ち時間に…無理か…

    タバコ吸ったら乗機時間になる。



    この空の少し向こうに

    私が焦がれている土地は本当にあるのかな

    ガッカリしたくないな

    いや

    ガッカリするのは間違ってるか

    その土地をありのまま

    私がありのままにいくのに

    ありのままの土地を拒否したら

    そこで終わってしまう


    もういいや

    ありのままで

    何もかも

    そこに在るべくして在る

    悲しみも辛さも

    寂しさも怒りも

    喜びも幸せも

    そのままでいい



    乗機する為の荷物検査で

    次は四季が引っ掛かった


    おかしなもんだ

    羽田で良くて

    那覇で悪い


    「タバコ買ってくる」

    自動販売機でタバコを買い

    喫煙所で四季を待つことにしたら

    売店前で四季が立ち止まった


    風邪気味で喉がおかしいと言うので

    ガムとのど飴を買った


    タバコを吸うと

    すぐに案内放送が流れた

    少し遅れる


    時間に迫られてる訳じゃなし。と

    のんびり構えた



    遠くで

    低い樹が揺れている

    マンションにビル

    大きな看板

    電工掲示板

    空は広いのに

    あの向こうには

    なんだか忙しい人々が居るような

    忙しい時が流れてそうな

    そんな錯覚に陥った





    乗機すると

    私の隣

    一番通路側の席に

    親子が座った

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20350 / ResNo.67)  帰路-10-
□投稿者/ 金丸 大御所(415回)-(2007/12/09(Sun) 01:18:01)
    歩くか歩けないか

    その位の女の子と

    今風なカジュアルパパだった。


    目が大きくて

    睫毛が長くて

    口が小さくてぷっくりしてる

    コロコロ表情を変えながら

    喋れなくても感情がわかる

    昔流行ったファービーみたいな子



    とても細い髪の毛を

    パパが直して


    女の子がいじりたいと伸ばした手に

    そっと手を添えて




    飛行機は民間機と自衛隊の飛行機のために遅れると放送が流れた


    女の子の遊ぶ姿を見て

    かわいいね

    そう四季に伝えた

    言葉に出さず

    表情で


    四季もかわいいと

    優しい顔をした




    女の子が鼻水を垂らしてて

    パパが手で拭ったのを見て

    ポケットティッシュを差し出した

    「どうぞ」

    『あ、すみません。ありがとう』

    「いえいえ」


    正直言うと

    ちょっと恥ずかしかった


    『旅行?』

    「そうです」

    『宮古は初めて?』

    「はい。私は沖縄自体初めてで…あ、こいつは沖縄は行ったことあるんですけど」

    『観光?ダイビングとかするの?』

    「いえ、ノープランです。」

    『楽しめるといいね。』

    「はい。本当に。地元の方なんですか?」

    『うん。里帰り。』


    宮古島が故郷なんて羨ましいな

    私なんて山も川も観光地もない場所だよ。


    ポツポツと

    シャイだとお互いわかるような会話だった。


    一時間近く経って

    やっと飛行機が離陸体制に入る為に動き出した

    女の子は窓の外の係員にバイバイと手を振って

    外の係員も手を振っていた



    女の子が少しぐずった後

    スースーと寝息を立て始めた


    「良かったですね」


    圧のせいで泣いたり鼻血を出してしまう子がいるからだ

    『うん』


    「飛行機ぐずらないですか?」

    『そうでもないよ。』

    「良い子だわ。」と笑った


    泣きわめく子供の周りの人達にかける迷惑じゃなく

    泣きわめく子供の親の大変さを

    少しだけ知っている



    窓の外が見えないか少し動いていると

    『宮古はすぐ着くよ』

    「あ、そうなんですか」


    飛行機が雲の上に出てしまうと

    藍の海しか見えなくなって

    機内雑誌を適当に読もうとしたが

    北海道特集で見る気がしなかった


    四季が寝て

    しばらくボーッと窓の外を見ていたら

    肩を叩かれた

    驚いて振り向くと


    反対側の小さな窓に

    島とターコイズの海が見えた

    (携帯)
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■20351 / ResNo.68)  帰路-11-
□投稿者/ 金丸 大御所(416回)-(2007/12/09(Sun) 01:46:39)
    テンションが一気に上がった私は

    寝ている四季の膝を

    4〜5回高速で叩いた


    眉間にシワを寄せて目を開けた四季に

    反対側の小さな窓を指差した

    四季は目を凝らして

    『見えん。』

    自分のかけていたメガネを外して四季に渡した

    『あぁ』


    何そのテンションの低さ!?


    と思ったが

    今思い返すと

    私がはしゃぎすぎたと思う。


    クリスマスの朝

    枕元にあるプレゼントを見つけた時の子供みたいに

    キラキラした目になってたんだろうな



    やっと

    あの待ち焦がれた青い島

    色ボケになる位

    待ち焦がれた島に

    もうすぐ着く!!!!!!!!!


    そんな姿を

    四季は平然と

    パパは笑って見ていた。



    恥ずかしいけど

    嬉しいんだもん!!

    しょーがねーじゃん!!!

    素直に出してやる!!!!

    恥ずかしいのなんて一瞬だ!!!!



    私はウキウキしていた




    プレゼントを抱えた子供のように。



    しばらく飛行機は旋回して

    あれが宮古かな

    ん?こっちか?

    来間か池間か伊良部か?



    小さな島は

    ターコイズの海に囲まれて

    サトウキビ畑の緑が広く

    砂が白かった。



    空港に着き

    親子と別れを交わし

    荷物を受け取り

    ロビーの喫煙所で

    タバコを吸うことにした。


    と、その前に

    「トイレ」と言ったら

    『あたしも行きたいんだよね』

    荷物があるしどうしようと迷っていたら

    『早く行ってこい。』


    はい…すみません…


    トイレから戻ると

    喫煙所に居る四季がタバコを吸っていなかった

    『お前がライター持ってんだよ』


    あ…本当にすみません…

    ライターを出そうとすると

    『トイレ』

    と行ってしまった

    本当にすみません…申し訳ない…(笑


    ボーッとタバコを吸いながら


    着いたのかー

    …着いたのか?

    まだ実感わかねぇぞ

    ん〜…


    あ、出口のお姉さんがこっちみて話してる

    ん?

    あ、客居ない。うちらが最後か。

    荷物のシール確かめないと帰れないってか

    ぅおぅ申し訳ない…


    トイレから四季が戻ってきて

    「係りのお姉さんが早くしろって困ってる」
    『あぁあぁ…まぁとりあえずタバコだよね(笑)』

    「ですね(笑)」


    チラチラ見てくるお姉さんを尻目に

    久しぶりのニコチンを補給した。


    よしっ とタバコを消してイソイソと出口に行くと

    半笑いのお姉さんが居た


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20354 / ResNo.69)  帰路-12-
□投稿者/ 金丸 大御所(417回)-(2007/12/11(Tue) 00:59:42)
    赤瓦の低い作りな宮古空港を出て

    タクシーに乗り込んだ。

    宿の名前を伝えて走り出す



    あったかいなぁ

    南国って感じがいまいち無いな

    確かに木は低いし

    南国っぽい木ばっかり

    建物も低い



    少し寂れた街並みを

    窓を開けて過ごしていった。



    何ヵ月もかけて

    宿を探して

    せっかくだからって民宿にした

    喫煙出来て

    沖縄らしい建物の

    宿サイトにも載ってない

    画像も外からの小さなものしかない

    そんな宿は

    どんな所なんだろ

    いい所だといいな




    そんなことを考えていたら

    すぐに着いた



    まず宿を見て

    発した言葉

    「ボッ!!!ボロッ!!!!!」



    よく台風に耐えてるなって思う位

    あちこち古くて

    壁の水色のペンキははげはげで

    とりあえずボロさに驚いた


    「す…すごいね…」

    『そうか?あたしは別に期待も何もしてなかったからこんなもんかって感じだけど』

    「いやビックリした」


    そんな会話をしていると

    日に焼けた男の人と女の人が出てきた


    「ありがとうねー。」

    運転手と知り合いか?

    とりあえずお金を払い(これが凄い安かった。さすが。)

    荷物を下ろした。


    すげー…ボロい…

    めいとさつきの家みたい…


    「よく来たね!どうぞどうぞ!!!」

    ん?この男の人ちょっとテンションおかしい…

    と思っていたら

    「かもい荘へようこそ!!!ウェルカムウェルカム!!!!ダイです!!!」と手を差し伸べたダイという人に

    何このテンション!!!???何このフレンドリーさ??!!

    ルーかお前はっ!!!とツッコミたくなる自己紹介を喰らい

    四季は『あ、四季ですー。よろしくお願いしますー。』と普通に握手し、挨拶してるように見えて

    あ、こいつも若干キョドってる

    そんなキョドってる姿を見て笑っていたら間髪を入れず

    「ミコです。ミコちゃんって呼んでねっ。」

    うぉこっちもフレンドリー!!!!!

    「え、あっ海です。」

    だいぶキョドりながら握手を交わした


    ってか美人!!!

    ちょータイプ!!!

    あ、でも白髪がある

    何歳なんだろ


    ってかマジ美人だなぁ


    テンションがおかしくなる私の隣には

    四季が居る。


    多分私の目はキラキラしてた。




    ミコさんを見て。




    (携帯)
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