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■19767
/ ResNo.30)
虹に願い
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(2回)-(2007/08/14(Tue) 23:10:04)
会えない道を選んだのに、後悔はしていない。
何も言わずに、この街を出ていくつもりです。
辛いとか痛いとか、苦いとかじゃないんだ。
言葉にできない思いが、
心に染みてもう身動きすら辛いんだ。
“あなたに出会えて幸せでした”
虹に願いをかけてみたんだ
どうか幸せに
どうか
どうか
私を忘れずに
もしも私とあなたがこの世界でもう一度だけ出会って
虹がそこにでていたら
全てを伝えようと思います
それはキセキ
ただ一点の望みが
私は努力がキセキだと
ずっと信じています。
(携帯)
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■19971
/ ResNo.31)
バカだよ。
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(4回)-(2007/09/07(Fri) 22:23:14)
「本当、あんたってバカだよ。」
運転席であなたが呟くのを聞くと、
私の顔がにんまりとしてしまう。
それは日曜日の午後
「それがバカなんだよ。」
にやける私を見てあなたはいった、
呆れられてもいい。
「だって、いいじゃん逢いたいんだから。」
あなたはぶつぶつとなんか言ってるのが嬉しくて、
心からそれが嬉しくて。
「たった、一、二時間逢うためにここまで来た意味はあるの?」
羽田から三時間でこれたもん……
「だって…」
「だって?」
あなたの左薬指が間一髪にSTOPをかけてくれた
「かまぼこ食べたくて。」
相も変わらずバカな私でいたいから
鼻歌を慣らしながら見慣れない景色を窓一枚から眺めた
「次は連絡してからきなさいよ?」
少し心配そうにあなたは信号待ちで私を見つめた
「………ご迷惑おかけしました。」
ラジオを勝手に止めて不貞腐れたふりをしてみた
空は茜雲に近づいていた
「なんかあった?」
バカだから
あなたの笑顔を忘れてしまいそうになりそうだから
そんなこと言えなくて
「ありがとう。」
元気をまたもらったから
頑張れそうです
見えない何かに唱えて
車は空港に舞い戻った
「時間がなくてどこもいけなくてごめんね?」
あと少しさ一時間でもいいからさ
「いえ、本当にありがとう楽しかった。」
ありきたりな言葉を発して、シートベルトを外した。
もう少しだけ一緒にいたいけど
飛行機の時間は待ってはくれない
「また会いましょう。」
まだ離れたくない
必死にこらえて現実にカムバックをして
それでもはしたない私は
「そうだ、このまま一緒に行かない?」
手を伸ばすとあなたは少し笑って
「あんたってほんとに、
バカだな。」
手を振ってさよならをした
本当にバカだよ
涙をこらえて手を振った
“ねえ、好きだよ”
伝えないから伝わらない言葉を隠して
本当に
……バカだよ―。
(携帯)
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■19995
/ ResNo.32)
LOVE LOVE LOVE
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(5回)-(2007/09/09(Sun) 22:00:50)
「好きなんだよね。」
イヤホンの片方をあなたは私に貸してくれた
真冬のバス停―。
心地良いメロディーと少し寄り添った距離がなんだか温かい
「ねぇ、ゆーこは愛してる人に愛してるって言える?」
あなたは私のマフラーをしっかりとまきなおしながら呟いた
「どうだろ…あんまり口にだすと信憑性にかけるんじゃないかな?」
“愛してる”
その言葉の意味さえ私はあまり理解できなかった
みっちゃんは分かるの?って心で呟いてしまった。
一本道からやってくるバスが遠くのほうに見えてきた
「じゃあ、ゆーこがそうゆうなら私は死ぬまでに一回しか愛してるって言わないよ。」
みっちゃんはいつもの自信満々の笑顔で立ち上がった
「ん〜子供だから分からないよ……。」
みっちゃんはイヤホンを外して私にプレーヤーを手渡した
「貸してあげる、ありがとね。」
バスがきっちりと指定の位置にとまり、みっちゃんはバスに飛び乗った。
「また明日ねばいばい。」
「ばいばい。」
手を振って、いつものみっちゃん指定席に座りまた手をふってくれた。
これが私たちの毎日の日課でみっちゃんが見えなくなるまでみっちゃんを送る
片耳からはメロディーが流れ空からはパラパラと雪が降り始めていた
みっちゃんがバスのなかからを急に開けだした。
「ゆーこ?」
「ん?」
それは高校2年の冬の日だった
「愛してる。」
私たちは17才だったんだ―。
(携帯)
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■20058
/ ResNo.33)
浅草でーと
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(6回)-(2007/09/19(Wed) 22:24:22)
「おばさん臭くないですかね??」
いいつつも、
緩む口元。
「すごくいいよ。」
首を横に振るあなた
「そうですかい。なら、よかった。」
目を反らす癖はあなたがつけたんだからね。
「きゃっ!!」
砂利につまずいたあなたの腕を間一髪掴んで、
また目を反らした。
「どーも。」
「年上なのに、おっちょこちょいですよ。」
少しだけ怒った私はなんだか逆に子供みたい
一人先を急いだ
「じゃー、こうしよ。」
私の右腕に絡んだあなたの腕
今度は目を反らせなくなった私
「ホラ、こうすれば安心でしょう?」
なんて子悪魔な天使なんだと笑みが零れてしまった
「いい土地ですね。」
「うん、すごく。」
あなたとしかこの土地を訪れないと密かに思いながら
おばさんなんかと、煙を飲み込んだ。
「いやっ、臭いから近寄らないで!!」
なんて晴れた日曜日なんだろう。
(携帯)
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■20309
/ ResNo.34)
茜雲
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(1回)-(2007/11/21(Wed) 22:38:39)
「うん、これでよかったんだよ。」
「…ん、だね。」
出会った場所で別れるだななんて、
全然ロマンチックじゃなくて、
本当に思い出がありすぎて辛いだけ。
「わがままばっかで何もしてあげれんかった。」
ありがとうがいつだったか、言えなくなってしまった私たち。
「めーいっぱい感謝してるんだよ?」
俯く私はセーターの綻びに気を寄せた。
「分かってる?」
「なにが?」
こんなトキまで突っ掛かってごめんな、
もう口には出せなくて。
「もう、私たちは会えないよ?」
バスの時間と現実は私の都合には合わせてはもらえない。
10月が終わるとき、
冬の訪れときみのさよならが同時に雲と夕日のように重なって
なんだか美しかった。
「わかってる、何度も言わすな。」
見飽きた景色が、二人に花束を送るように茜雲が見えだした。
「時間ですよ?ご家族の方がロビーでお待ちです。」
ゆっくりと目を閉じて、
微かに触れたきみの手と私の手。
「行くね。」
「ん。」
いつも、わがままいってごめんね。
たった一言が言えずに、
きみはベンチから立ち上がった。
「ねぇ?」
息を吸い込むようにきみの言葉を無言で聞いた
「幸せだったよ。」
これがきみとのさいごのことば。
目を開けば茜雲が空一面に差し込んでいた。
「寒いからそろそろ部屋に戻りましょう。」
幾時間も座りつづけ、
私の冷えた額を悲しむきみはもういない。
「わがままいってごめんね。」
「なんですか?」
「なんでもないです。」
(携帯)
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■20419
/ ResNo.35)
贅沢いうなよ
▲
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■
□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(2回)-(2007/12/18(Tue) 20:57:20)
私の恋人は舌ったらず。
「ねぇ、らりるれろって言ってみて。」
「あいるれろ。」
可愛すぎてクスクスしてしまう。
「ばかにしてんの?」
「まさか、アハハ。」
運転しながら少しあなたは私をにらんで、
あなたも笑った。
「大丈夫緊張してない?」
信号待ちであなたがぽんと頭を撫でてくれた。
「…ん〜。」
「ん〜なに?」
こんなときのあなたは同い年には見えないほど、大人な顔をする。
どこで覚えたんだか。
「だれらって色々あると思うんだ、だからって逃げたら終わりなんだよ。」
私は誠実さが取り得なあなたを好きになった。
「だから、親にきみを紹介する。隠すことじゃないから。」
「けど……。」
「けど?」
胸の不安が拭えない。
「私、好かれるかな?」
あなたはふっと笑った。
「贅沢いうなよ、わたしに好かれてるんだから充分じゃないか。ホラ、ついたよ。」
車から降りると少しだけどきもちが軽くなった。
手をつないで、
私たちは玄関まで歩いた。
「一生キミといるから。」
握られた手の強さに私たちの未来が見えた気がした。
(携帯)
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■20452
/ ResNo.36)
smile
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□投稿者/ ぶきっちょ
一般♪(3回)-(2008/01/10(Thu) 00:04:16)
「ちゃんと、幸せですか?」
何年も聞きたかった言葉を聞いてしまった。
里帰りをした日に、
神様はずいぶんじゃないか。
2年ぶりのあなたは変わらず優しくて、
おだやかで温かい顔だった。
「なんで、そんなこと聞くの?」
優しい手でわたしの肩を叩き
「ちゃんと幸せですか?」
親族たちの宴会が飲めや騒げやなピークなときに、
あなたの目を見続けた。
あなたは首を横にふり、
「なれないよ。」
手から心からすべてが崩れた気がした、
この手を握って一生離さないと、
そう決めた。
「たまには帰ってきて顔を見せて?」
穏やかに笑ってみせたあなたは今までで一番悲しい笑顔をみせた。
「いやだ。」
「あんたって…」
「あなたが幸せじゃなきゃいやだ。」
涙があふれてくる、
愛するひとの幸せをわたしは願うことしかできない、救うことができない。
「あんたがいつか幸せにしてくれる?」
あなたはまた少し笑った。
「必ず。」
「ならそれでいい。」
泣きそうなあなたの涙をすくい、
ほっぺたを持ち上げた。
「笑ってわらって。」
笑い泣きして、くしゃっとなった顔に懐かしさを感じた。
「笑ったよ。」
ホラ今日はこれでいい。
笑ってわらって。
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■No19995に返信(ぶきっちょさんの記事) > 「好きなんだよね。」 > > > > > イヤホンの片方をあなたは私に貸してくれた > > > > > > 真冬のバス停―。 > > > > > 心地良いメロディーと少し寄り添った距離がなんだか温かい > > > > > 「ねぇ、ゆーこは愛してる人に愛してるって言える?」 > > > > > あなたは私のマフラーをしっかりとまきなおしながら呟いた > > > > > 「どうだろ…あんまり口にだすと信憑性にかけるんじゃないかな?」 > > > > > “愛してる” > > > > その言葉の意味さえ私はあまり理解できなかった > > > > > みっちゃんは分かるの?って心で呟いてしまった。 > > > > 一本道からやってくるバスが遠くのほうに見えてきた > > > > > 「じゃあ、ゆーこがそうゆうなら私は死ぬまでに一回しか愛してるって言わないよ。」 > > > > > みっちゃんはいつもの自信満々の笑顔で立ち上がった > > > > 「ん〜子供だから分からないよ……。」 > > > > みっちゃんはイヤホンを外して私にプレーヤーを手渡した > > > > > 「貸してあげる、ありがとね。」 > > > > バスがきっちりと指定の位置にとまり、みっちゃんはバスに飛び乗った。 > > > > > 「また明日ねばいばい。」 > > > 「ばいばい。」 > > > > > 手を振って、いつものみっちゃん指定席に座りまた手をふってくれた。 > > > > > これが私たちの毎日の日課でみっちゃんが見えなくなるまでみっちゃんを送る > > > > > 片耳からはメロディーが流れ空からはパラパラと雪が降り始めていた > > > > > みっちゃんがバスのなかからを急に開けだした。 > > > > > 「ゆーこ?」 > 「ん?」 > > > > > > それは高校2年の冬の日だった > > > > > > 「愛してる。」 > > > > > 私たちは17才だったんだ―。 > > > > > > > > > (携帯)
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