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■21175
/ ResNo.20)
恋唄 XIV
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□投稿者/ sakura
一般♪(1回)-(2008/11/08(Sat) 00:00:02)
タニグチ様から渡された紙切れをずっと捨てられずにいた。
何故か、自分の携帯に登録する事も出来ずにいた。
小さく丸めたその紙切れを開いたり、またくしゃくしゃっと手の中で丸める。
それを何度も繰り返しているうちに、インクが滲んで番号が読めなくなってしまった。
すっかり番号を記憶してしまった後で・・・。
ある日の午後、携帯が鳴った。
クラブからだった。
ちょうど学校の屋上で、さやかと情事の真っ最中だった。
『ヒガキ様からご指名。休暇中、何度もご指名いただいたのよ。17時にSホテル。よろしくね。』
「ヒガキ様・・・えっ、いや、あの・・・。」
美佐子さんだ・・・。
断る理由もなく、時間もなく、一方的に電話は切れた。
「だぁれぇ?」
私のスカートの中からさやかが顔を上げた。
「ん、ああ・・・バイト先。」
「もぉ、電話なんかほっときなよぉ!」
さやかの怒りもごもっとも。
誰だって情事の最中に電話になんか出られたら腹が立つに決まっている。
これが仕事中ならクビだ。
「ごめんごめん。じゃ、交代しよっか。」
「あん、まだイカせてないよぉ〜。」
そう言いつつ、さやかは素直に立ち上がった。
私はさやかの後ろに回りこみ、乱暴に背中を押して両手を壁につかせ、腰を上げさせた。
すばやくショーツをずり下げる。
もう糸を引いていた。
「や・・・恥ずかしい・・・。」
私はもう何も答えず、ヌラヌラと光っている場所に指を這わせた。
大きくなった珠を指で摘み、コリコリすると、さやかが短く声を上げる。
「んっあっ・・・んふぅっ・・・」
すぐさま、私は膝をつき、その珠を吸い上げて舌で擦る。
「んんんんっあぁっ・・・あっあっ・・・!」
最短コース。
イクふりをするよりずっと楽だし、何より、もう気持ちはSホテルに飛んでいた。
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■21176
/ ResNo.21)
待ってました!
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□投稿者/ 華織
一般♪(1回)-(2008/11/08(Sat) 14:59:14)
続きを楽しみにして、待っていましたイ
このお話すごく好きです
これからも頑張ってくださいm(_ _)m
(携帯)
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■21178
/ ResNo.22)
sakuraさんへ
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□投稿者/ 明美
一般♪(2回)-(2008/11/10(Mon) 11:39:32)
sakuraさんの大ファンです(^O^)/
昔のも全部読みました
とっても素敵です^^
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■21186
/ ResNo.23)
華織さんへ♪
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□投稿者/ sakura
一般♪(2回)-(2008/12/04(Thu) 23:39:52)
感想ありがとうございます。
お礼が遅くなり、ごめんなさい。
これからも、ゆっくりですが更新していくので、お付き合いください^^
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■21187
/ ResNo.24)
明美さんへ♪
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□投稿者/ sakura
一般♪(3回)-(2008/12/04(Thu) 23:41:29)
ありがとうございます!
昔のも読んでくださったんですか?
とっても嬉しいです!!
かなりブランクがあるので敷居が高かったんですが・・・
お陰でこれからも頑張れます^^
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■21188
/ ResNo.25)
Re[13]: 恋唄 XV
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□投稿者/ sakura
一般♪(4回)-(2008/12/05(Fri) 00:13:56)
インターホンを鳴らす指が震えていた。
このホテルまでのタクシーでも、この階までのエレベーターでも、この部屋までの廊下でも
頭の中で、同じ台詞を何回も何十回も繰り返していた。
まるで幼子が怒られた時の言い訳を練習するように。
私の気持ちとは裏腹な、軽やかな音が鳴り、まるで立って待っていたんじゃないかと思うくらいの早さで、ドアが開いた。
「サイさん・・・この間は・・・。」
言いかけた言葉を遮るように、繰り返した台詞が飛び出した。
「ヒガキ様、ご指名ありがとうございます。」
少し驚き、目を伏せ、美佐子さんは私を部屋の中へ招き入れた。
「ヒガキ様、今日はどのように・・・。」
「この間はごめんなさい。」
今度は美佐子さんが私の言葉を遮った。
「いえ、大丈夫ですよ。全く問題ありません。」
美佐子さんはうつむいたまま、私の言葉を聞いてないかのように続けた。
「私、サイさんといると、何だか安心してしまって・・・。」
「本当に大丈夫ですから。忘れてくださって結構ですよ。」
少しイライラしてきた。
美佐子さんのペースにはまってしまいそうだった。
「でも私、あれからずっと・・・気になって・・・仕方なくて・・・。」
美佐子さんは顔を上げない。
華奢な彼女がますます小さく見えるのに、何か決意のような強いオーラが感じ取れて焦る。
「ですから・・・」
「私・・・、私、サイさんに嫌われたらと・・・。」
美佐子さんが顔を上げた瞬間に、私は彼女の口を塞いだ。
唇で・・・。
驚いた美佐子さんは目を見開いたまま。
体は棒のようにまっすぐ、固まっていた。
どのくらい重ねていただろう・・・。
ほんの数秒だったかもしれない。
美佐子さんに突き飛ばされ、後ろに2,3歩下がった。
「サ・・・サイさん・・・」
声が震えている。
私は美佐子さんに追い討ちをかけるように、用意していた台詞を浴びせた。
「ヒガキ様。手前どものクラブは元々こういうものです。私はお金を頂き、お客様にご奉仕する。そのご奉仕も色々で・・・。」
「知ってるわ!」
言いかけた私を、また美佐子さんが制した。
今までに聞いた事のない大きな声で。
「・・・全部谷口さんから聞きました。だから・・・知っています。」
「・・・でしたら、話は早い。ヒガキ様には不向きなクラブです。」
はらはらと、美佐子さんの瞳から涙がこぼれた。
美佐子さんは、その涙を拭うことなく、今度はまっすぐ私を見つめた。
「初めてなんです・・・。」
言葉が出ない。
彼女の瞳に射竦められて、今度は私が棒のように直立不動になってしまった。
「こんなに・・・誰かの傍にいて安心したのとか・・・こんなに、誰かが心を占めることとか・・・。私・・・サイさんの事が・・・」
ようやく体が動いたと思ったら、美佐子さんを抱きしめていた。
「・・・言わないでください・・・・・」
搾り出すように、私の口から言葉が漏れる。
「私も・・・・同じです・・・から・・・。」
何故か、私の頬にも熱いものがつたい落ちた。
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■21189
/ ResNo.26)
やった♪
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□投稿者/ ざく
一般♪(2回)-(2008/12/05(Fri) 00:24:15)
楽しみにしてたんで嬉しいです♪
進展ありましたね
ドキドキです。
体調に気を付けて更新なさって下さいね
(携帯)
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■21196
/ ResNo.27)
ざくさんへ♪
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□投稿者/ sakura
一般♪(5回)-(2008/12/11(Thu) 23:37:21)
メッセージ、また優しいお言葉、ありがとうございます。
読んでくださっている方がいると言う事は、本当に嬉しいです^^
これからも、よろしくお願いします。
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■21197
/ ResNo.28)
恋唄 XVI
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□投稿者/ sakura
一般♪(6回)-(2008/12/11(Thu) 23:49:15)
私の肩の美佐子さんの重みを愛おしく思う。
髪を撫で、指を絡める。
時々見詰め合っては、お互い照れたように笑う。
こんなに安らいだのは初めてだった。
今までも、こんな風に相手の髪の香りを楽しみながらピロートークを楽しんだ。
相手はお客であったり、『その日』の彼女であったり。
でも今は違う。
ベッドの枕を背当てに、二人で足を伸ばして・・・
私は美佐子さんを抱かなかった。
抱けなかった。彼女を汚すようで・・・
彼女もそれを望んではいなかった。
ただ、傍にいるだけで、それだけで良かったから・・・
肌を重ね、自分すら知らないところを貪られるよりも
こうして、肩や頬で彼女の声を感じていたかった。
自分にこんな日が来るなんて思いもしなかった。
こんなに満たされ、全てのものが柔らかに感じられる日が来るなんて。
そして・・・
あんな日が来る事も・・・・
完結!
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■No21188に返信(sakuraさんの記事) > インターホンを鳴らす指が震えていた。 > このホテルまでのタクシーでも、この階までのエレベーターでも、この部屋までの廊下でも > 頭の中で、同じ台詞を何回も何十回も繰り返していた。 > まるで幼子が怒られた時の言い訳を練習するように。 > > 私の気持ちとは裏腹な、軽やかな音が鳴り、まるで立って待っていたんじゃないかと思うくらいの早さで、ドアが開いた。 > 「サイさん・・・この間は・・・。」 > 言いかけた言葉を遮るように、繰り返した台詞が飛び出した。 > 「ヒガキ様、ご指名ありがとうございます。」 > 少し驚き、目を伏せ、美佐子さんは私を部屋の中へ招き入れた。 > > 「ヒガキ様、今日はどのように・・・。」 > 「この間はごめんなさい。」 > 今度は美佐子さんが私の言葉を遮った。 > 「いえ、大丈夫ですよ。全く問題ありません。」 > 美佐子さんはうつむいたまま、私の言葉を聞いてないかのように続けた。 > 「私、サイさんといると、何だか安心してしまって・・・。」 > 「本当に大丈夫ですから。忘れてくださって結構ですよ。」 > 少しイライラしてきた。 > 美佐子さんのペースにはまってしまいそうだった。 > > 「でも私、あれからずっと・・・気になって・・・仕方なくて・・・。」 > 美佐子さんは顔を上げない。 > 華奢な彼女がますます小さく見えるのに、何か決意のような強いオーラが感じ取れて焦る。 > 「ですから・・・」 > 「私・・・、私、サイさんに嫌われたらと・・・。」 > 美佐子さんが顔を上げた瞬間に、私は彼女の口を塞いだ。 > > 唇で・・・。 > > 驚いた美佐子さんは目を見開いたまま。 > 体は棒のようにまっすぐ、固まっていた。 > どのくらい重ねていただろう・・・。 > ほんの数秒だったかもしれない。 > > 美佐子さんに突き飛ばされ、後ろに2,3歩下がった。 > 「サ・・・サイさん・・・」 > 声が震えている。 > 私は美佐子さんに追い討ちをかけるように、用意していた台詞を浴びせた。 > 「ヒガキ様。手前どものクラブは元々こういうものです。私はお金を頂き、お客様にご奉仕する。そのご奉仕も色々で・・・。」 > 「知ってるわ!」 > > 言いかけた私を、また美佐子さんが制した。 > 今までに聞いた事のない大きな声で。 > 「・・・全部谷口さんから聞きました。だから・・・知っています。」 > 「・・・でしたら、話は早い。ヒガキ様には不向きなクラブです。」 > はらはらと、美佐子さんの瞳から涙がこぼれた。 > 美佐子さんは、その涙を拭うことなく、今度はまっすぐ私を見つめた。 > 「初めてなんです・・・。」 > 言葉が出ない。 > 彼女の瞳に射竦められて、今度は私が棒のように直立不動になってしまった。 > 「こんなに・・・誰かの傍にいて安心したのとか・・・こんなに、誰かが心を占めることとか・・・。私・・・サイさんの事が・・・」 > > ようやく体が動いたと思ったら、美佐子さんを抱きしめていた。 > 「・・・言わないでください・・・・・」 > 搾り出すように、私の口から言葉が漏れる。 > 「私も・・・・同じです・・・から・・・。」 > > 何故か、私の頬にも熱いものがつたい落ちた。 >
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