ビアンエッセイ♪

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■19453 / 親記事)  -とろけるフォンデュ-
  
□投稿者/ Puriko 一般♪(1回)-(2007/07/12(Thu) 19:08:59)
    2007/07/13(Fri) 00:36:32 編集(投稿者)

    始めまして!
    Puriko(プリコ)です


    服飾系専門学校を舞台に
    個性豊かな登場人物達の恋模様を綴って行きます

    服飾系ということで
    様々な実際のブランド名・ショップ名を乱用します。
    勝手な起用ですがそこは軽く目をつぶっていただいて……汗

    主人公由紀子達が住む世界をリアルに感じていただきたいです。



    ではどーぞ(*^^*)


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■19454 / ResNo.1)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(2回)-(2007/07/12(Thu) 19:10:37)
    あちーあちー

    しぬー


    まだまだ梅雨なのに雨ひとつまともに降らない
    制服をきた女子高生も
    いつもスーツのリーマンも噂話が成分の小林さんちの奥さんも

    温暖化?
    環境問題?
    て少しだけ首をかしげる

    東京都新宿の朝8:30
    そんくらい暑いんだ


    いつもの階段を上るのに
    今日はまるで砂漠の中を歩いてる。

    あちー

    まぢ暑いー

    室内に入ると驚きの温度差冷たくて痛い風が体全体に吹き付ける

    ぶる

    さ…さむっっ!!!

    渋谷の古着屋で発掘した
    『KISS』のTシャツが既に
    怪しい湿り気におびている

    ゴールデンレトリバーみたいな色したベリーショートの髪もワックスが既に落ちかけてる


    華の女子高生も少し前に終わって、青臭い恋のロマンスもいつの間にか溶けてった

    いっちょ前にバスケ部のキャプテンだったあの頃
    弱小チームだった事も今や悩みの種ですらない


    最後にボールを触ったのはいつのことか

    先輩!先輩!と言われた日々もおわり今や一番後輩

    溶けてった
    ぜーんぶ
    気が付けば
    溶けてった

    アイスクリームみたいに
    ドロドロに
    でも糖分は少なく
    ベタベタはしていない


    某専門学校スタイリスト科1年
    東京の中野で一人暮らしをしている
    この前19歳になった

    松田 由紀子(マツダユキコ)
    十代最後の夏が


    BGMゴイステの『青春時代』がフェーイドアウトして

    何となく始まった

    (携帯)
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■19455 / ResNo.2)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(3回)-(2007/07/12(Thu) 19:12:01)
    ふあー
    汗が冷えるー

    冷房ガンガン

    こりゃ温暖化だ

    教室の一番後ろの席に
    ドカッと座る

    『うわー。汗だく…風呂上がりですか…』

    白い教室の机に座るやいなや派手〜なねえちゃんが早速話かけてきた。

    『え…うん。この暑さにこれから勝てる気が少しもない… 』

    派手なねえちゃんが
    ジーッと由紀子の顔をみる

    今日もはでだなー
    でもどっか綺麗な顔をしてる…野口 万由美(ノグチマユミ)同じスタ科の1年

    初対面からこうナレナレしくて派手な顔にミニワンピが印象的だった。
    コロコロ変わる表情にカメレオンか???と言いたくなる


    まだ由紀子の事ジーッとジーッとみている

    『な…なんだよ!穴あくよ!!!』

    手で顔を隠す

    『穴?何それ…まーいーや……それよりあんた昨日なんでメール帰すのあんな遅かったの?』


    隠した手の指の間から万由美を見る

    『だからバイトだったって言ったじゃん!だいちなんでお前の彼氏と三人で遊ばなきゃなんねーんだよ!!!!!!』

    『だってりょー君て最近さぁ……あ!何その時計!超可愛い!……』

    万由美はいつだってこうだ
    由紀子の腕に付いてる真新しいZUCCAの時計をガシっとつかんでキラキラした目で時計に話しかけてる

    万由美はいつだってこうだ何度も言うがやつはいつだってこうだ…
    カメレオンなのだ



    (携帯)
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■19456 / ResNo.3)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(4回)-(2007/07/12(Thu) 19:14:13)
    2007/07/13(Fri) 23:55:30 編集(投稿者)

    昼休み

    学校の食堂で昼ご飯を食べる

    野口 万由美
    木村 あいこ(キムラアイコ)
    近野 友香(コンノユカ)

    そして
    松田 由紀子
    皆同じスタ科1年

    この四人はだいたいいつもの窓際のテーブルを陣取って昼ご飯を食べる

    『ゆきこ!ゆきこぉぉ!!コラージュの課題〜!やった?ねーやった?』


    しつこい 笑
    こいつはしつこい

    木村 あいこ
    真ん丸フワフワボブヘアの
    ちっこくて猫みたいな子…カプチーノにピンクベージュのグラデーションがかったその色はデザートみたいに甘い

    あいこの人懐っこさに由紀子はすぐ仲良く成れた

    全身Ne-netのあいこを見たときこんなにココの服が似合う奴はいないと思った。


    『頼ってないで自分で少しは努力しなさい』


    落ち着いた声であいこにいい聞かせているのは
    近野 友香(コンノユカ)

    170もあるその身長でスキニーにマルタンマルジェラの変形トップスが本当に絵になる

    初対面の時、友香のセンターパートに無造作なロングヘアがあまりに色っぽくてぶっちゃけ由紀子はドキッとした


    ドキッとしたさー
    するさそりゃ

    ってちょっと待てよ?
    あれ?今日は…


    『怒られてやんの(笑)』
    横目で万由美がからかっている


    あれれれ?


    『え!!!コラージュの課題!!!いつ提出日?』

    由紀子は裏返るほどの焦り声で叫んだ


    『もしかして〜!』
    万由美の怪しい笑み

    あいこがヒャッ!と顔を両手で覆う

    友香が困った顔で笑いながら左手で髪をかきあげる


    由紀子を抜かした三人が一斉にハモった


    『明日だよ…』



    『うおぉー!!!』

    ガタタッ

    由紀子は思わず立ち上がり悲鳴?をあげた


    万由美がケラケラ爆笑

    A定食の味噌汁がこぼれそうになり友香がオッと手で押さえる

    由紀子の腰に付いてる
    MILK BOYのウォレットが
    虚しく陽気にカチャカチャ音を立てて由紀子を馬鹿にしていた




    うおおおーーーー!!!
    やべぇーーーー!!!


    こいつ本当に馬鹿だ(笑)


    (携帯)


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■19457 / ResNo.4)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(5回)-(2007/07/12(Thu) 19:15:56)

    自業自得だけど
    お陰で昨日は寝れなかった
    頼み込んで友香に家に来てもらい手伝ってもらった

    何故かあとの二人もきた

    万由美もあいこも
    由紀子ほどではないが
    まだ課題がしやがっておらず…すっかり課題の終わった友香が三人の面倒をみるはめになった

    早々に終わった二人は
    キャッキャッと楽しそうにたこ焼きプレートでたこ抜きたこ焼きを作ってそれをツマミにビールを飲んでいた…

    羨ましそうに見つめながら何とか友香に手伝ってもらいながら課題を終わらせたってわけだ

    『ほらー由紀子!ビールは終わってから!』

    友香にそう言われながら…


    四人の夜は溶けてった
    チーズみたいに

    ゴルゴンゾーラみたいに
    溶けてった

    いいにおいだ


    あのさ
    たこ焼きにチーズ入れんのうまいよね






    (携帯)
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■19458 / ResNo.5)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(6回)-(2007/07/12(Thu) 19:17:20)
    で翌日

    今日は服飾科との合同授業
    少し大きめの教室に移動した。四人とみっこやよーちゃん達を含めた一行はだいたい固まって斜め後ろの席に座った


    ガリガリの眼鏡をかけた講師が入ってきた

    授業が始まる


    カチャッ

    由紀子のすぐ後ろのドアが開いた
    隣に座っていたあいこも音に気付いてフッと後ろを見る………

    何度か見たことのある服飾科の女の子が息を切らして入ってきた

    『はぁ…はぁ…あのぉ…………はぁ…ここ座って良いですか?』

    由紀子の開いてる隣の席を指差して言った

    『どおぞ!どおぞ!』

    営業スマイル?じゃないけど満面の笑みで由紀子は椅子を引いて手招いた


    この子どんだけ走ってきたんだ?そんなことを考えながらその子を横目でみた

    オレンジがかった落ち着いたブラウンにベースのボブヘアにゆるいパーマがかかった髪型をしている

    LIMIfeuの黒いサロペをシンプルに着こなして

    センスがキラリと光っていた
    額に少しの汗

    くりっとした目

    白い肌

    改めてみると可愛い

    取り出したノートには
    『橘 弥華』

    ???たちばな……あ?
    何て読むんだろ

    そう思った瞬間に
    思わず話しかけてしまった



    『名前これ、なんて読むの????』



    甘いマシュマロが
    頭の中でとけだした

    トロトロに

    甘いにおいが頭の中に立ち込める

    フワフワと

    沢山マシュマロがとけだした

    トロトロトロトロトロトロ


    頭のなかが甘ったるく
    糖尿気味になったけど

    気にもとめず

    由紀子はそのマシュマロを放っておいた


    (携帯)
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■19463 / ResNo.6)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(7回)-(2007/07/13(Fri) 00:31:34)
    ビューーン

    ビューーン

    風を切る
    風が追い抜く

    爽やかな風がこの青春時代を物語っている!!!



    ってほどでもねーな

    黒く短い髪とグレーの可愛くもない制服のスカートがひゅるひゅると風に
    乗ってキラキラ光っていた



    今日から夏休みだ
    いつものキツイ坂だって
    今日は一気に立ちコギで上ってやろう



    『ゆーきーこー!!!』

    後ろから聞きなれた声
    自転車をしょうがなく坂の途中で止めた

    『なんだよー!!!』
    少しイライラした声で答えてみる。声の主はアイツだ

    近視でボヤけて見えない坂の下にいる少女の顔を

    由紀子は
    100%わかっている


    声でわかる


    森川 明海(モリカワアケミ)
    同じ制服の華奢な少女が由紀子のほうえ駆けてくる


    『はぁ〜あつーい』


    キラキラした笑顔が
    眩しい

    純粋に
    素直に
    恥ずかしいくらい
    真っ直ぐに

    恋をしていた


    明海とは幼稚園の頃から一緒で家族ぐるみでも仲がいい……

    いつも一緒だった

    環境も条件もバッチリだったわけだ
    だから
    気が付いたら
    明海に由紀子は
    恋をしていた

    当然のように
    恋をした


    漫画みたいに
    ドラマみたいに
    夢みたいに

    気が付いたら
    二人は恋人どおしだった


    『なんで置いてったの!』

    膨れ顔も可愛いことコイツ自分で知ってんのかな

    『丹野らへんと帰りはなしてたからさー!うちのコトなんてほっといてさー!』

    この笑顔で全部許してるけど少しいじめてみる

    『ごめん!ゆーちゃん!』

    明海は手を合わせてわざとらしく由紀子を見上げた

    『まーいけど』

    照れ隠し照れ隠し(笑)


    『お昼はもちろんうちで冷やし中華でしょ?』

    そう言って明海は
    由紀子のゴツゴツした長い指に手をからめた




    (携帯)
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■19464 / ResNo.7)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(8回)-(2007/07/13(Fri) 00:32:57)
    甘い空気が立ち込める

    はぁ…はぁ……

    くちゅ…くちゅ……

    『んっっ…はぁ…ぁっ』

    細くて長い指一本一本に
    反応する


    可愛い……


    鼻につく甘ったるさが
    ツーンとする

    白くて華奢な体に
    手をまわしてキスをする

    何度も
    何度も
    キスをする

    くちゅ…ちゅっ

    『ん……はぁ……』

    うっすら汗を
    かいてる背中を抱く

    『ん……ゆきこぉ』

    『……ん?』

    手を止めて
    明海の頭を撫でる

    『なに?…どうした?』


    『へへ……好きぃ』

    明海は由紀子の首に手をまわしてぎゅっと抱きついた

    それに答える腰に回された由紀子の腕

    細くて長くて少し筋肉質なその腕でぎゅっとした


    『…冷やし中華さ食べ過ぎて胃もたれする……』

    『もー!ゆーちゃん!雰囲気ぶち壊し!最低!』

    腕の中で小さな明海が
    また膨れていたずらっぽく微笑んだ


    『ははっ(笑)ごめん』

    照れ隠し照れ隠し(笑)



    (携帯)
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■19465 / ResNo.8)  
□投稿者/ Puriko 一般♪(9回)-(2007/07/13(Fri) 00:34:24)
    まだまだ太陽は高い
    夏の昼下がり

    冷房のきいた明海の部屋


    隣にはゴロンと寝っ転がる明海、由紀子の腕に絡み付く
    『ねーぇーもうすぐだよねー専門学校の合格発表』

    『うん』


    『ゆーちゃん受かったらさお祝いしよーね』


    『うん』


    『私も頑張って大学受かってゆーちゃんと沢山遊びたい♪♪』


    『明海さーこれから塾ばっかで大変だなぁ』


    『でも頑張るょ』


    『うん』


    バスケ部も早くも負けて早々に引退していた。

    可愛い後輩達とも
    気が付いたら卒業で
    お別れだ

    こうやって
    なんでも
    なんでも
    溶けてくみたいに

    チョコレートみたいに
    トロトロ
    ながれて
    トロトロ
    溶けてく

    青春てこういうことだ
    あっけなくて
    あほみたいな

    こういうことだ


    室内には明海の大好きな木村カエラのTEA CUPが流れていた


    いやーやっぱ冷やし中華食い過ぎたな

    (携帯)
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■19466 / ResNo.9)  第4話
□投稿者/ た 一般♪(1回)-(2007/07/13(Fri) 01:12:41)
    ×しやがる
    ○仕上がる(しあがる

    文章表現上の故意による誤字だったらすみません

    (携帯)
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