| 何通かメールのやりとりをして、1限の終わりを告げるチャイムが鳴る
さ、寝よ。
いつもの様に机に顔を伏せると
『はい、寝な〜い!』
と言って奏音が私の頭をぽんっと叩く
『なんやねん。』
目だけを開けて奏音を見ると
声からは想像できない様な、とても悲しそうな顔をしていた。
体も起こして、ちゃんと向き合って奏音を見ると
奏音は目を下に逸らして小さく深呼吸すると、もう一度私の目を見据えて言った
『私、本気やけん。』
そして、呆気に取られている私を前にこう続けた
『私、先輩譲らんけん。』
…コイツ、まさか。
『今日からさくらとはライバルやけど、でも友達やけんね♪』
マジかよ。
昨日やっと初恋が来たと思いきや、もう一波乱くるなんて…
でも
『手加減せーへんで。
ま、正々堂々と戦おうや。』
そう言って奏音の頭をぽんっと叩き返した。
『昨日…2人っきりやったんやろ?』
不安そうな顔で私の顔を覗きこむ奏音。
……まなみに聞いたんかな?
『まぁ…そやな。』
どこまで言ったんかな?
『先輩達…別れたとやろ?』
お…それも知ってるんや。
『そうみたいやな。 まぁ私は付き合ってた事も別れた事も昨日初めて知ったけど…。』
「さくらは… いつから先輩の事、好きと?」
『昨日というか、半日前くらい?』
「そっか。
さくらがライバルとは強敵やなぁ〜………。」
誰がライバルとか、関係あるんかな? 私は、誰がライバルでも別にかまわへん。 好きな気持ちに変わりはないから。
『がんばれ乙女。』
そう言って軽くデコピンすると
「痛っ…!も〜! さくらのその余裕がムカつくっちゃけど〜!!」
と、おでこを両手で抑えながら 泣きまね顔をしていた。
あ…そうや。
『なぁ、まなみ先輩の妹ってどんな人なん?』
なんとなく、どんな人なのか気になる。 似てるんかな?
『ゆう先輩の事?』
「名前知らんけど。」
『う〜ん。。 一言で言うなら、つかみ所がない人かな?』
「漠然すぎるやろ。(苦笑)
顔は?まなみ先輩に似てるん?」
そう聞くと、さくらが人の事聞いてくるなんて珍しい〜!と驚かれた。
確かに。
(携帯)
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