| なんだかとても気持ち良くて
起きれそうだけど起きたくない
そんな気持ち
目を開けてみると
私は暖かい胸の中にいた
上を見ると
『ごめん…起こしちゃった?』
と微笑んでいるまなみがいた。
『いつから起きてたんですか?』
と聞くと
『私もついさっき。』
そう言って私の髪に指を通す
初めてまなみの涙を見た日
髪を結ってくれた時と同じ… いや、それ以上の心地良さが私を包んで
思わずまた目を閉じたくなる。
『起きて、颯の寝顔を見てたら愛しくなっちゃって。』
「こんなに安心してゆっくり眠れたのは、すごい久しぶりです。」
『私もだよ。』
目の前にある鎖骨が綺麗。
触れてみたくなって
その綺麗な鎖骨にキスをしてみた。
『くすぐったいよ。
でも、気持ちいい。』
「おはようございます。」
起き上がって、今度は口に目覚めのキス。
もしも 【愛】や【幸せ】というものに形があるとするならば
私にとって、それはまなみだ。
まなみが生きていて
まなみが笑っていて
まなみに触れられる
それが、私が見つけた触れる事のできる【愛】であって【幸せ】だと思う。
初めて食べる まなみの手料理
沢山具が入ったポトフと、サラダに、クロワッサン
とても美味しくて、優しい味がした。
何度美味しいと言っても
『本当に美味しい?』
と不安そうに聞いてくるから
『今すぐ嫁に来てほしい位です。』
と言うと
いつもの子供みたいな笑顔が戻った。
外は快晴
正しく五月晴れってやつだ
食後に、コーヒーを入れていると
まなみは頓服の薬を飲んで
『発作が起きない為の薬なの。』
と、寂しそうに笑った。
『先輩、今日は晴れてますよ。 このコーヒー飲んだら、あの観覧車、乗りに行きませんか?』
そう提案すると ビックリしたように私を見て
そうやね、と晴々しく笑った。
観覧車は、ショッピングモールと一体化した中にあって
少しプラプラとウィンドウショッピングをしながら見つけた、可愛いビーズ飾りのストラップを白とピンクのお揃いで買った。
(携帯)
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