ビアンエッセイ♪

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■19643 / ResNo.80)  - 51 -
  
□投稿者/ Y ちょと常連(65回)-(2007/08/06(Mon) 09:08:44)
    『大丈夫ですよ。
    あんな人に緊張するだけ損だって、今に分かりますから(笑)』


    そう言って、リビングに入ると


    『おかえり〜…って
    あら、べっぴんさん連れて♪
    学校の子?』


    そう言うとおかんは
    まなみの目の前まで来て、両手でまなみの頬を包み、いやぁ〜すべすべ〜♪とか言いながら触り続ける。




    突然の出来事に、まなみは目を見開いて固まっている。


    『ちょっとやめたってや、この人は学校の先輩で早川 まなみさん。
    バスケ部のマネージャーリーダーしてはんねん。』


    と、おかんの手をどかすと


    『そぉなん?
    じゃあまなみちゃんもおかえり〜♪
    この可愛げないチビをよろしくしたってね〜。』


    とニコニコしながらソファーへと誘導して


    『ほらチビっ。

    はよ何か飲みもん出さんかいな!』


    とキッチンに向かった私に催促する。




    冷蔵庫を開けながら
    そんなん言われんでも分かってるわ、と心で呟きながら


    『先輩、ジャスミンティーとグレープフルーツジュースどっちがいいですか?』


    と聞くと


    『おかんビールな!』


    と横から返って来る…


    言うと思った。


    『おかんは言われへんでも分かってるわ。
    私は先輩に聞いとんねん、黙っといて。』


    と一応ゆーたったのに


    ソファーでは


    『ほらっ、可愛くないやろ〜?あのチビ!
    あんなひっくいテンションで突っ込まれても全っ然おもんないよなぁ〜?
    ボケ殺しやわ〜ホンマ!』


    なんて、まなみに愚痴っている。


    本人はコソコソ話のつもりかもしれへんけど、丸聞こえやって…。


    まなみは私を見て困った様に笑いながら


    『じゃあ…私もビールで。』


    と言った。


    『おっ、いいねぇ〜まなみちゃん♪
    お酒はイケる口なん??
    うちのチビも生意気に私より強いんやで?』


    「そうなんですか?
    颯とはまだ飲んだ事がないので知りませんでした。
    私は、お酒好きなんですけど弱いんです。(笑)」


    『ほな今日は飲も!
    明日は日曜日やし、学校2人とも休みやろっ?
    もうまなみは今日泊まっていき!!』


    「あ…は、はい。(笑)
    じゃあ、お言葉に甘えて。」




    完っ全に押されてる…




    つか、何【まなみ】呼ばわりしてんねん。




    結局お寿司を取る事になったので




    それが届くまでの間、酒のあてになりそうな物を作る事にした。



    (携帯)
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■19645 / ResNo.81)  - 52 -
□投稿者/ Y ちょと常連(66回)-(2007/08/06(Mon) 09:56:51)
    簡単なものを4品作り終えた所で




    特上のお寿司が届く。




    いつの間にかまなみはおかんとすっかり打ち解けていて




    おかんのしょーもないボケに、声を上げて笑っていた。




    お寿司とおかずを並べて、ビールで乾杯




    私とおかんのやりとりに




    まなみは、親子漫才みたいで楽しい!と言いながら
    普段早いと言われる私と同じ様なペースで飲んでいく


    『先輩、そんなに飲んで大丈夫なんですか?』


    「ついつい楽しくて…っ。
    でも、ちょっと酔っ払っちゃったかも……。。」


    と、隣に座る私の膝に頭を乗せて寝そうになっている。


    その頭を撫でていると、先輩は安心したのか寝てしまった。




    おかんも結構飲んでいたが、お酒をワインに変えてまだ飲む気まんまんでいる。




    そのおかんから突然


    『あんた達、付き合ってるん?』


    と、耳を疑うような質問をされた。
    確かめる為に


    『え?』


    と聞き直すと


    『今の時代、同性愛なんて珍しくもないやろ。
    あんた達見てたら分かるわ、愛し合ってる事くらい。
    だてにあんたの母親16年やってへんねんで。
    まーあんたの人生なんやし、あんたが大切にしたい人をしっかり守ってあげたらそれでいいと思うで。
    まなみ、えー子やし私も気に入った♪』




    なんやかんや、やっぱり親やねんな。




    『悔しいけど
    あんたの娘で良かった…とか、今一瞬だけ思ったわ。』


    そう言うと
    おかんは


    『べっぴんの嫁が来た記念に乾杯〜♪』


    と言って、何故か親子で一気した。




    この人なりの、照れなんやろう。




    今夜は、おかんの気が済むまでとことん付き合ったるか。




    おかんには、まなみの年の事や病気の事も話しておいた。




    全てを聞いたおかんは


    『本気なら、精一杯あんたが支えてあげ。』


    と、背中を押してくれた。




    私は


    『おかんも。
    あの人に大切にしてもらいや?

    再婚、したらえーやん。』


    と、やっと言えた。




    おかんは一瞬止まって
    ありがと、と言った。




    ただ、一緒に生活をするのだけはもう少し待って欲しいと伝えると


    『分かってる。
    私らも焦ってるわけちゃうし、あんたの心の整理がつくまで待つってアイツもゆーてたから。』


    と返ってきたので安心した。




    気がつくと2人で3本もワインを空けていた。

    (携帯)
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■19647 / ResNo.82)  - 53 -
□投稿者/ Y ちょと常連(67回)-(2007/08/06(Mon) 20:49:11)
    おかんもソファーで寝そうだったから、自分の部屋に帰した




    さてと




    このお嬢様をとりあえずベットまで運んで、後片付けでもするかな




    抱き上げると、想像以上に軽くてビックリした




    部屋に向かう途中
    目覚めたまなみが、お姫様抱っこをされている自分の状況に気付き、初めてされた〜♪と、私の首に手を回してきた




    ベットに降ろしても、その首に絡めた腕を放そうとしないまなみ




    起きているのか
    寝ているのか




    まぁ…まだ酔っている事だけは確かだ。




    『先輩、ちょっと一回放して下さい。』


    「颯は、私の事好き?」


    『好きですよ。』


    「私も、颯が大好きよ。」


    『ありがとうございます。』


    放してくれる気配が全くなかったので




    諦めて、しばらく私もベットに寝る事にした。




    今日の朝してもらっていた様に、私はまなみに腕枕をして胸に抱き寄せ、ゆっくりと頭を撫で続ける。




    まなみも私の腰のあたりに手を回してしがみついている。




    柔らかい髪に手を通そうとすると、まなみの白くて小さい耳に手が当たった




    まなみは、一瞬ビクっと反応して……




    ゆっくり私の目を見つめると


    『キス、…して。』


    と言って、また目を閉じる。




    その顔が、声が
    いつもより数段艶やかで、ドキっとした。




    優しくキスしたつもりだったが、少しずつ激しくなっていって




    まなみは
    息継ぎをする度に


    『気持ちいい。』


    と言っていた。




    愛しくて




    どうしようもない位
    全てが愛しくて




    私は、まなみの
    おでこやほっぺた、目や鼻にもキスをした。




    まなみは楽しそうに笑って


    『もっともっと〜。』


    と言っている。




    私は続ける




    さっき触れた
    まなみの耳にもキスをした




    私の耳元では
    まなみの甘い吐息が漏れる。




    それが聞きたくて
    しばらく耳で遊んでいると




    だんだんとその息遣いは荒くなってきて




    小さな声が漏れるように私の耳に直接響く…




    伝わってくるまなみの鼓動がどんどん早くなるのが分かって、口を離し




    心臓に手を当て


    『大丈夫ですか?
    苦しくないですか?』


    と聞くと


    『大丈夫やけん…っ

    ………やめないで…。』


    と言って、私の口を指でなぞった。

    (携帯)
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■19648 / ResNo.83)  - 54 -
□投稿者/ Y ちょと常連(68回)-(2007/08/07(Tue) 00:29:25)
    一瞬




    理性が飛びそうになる




    まなみが、意図しようとしている事は…




    なんとなく、分かる




    だけど




    今は、違う気がする




    『先輩、酔いすぎです。』


    そう言って笑いながら軽くまなみの頭を小突くと


    『勢いとかじゃないよ。

    颯に触れて欲しいって、そう思うと。

    あと何度、こうやって一緒に眠れる夜があるか…分からんやろ?

    私がいなくなっても

    颯に忘れられてしまわんように…
    いっぱい、いっぱい触れて欲しいと。

    それに、今日は
    私達の始まりの記念日なんやろう?』


    先輩……




    それはズルイ。




    もう、どうにでもなれ




    『やっぱり止めて、はナシですよ。』


    そう言うと、まなみは目に涙をいっぱい溜めて




    何も言わずに何度も大きく頷いた。




    もちろん女性とそういう関係になるのは初めてだし




    どうしていいのかも分からない




    でも
    正しいやり方なんてきっと、ない




    本能のままに、愛し合えばいい









    『もう、私がおらな生きていかれへん体にしてあげる。』








    その言葉を皮切りに




    私達は、お互いをより深く知り合った。




    泣きながら




    笑いながら




    どこまでも深く、熱く………




    どの位の時間そうしていたのだろう




    窓から見える空には




    もう朝陽が少し顔を出していて




    まなみの細い肩を後ろから抱き締めて




    同じ空を見ながら


    『もう朝ですね。』


    と言うと


    『敬語に戻るんや。(笑)』


    と指摘された。


    自分では全く意識していなかったので


    『私、タメ口でした?』


    と確認すると


    『無意識やったったい(笑)』


    と言うと、後ろから回していた私の手を握って


    『私…今なら死んでもいいなぁ。』


    と呟いた。


    『困るんでやめて下さい。』


    「ふふ…はーい。

    はぁー…良かった。」


    『何がですか?』


    「初めてが、颯で。」


    『私も、初めてが先輩で良かったですよ。』


    「颯の場合は、女性が…やろう?」


    『はい、そうですけど。

    ……つか……え?
    まさか、先輩…。』


    「そうだよ?
    だって私、男性とも経験ないもん。
    この年で初体験は貴重だよ〜?(笑)」


    『私で、良かったんですか?』


    「颯が、良かったんだよ?」


    (携帯)
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■19653 / ResNo.84)  - 55 -
□投稿者/ Y ちょと常連(69回)-(2007/08/07(Tue) 02:54:46)
    『痛くないですか?』


    「痛かったのかな?
    幸せすぎて分からんやった。

    今は少し重い感じがするけど、それもまた幸せやったりして…。

    私、Mなんかなぁ?(笑)」


    『そういうの、良く分かりませんけど…

    確かにこの気怠い感じも、悪くありませんね。』


    すると
    まなみは寝返りを打ってこっちを向く


    「おやすみ、颯。

    また明日ね。」


    そう言って、目を閉じる。


    『はい、また明日。

    ゆっくり寝て下さい。』




    【また、あした】




    この言葉が好き




    明日も必要とされる約束みたいだから。




    あと43年間




    毎日欠かさず言い合いたい。




    今日は本当に特別な日




    まなみも同じ気持ちでいてくれてたら嬉しい




    裸で抱き合って眠るのは、昨日とはまた違う幸せがあった。




    昨日よりも今日




    今日よりも明日




    きっと、こうやって
    毎日違うまなみを見つけて恋をして




    愛は、更に大きくなってゆくんだろう。




    目が覚めると、太陽がもう高くて




    横を見ると、あどけない寝顔のまなみがいた




    起こさないようにそっとベットを抜け出して服を着る




    風邪をひかないように布団を掛け直して




    可愛いおでこにキス




    昨日の残骸を片付けて




    朝ご飯を作り始めると、二日酔いでグダグダなおかんが険しい顔で頭を抑えながら部屋から出て来た




    『あぁぁ…頭痛い。
    あんた何ともないん?
    ご飯何作ってんの〜?
    胃に優しいもんにしてや〜………?』


    と、ソファーに倒れ込むように座る。


    『何ともないで。
    ほなご飯はチビ雑炊な。
    ほら、飲み。』


    と言って、野菜ジュースを注いで手渡す




    【チビ雑炊】とは、昔からおかんが二日酔い明けに作る、細かく刻んだ野菜と鶏肉が入った味噌ベースの雑炊の事だ




    そうや、しまほっけもそろそろ食べな悪くなるわ。


    『あんたの酒の強さは父親譲りやな。
    あんたのおとん、正真正銘のザルやったから。
    最近顔もそっくりになってきたし、あんた見てるとなんや懐かしくなるわ。(笑)
    ほんまあんだけ飲んでどーもないとか信じられへんわ。』


    信じられへんわ、って……
    飲ましたのはあんたやろ




    と、話半分でほっけを捌きながら思う。






    (携帯)
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■19654 / ResNo.85)  - 56 -
□投稿者/ Y ちょと常連(70回)-(2007/08/07(Tue) 03:38:29)
    もうすぐ出来上がりそうな所で、おずおずとまなみがリビングに入って来た


    『おはようございます。

    何か飲みませんか?

    もうすぐご飯出来ますから、ソファーにでも座って待ってて下さい。』


    微笑みながら話しかけるとオープンキッチンの対面にちょこちょこと寄って来て


    『おはよう。
    ん〜…なんか二日酔いっぽくて頭痛いけんお水もらってもいい?(笑)』


    と苦笑いしながら言った。


    後ろにいたおかんには気付いてなかった様で


    水を受け取ってソファーに向かおうと振り向いた瞬間にビックリしていた。


    『あ…っ、お…おはようございますっっ!』


    まなみは自分が二日酔いな事も忘れて、大きく頭を振り下げてから


    『痛っ…。』


    と頭を抑えこんでまた苦笑いしている。


    『あらら大丈夫〜?

    おはよ、まなみん♪
    私も二日酔いやね〜ん…チビだけケロっとしてるけど。
    女のザルは可愛くないのに可哀相になぁ…。』


    と、また私をネタにしている。




    つか、【まなみん】はやめろや


    『颯、本当にお酒強いんですね!
    頼もしいじゃないですか♪
    私、お陰様でこれからも安心して酔えます(笑)』


    なんて言ってまなみは笑ってる




    ご飯を並べて、三人で食べた。




    チビ雑炊はまなみも大絶賛で、2人しておかわりまでしてた。




    これだけ食べられるんやったら、別に雑炊じゃなくても良かったんちゃうん…?




    と思ってしまう位に、2人ともペロっと完食してしまった。




    なんなら
    食後のコーヒータイムには、一昨日まなみが買ってきてくれていたシュークリームまで平気で食べていた。




    【甘い物は別腹】




    で出来ているのが
    女性の体の仕組みらしいが




    残念ながら私のお腹は一つしかないようだ




    でも、沢山食べれる事は良い事に過ぎない




    生きるエネルギーを取り入れる力があるという事やから。




    『太っちゃうのは分かってるんですけどねぇ。。』


    と言いながらおかんと笑い合ってるまなみ。




    体重なんて100キロ増えたって構わないから




    どうかこのまま元気でいてほしい




    そう願っていた。




    忘れていたまなみに薬を飲ませ、2人でおかんを仕事に送り出す




    毎週日曜日は
    通っていた教室で小さい子達にバレエを教えているというまなみも帰り支度を始めた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19655 / ResNo.86)  - 57 -
□投稿者/ Y ちょと常連(71回)-(2007/08/07(Tue) 04:20:27)
    まなみが帰って行くのを、車が見えなくなるまで見送って




    部屋に戻ると、携帯が鳴っていた




    メールの着信音や。




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :(*‘‐^)-☆

    本文 :長々とお邪魔しました♪

    なんかすごい長い時間一緒にいた気分。

    今、1人でおる自分に違和感を感じる位だよ(笑)




    運転中やのに
    危ないなぁ…全く。




    【送信メール】
    宛名:早川 まなみ
    件名:こらこら

    本文:運転中にメールしたらあきません。

    事故ったら困るんで、運転に集中して下さい。

    でも、私も同じです。




    それから約15分後




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :m(_ _)m

    本文 :ごめんなさ〜い…。。
    今、無事自宅に到着したけん安心してね☆

    また、レッスン終わったら連絡するけん!




    と入って来た。




    よし、私も動こう。




    一日バスケしないだけで、無償にバスケがしたくなる。




    私は近くの公園にある
    錆びかけたゴールで軽く汗を流して




    シャワーを浴びて、献血センターに向かった。




    だけど
    注意書きを見てみると、前日に飲酒している人は出来ないらしいので、仕方なく後日出直す事にした。




    だけど
    そこには骨髄バンクの登録手順なんかが載っている資料や、臓器提供意思表示カードも置いてあったので、それを持ち帰った。




    帰り道、うちの近くにあるベビーグッズのお店のディスプレイに飾ってあった、小さな小さな水色の靴に目が止まった。




    一目惚れって位衝撃的に可愛いねんけど
    周りに赤ちゃんがおる人もおらんし、妊娠する可能性がある様な人もおらん。




    自分はもっての他やし…




    でも
    目が離せなくて、意味なくずっと眺めていると、中から【こんにちは。】と店員さんらしき人が出て来た。




    店員さんに話しかけられるのが何よりも苦手な私は、失礼と思いながらも顔も見ずにその場を立ち去ろうとした




    すると




    『颯ちゃんよね?!』


    と名前を呼ばれたので、驚いて振り向くと


    『やっぱりそうやん!
    どうしたと?こんな店の前で。』


    そう言って話しかけてきたのは




    キクちゃんだった。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19656 / ResNo.87)  - 58 -
□投稿者/ Y ちょと常連(72回)-(2007/08/07(Tue) 05:00:45)
    『こんにちは。
    先生こそ、まさか妊娠でもしはったんですか?』


    冗談で言ったつもりなのだが


    『まだ学校の皆には内緒ね★』


    と、口に人差し指をあてて笑った。


    『まじですか。』


    一瞬にして、最近ゆう先輩と別れた理由がなんとなく分かった。


    『ねぇ、颯ちゃん今ヒマ??

    ちょっとお茶でも付き合ってよ♪』


    という訳で、思いがけずキクちゃんとカフェに行く事になった。




    向かおうと何歩か歩いた所で、何故かどうしてもあの水色の靴が頭から離れずに気になって仕方ないので
    【ちょっと待っててもらえますか。】とキクちゃんに言い残し、その靴を買ってきた。




    カフェに入って




    私はアイス・ラテ
    キクちゃんはオレンジジュース
    そして、ここのチーズケーキ美味しいとよ♪というキクちゃんの勧めで、チーズケーキを二つ注文した。


    『学校はどう?
    もう慣れた?』


    「はい、だいぶ慣れました。」


    『部活、きつかろう?
    亜也にしごかれとるんやない?(笑)』


    「楽しいですよ。」


    亜也先輩とゆう先輩が付き合った事、キクちゃんは知ってるんかな…?


    『それなら良かった♪

    のんちゃんに、颯ちゃんのバスケの腕前がスゴイって聞いたよ!』


    「そんな事ないです。
    背があるから得なだけですよ。」


    『まなみとか…元気?

    最近全然会ってないけん、体の事心配やったっちゃんね。』


    「元気ですよ。
    昨日と一昨日、家に泊まってたんでさっきまで一緒でした。」


    『え〜そうなんや!
    じゃあ亜也も一緒にかな?』


    あ、亜也先輩とまなみ先輩が別れたのも知らんねや…。


    「亜也先輩とまなみ先輩、別れましたよ。」


    そう言うと、ビックリした顔で


    『颯ちゃん、2人の事知ってたんや?!』


    と言って、オレンジジュースにむせている


    先生とゆう先輩の事を知っているのは、言わないでおいた。


    「先生、今何ヶ月なんですか?赤ちゃん。」


    『ん…?
    3ヶ月目に入った所。
    7ヶ月目に入ったら、産休取らせてもらうかな……ゴメンね?』


    と、お腹を触りながら
    困ったような笑顔で言う。


    「いえ、そうですか。

    おめでとうございます、無理せず体大事にして下さいね。」


    『ありがとう!
    安定期に入る来月には、クラスの皆にも言うつもりやけん…それまでは内緒でお願いね★』


    なんだか、複雑だ。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19657 / ResNo.88)  - 59 -
□投稿者/ Y ちょと常連(73回)-(2007/08/07(Tue) 05:46:18)
    『颯ちゃんもそれ、お祝いか何か?』


    そう言って、さっき私が買いに戻った靴が入った袋を指差すキクちゃん


    『いえ、特にそういうんじゃないんですけど。

    可愛いかったんで。』


    「え?
    変なの〜♪やっぱ颯ちゃんって面白かよね(笑)」


    何が面白いんやろう?


    まぁでも…用もないベビーシューズを買う女子高生という観点でものを考えてみれば、変わってると言われても仕方がないかと思うけど。


    『本人は至って普通にしてるつもりなんですけどね。』


    「私はそういう颯ちゃんが好きやけどな♪

    あとは午前中の授業で寝なければなぁ〜…(笑)」


    『あ…すいません。』


    「まぁ私も学生の時は良く寝てたから、人の事言えんっちゃけどね!(笑)」


    キクちゃんは、良く笑う人だ




    元々つぶらな垂れ目で優しい顔立ちやけど




    妊娠してると聞いたからか




    尚更穏やかな母親になる顔に見えた。




    『明日の球技大会、颯ちゃんバスケやったよね?
    私バスケの担当やけん、のんちゃんが絶賛しとったバスケプレー楽しみにしとるよ♪』


    「そんなにハードルあげんといて下さい。」


    誰とでも分け隔てなくフレンドリーに接する事の出来るキクちゃんはすごいと思う




    人見知りの私には絶対無理やから




    キクちゃんみたいな人が、世で言う【癒し系】ってやつなんやろう。




    汗をかいたアイスラテを飲み干すと


    『よし、じゃあ帰ろっか。
    ゆっくり帰る用意しとって?』


    と、自分は席を立ってさっと会計を済ませに行く。




    さりげない行為が、見た目は少女みたいでも大人なんやな…と分かる。


    『ご馳走さまでした。
    いいんですか?』


    と言うと


    『当たり前やん♪
    こちらこそ付き合ってくれてありがとう!

    じゃあ気をつけて、明日学校でね☆』


    と、最後にもう一度満面の笑みを見せて帰って行った。




    細かい事は分からないけど




    新しい道を歩くと決めたキクちゃんの顔は凛としていたから




    きっと、これで良かったんやろう。




    帰って、臓器提供意思カードに記入をする




    未成年やから、保護者の同意のサインがいるらしい




    おかんが帰ってきたら、書いてもらおう。




    ベランダに出て、煙草を吸う




    夕焼けの空を見ると




    昨日のお墓を思い出した。

    (携帯)
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■19658 / ResNo.89)  - 60 -
□投稿者/ Y ちょと常連(74回)-(2007/08/07(Tue) 06:16:23)
    おかんがいつもより早めに帰ってきた




    最近、早く帰って来る事が多くなった気がする




    1人だと適当に済ませようとする晩ご飯作りも




    なんとなく、気合いが入る。


    『早かったやん。』


    「う〜ん…何か気持ち悪くてなぁ。」


    『毎日飲み過ぎやねんて。
    少し控えーや。』


    「そうやんなぁ…

    ちょっと横になってるわ。
    適当に起こして。」


    もーこの人は…




    またソファーで寝ようとする。


    『はいはい。』


    おかんの部屋から持ってきたタオルケットを掛け




    サイドテーブルに、一応ジャスミンティーを置いておいた。




    若くして妊娠、結婚、子育て、旦那の死、会社の立ち上げと経営をこなしてきたこの人にも、色々とストレスがあるやろうから




    飲みたくなる気持ちも分からなくはないが…




    資本はやっぱ体なんやし、娘としては程々にしておいてほしい。




    まなみの事もあって




    大切な人には、尚更体を大事にしてほしいと思う様になった。




    おかんは絶対に弱音を吐かない人やから




    私に出来るのは、バランスの良い食事を作る事と、多少のワガママは聞いてあげる事ぐらい




    後の事は、あの若い恋人に任せよう。




    きっと




    家族には言えて、恋人には言えない事もあれば




    恋人には言えて、家族には言えない事があるやろうから。




    今日は、季節外れかもしれないけど水炊きにしよう。




    食欲がなくても何となく食べれるし、消化にもいいから。




    鳥ガラからちゃんと出汁を取って
    くどくならない程度にコクを出す




    朝が雑炊やったから、今日のしめはうどんにしよう。




    …って
    うどん…あったっけ?




    冷蔵庫を確認してみたけど、やはりなかったので買いに行く事にした。




    スーパーまで行くのが億劫だったので
    近くのコンビニに置いてあったうどんを二玉と、ついでに卵も買った。




    家のエントランスのオートロックで人がインターフォンを鳴らしているが、反応がない様で何度も呼び出している。




    それだけ鳴らして出ないんやったら、家におらんって事やろう




    怪しい、この男…




    そう思ってふと見ると、その人が押しているのは、なんとうちの部屋番号だった。

    (携帯)
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