ビアンエッセイ♪

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■19714 / ResNo.10)  - 72 -
  
□投稿者/ Y ちょと常連(92回)-(2007/08/08(Wed) 05:37:25)
    学校を出る時に携帯を確認すると




    4通のメールが届いていた。




    一通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :颯♪

    本文 :おはよう!
    今病院に着いたよm(_ _)m
    今から早速検査やぁ〜。




    二通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :(T_T)

    本文 :なんやらかんやら沢山注射されて痛かった〜↓↓
    でも、これで午前中の検査は終わり♪
    颯は今頃試合かな??
    頑張ってねo(^-^)o




    三通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :………。

    本文 :病院食まずい……
    颯のご飯が食べたいょ。。(・_*)
    早く球技大会終わらないかなぁ…
    あ、そうだ!
    入院しているのは○×病院の503号室やけん♪




    そして四通目は




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :無題

    本文 :今から詳しい検査するとこやけんまだ分からんけど……

    入院ちょっと長引くかも。。。




    というものだった。




    入院が長引く……?




    すぐにメールで理由を聞きたいけど




    なんか嫌な予感がするので




    とりあえず出来る限り早く病院に向かった




    無我夢中で走ってきたもんやから
    お見舞いの品を買うのを忘れた事を病室の前で思い出したけど




    一刻も早く顔が見たかったので
    とりあえずそれは後回しにして




    まなみの名前が書かれたプレートがあるのを確認し、ノックをした




    返事がない




    もう一度してみたけど




    やっぱり、ない




    ………そーっと引戸を開けると




    まなみは、白くて狭いベット眠っていた




    窓が開いていて




    入ってきた暖かい風に髪がなびいている




    お昼と夕方のちょうど真ん中




    黄色い光に包まれたまなみは




    昨日の夜と何も違わないのに




    腕に繋がっている点滴の管や




    心拍数を示す機械の音があるだけで




    なんだか急に弱々しく見えた。




    きっと私からの返信メールをずっと待ってたんやろう……




    手には、携帯を握り締めたままだった




    ごめんな。




    寂しかったやんな。




    ベット脇にある小さな丸椅子に座って




    そっと頭を撫でてみる




    触れた瞬間に
    喉の奥が熱くなって
    涙が出そうになった。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19715 / ResNo.11)  - 73 -
□投稿者/ Y ちょと常連(93回)-(2007/08/08(Wed) 06:45:52)
    でも
    もし今、私が泣いてしまってまなみが起きたら




    きっとビックリさせてしまうやろうから




    きっと不安にさせてしまうやろうから




    ぐっとこらえて、撫で続けた




    起こしたくはないけど




    まなみの声が聞きたい




    まなみの手は温かいし




    まなみの心臓が動いてくれてるのは、機械音が教えてくれているから




    生きているのは分かってる




    分かってんねん…




    分かってんねんけど………




    今すぐに




    まなみの少し茶色い目を見ながら【愛してる】と言いたい




    まなみの甘くて落ち着いている声で【愛してる】と言ってほしい




    想いが伝わったのか




    まなみが目を覚まし
    私を見て微笑む


    『ただいま。』


    私がそう言うと


    『おかえり。

    待ちくたびれて、寝ちゃった。』


    と笑う、いつものまなみがそこにいた。




    まなみの声は




    世界で一番優しい音。




    きっと
    どれだけ傷ついたって




    まなみがいてくれれば
    ただそれだけでも、傷みは和らいでいくだろう。


    『具合は、どうですか?』


    「まぁまぁ、かな。」

    『苦しいですか?』


    「うん…

    颯の事が好き過ぎて、苦しい。」


    『それなら

    私も先輩と同じところが苦しいですから、ここに入院させてもらえませんかね?』


    「そしたら、私達すぐ退院できるね(笑)」


    『そうですね。

    入院…長引きそうなんですか?』


    「そうなんよ。

    やっぱり今、あんまり良くないみたいっちゃん………。

    颯にドキドキしすぎて、刺激が強過ぎたんかな?(笑)」


    『最近、連日私が遅くまで付き合わせてしまってましたもんね。

    …すみません。』


    「なんで颯が謝るとよ?!
    違うけん…!!」


    『退院したら、お詫びとご褒美でハワイ連れて行きますよ。』


    「本当?!
    うわぁ〜俄然やる気出たっちゃけど♪」


    『だけど、先輩。

    頑張り過ぎないって約束して下さい。

    あと、隠し事はナシですからね。』


    「はぁ〜い!

    ねぇねぇ♪颯の水着って何色〜??
    私さぁ〜黒が着たいっちゃんね♪退院したらキャナルに買いに………」


    ま〜喋る喋る……




    本当に分かってるんだか。。。。(苦笑)




    まぁ…でも
    愛する人が嬉しそうな顔を見るのは




    この上ない幸せだろう。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19716 / ResNo.12)  - 74 -
□投稿者/ Y ちょと常連(94回)-(2007/08/08(Wed) 08:25:15)
    時間は
    あっと言う間に過ぎて



    面会時間の終わりが刻一刻と近付いていた。




    まなみからもらった時計で時間を確認していると




    まなみも腕につけている私があげた時計を見て微笑んでいる




    食べたい物を聞くと




    【颯のお弁当】




    と言ったので




    明日は、学校が終わって一回家に戻り
    お弁当を作ってくる約束をした




    面会終了時間10分前




    2人の甘〜い時間に
    すべり込む様に病室に入ってきたのは




    今日、笑顔で手を振ってくれたゆう先輩だった。


    『よ♪ねーちゃん生きとる??(笑)』


    とま〜えらい軽い感じで登場するなり


    『あ!ディゾンちゃんや〜ん♪(笑)

    あれ、おいらお邪魔しちゃった感じ?(笑)』


    と、一瞬にして病室の空気が変わる。


    「結希…。

    ディゾンじゃない!
    颯やけん!
    そして邪魔!!」


    『お、それプリンを買ってきたおいらにも言える?(笑)

    それにしても颯ちゃん…近くで見たら余計綺麗やね〜!!』


    と、私の顔をえらい近くで覗き込みながら




    プリンを持った手を
    まなみの前でブラブラさせている




    まなみはそのプリンを奪って


    『それとこれとは別!!』


    と言ってプリンを抱き締めた




    私は黙ってそのやりとりを眺めていた。


    『ごめんね…。』


    とまなみが謝ってくる


    『いいえ。』


    と頭を横に振りながら笑っていると


    『ねーちゃん、今日の球技大会での颯ちゃんばりかっこよかったけん♪

    一年生に写メ撮られまくりのキャーキャー言われまくり!!

    しかも、優勝☆」


    すると、まなみは一瞬不安そうな顔を浮かべて私を見て


    『やっぱりぃ……。

    ほら、私の言った通りやったやん…。。』


    と、いじけている。


    『キャーキャー言われてたのは私じゃなくて【ディゾン】でしたけどね。』


    と言うと、結希が


    『確かに!』


    とケラケラ笑っていた。




    すると、見た目40代手前位のナースが病室に入って来て


    【はい、面会終わりよ〜。】


    と、私達に告げた。


    『は〜い…

    あ、清水ちゃん!
    この子がさっき言ってた颯だよ!!』


    と言って、突然まなみが私をそのナースに紹介する。


    『あ〜ら、本当に美人さんやね〜♪
    初めまして、まなみちゃんの担当ナースの清水です、よろしくね。』

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19719 / ResNo.13)  Re[2]: NO TITLE
□投稿者/ a passer 一般♪(1回)-(2007/08/08(Wed) 23:05:14)
    確かに読みやすくて,
    読者の喜ぶ…展開,主人公のキャラ,容姿…ですけど,
    そこら辺の小説には勝てないと思いますけどね。
    そこら辺といってもプロはプロ,
    お金になる文章書いてる人です。
    この掲示板で努力していけばプロになれそうかな,と思うのは,
    果歩さん,つちふまずさん,あおい志乃さん,れいさん,
    辺りなんじゃないかなァ。
    自分が思うには。

    ディゾン好きなんで楓は応援してるけど。
引用返信/返信 削除キー/
■19720 / ResNo.14)  - 75 -
□投稿者/ Y ちょと常連(95回)-(2007/08/08(Wed) 23:25:08)
    『初めまして、櫻井 颯といいます。

    あの…、まなみ先輩を宜しくお願い致します。』


    と、軽く挨拶をして




    私とゆう先輩は帰る事に……




    【またあした、のキス】




    したかったんやけどな。。。




    まぁ…しょうがないか。




    帰り道に、結希から聞いた話だが




    まなみが【清水ちゃん】と呼んで慕っていたあのナースは




    まなみが初めて16歳で入院した当初からの担当ナースらしい。




    日の暮れた帰り道




    ゆう先輩は腕を組みながらゆっくりと歩く




    私は、その一歩後ろを歩く




    『颯ちゃん。』


    「…はい?」


    『最近ばり幸せそうばい、ねーちゃん。』


    「そうですか。」


    『ありがとう。』


    「とんでもないです。
    こちらこそまなみ先輩には感謝しきれない位です。」


    『あのさ。

    言おうかどうか迷ったっちゃけど…』


    「なんですか?」


    『今回の入院さ…

    本当は検査入院じゃないとよね。』


    まなみの笑う顔を見て
    どこかに消えていた【嫌な予感】が、一瞬にして蘇って




    足が止まり




    バクバクと心臓の音が頭に響く




    聞きたくない




    でも…聞かなければ。




    少し離れた結希との距離を埋める様に、少し早足で歩く




    また一歩後ろの位置まで戻って来て


    『全部、聞かせて下さい。』




    意を決した




    結希は一回こっちを振り返って私の目を見て




    私も逸らさずにその目を真っ直ぐ見る




    結希は小さく笑ってまた前を向き直して




    少しハスキーがかった声で
    静かに話し出した。


    「ねーちゃんさ、そろそろ限界近いみたい。

    発作の回数とかも増えとるみたいやし、安静にしとってもいつ何があるか分からんけん入院になったらしか。

    やけん…退院できる予定は、ない………っちゃん。

    ドナーも見つかる気配すらないし

    半年って言われよるけど……

    それも、多分……

    難しい。

    やけん颯ちゃん、心の準備はしといた方がいい。」


    そこまで言って結希は話すのをやめた。




    返す言葉が見つからない




    というか、まず




    理解ができない




    だから、涙も出ない




    例えまなみの命が半年と言われようが
    それよりも短いと言われようが




    愛する人がいなくなる心の準備なんて




    永遠にできるわけがない。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19722 / ResNo.15)  a passerサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(96回)-(2007/08/08(Wed) 23:33:57)
    お気を害してしまったのであればすみません…m(_ _)m

    初めて文章を書くど初心者もので、確かにお見苦しい部分も多いかと思います…。

    ただ、作者としましてはプロを目指している訳でも、どなたかと張り合っているわけでもなく、ただ純粋に書きたい事を綴っているだけなので…どうか暖かい目で見守って下されば幸いです(^_^;)

    貴重な御意見、ありがとうございました。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19725 / ResNo.16)  初めまして!
□投稿者/ かなっぺ 一般♪(1回)-(2007/08/09(Thu) 00:12:32)
    物語を読んだ感想は人それぞれだと思いますが、誰が何と言おうが私はこの物語が大好きだし、毎日更新を楽しみにしています!
    そしてきっと、私の他にもそんな人が沢山いると思います!
    ずっとロムってたんですが、私の思いも届けたくて書き込んでみました。
    心ない言葉なんかに落ち込まず、頑張って下さいね☆
    楽しみにしています!!
引用返信/返信 削除キー/
■19726 / ResNo.17)  - 76 -
□投稿者/ Y ちょと常連(97回)-(2007/08/09(Thu) 01:30:57)
    返事ができないまま




    2人の間には無言の時間が続く


    『じゃあ、おいらこっちやけん。』


    「あ、はい…すみません。」


    『ごめんね。』


    「なんでゆう先輩が謝るんですか?」


    『分からんけど…なんとなく。』


    「謝らないで下さい。」


    『うん、じゃあ。』


    またゆっくりと離れてゆく後ろ姿を




    ただぼーっと眺めていた。








    『あの…!』


    私は先輩を呼び止めて




    暗闇の中、街灯が照らすわずかな灯りの下でゆう先輩が振り向く




    『私、心の準備とかできません!

    というか、しません!

    私…諦めませんから!

    まなみ先輩が生きたいって頑張ってるのに、私が諦めたりできません!

    だから、ゆう先輩も諦めないで下さい!』




    こんなに大きい声を出したのは、一体どれくらいぶりだろう…




    少し間を置いて




    『そうやんね!ごめん!!じゃ〜ね〜!!』




    と言って結希は再び歩き出して行った




    暗くて、どんな顔をしているのかは分からなかったけど




    きっとゆう先輩も苦しいんやろう




    私は一人っ子やから
    姉を失うかもしれない辛さは分かってあげられへんけど




    でも




    大切な人を大切だと想う気持ちは




    万人に共通しているモノやろう。




    【愛】にはいろんな形があるというけど




    結局、元を辿れば
    【愛】は一つで




    だからこそ
    誰と誰が愛し合おうが




    それは自由なんやと思う




    固定観念なんて
    捨て去ってしまえばいい。




    だから




    【私とまなみに残された時間は少ない】




    なんていう前提で考えるのもやめよう




    気付いたら、走っていた




    弱気な自分を振り払うように




    ひたすら走って
    家まで帰った。






    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19727 / ResNo.18)  かなっぺサン♪
□投稿者/ Y ちょと常連(98回)-(2007/08/09(Thu) 01:33:51)
    ありがとうございます☆

    最後まで書き上げますので、ぜひお付き合い下さい(*^_^*)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19728 / ResNo.19)  NO TITLE
□投稿者/ あきら 一般♪(1回)-(2007/08/09(Thu) 02:13:48)
    ホントに文章力があってすごく読みやすいです!私も今先輩と付き合い始めて、こんなふうに愛せたらなって思います。すごく勇気づけられました☆

    (携帯)
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