| そんな事を考えながら しばらくその光景をぼ-っと見ていた
2人も、私が帰ってきた事に気付いていない
その時 私の携帯が鳴って
『お〜チビ♪ いつ帰ってきたん?』
と、おかんが声をかけてきた。
私は「今。」とだけ応えると
『颯ちゃんこんばんは!
おじゃましてます!』
と、まだ若干緊張で引きつったような笑顔で挨拶をしてくれた彼に
「こんばんは、ごゆっくり。」
と返し 携帯をポケットから取り出して、自室に戻った。
頭からベットに倒れ込むようにうつぶせになり
開いた携帯を見もせずに、耳に当てて通話ボタンを押す。
『はい。』
「さ〜くらっ!」
『んー?奏音か。』
「どうしたとぉ?
元気ないやん??」
『大丈夫やで。
ちょっと今日は色々あったから疲れただけ。
あ、電話してたやろ? どしてん?』
「うん!
あんね、おばあちゃんの退院が決まったっちゃん♪」
『あーそーなん?
良かったなぁ。
もう大丈夫なん?』
「もうピンピンしすぎて大変ばぃ…(笑)
でもバリ嬉しくてね、なんか颯に一番に話したかったと〜!
これで部活もやめんでいーしね!」
『せやな。』
それからもペラペラと喋り続ける奏音に対し、適当な相槌を入れている間に…
どうやら私は寝てしまったらしい。
部屋に来たおかんに起こされ、携帯の画面を見ると
電話は切れていて
新着メールが3件届いていた。
それを開いて見ようとすると
『そんなん後!!!』 と、おかんにリビングへと強引に引っ張られた。
どうよ。 と両手を腰に当てて、自慢気にテーブル脇に立つおかん。
テーブルの上には、パスタとちらし寿司と麻婆豆腐。。。
狙ってんのか
ツっこんで欲しいんか。
私はそれよりも 妊娠したと分かった途端、急に大きくなり出したおかんのお腹の方に驚いている。
『すごいなぁ。』
「やろ!!!」
『早ない?』
「そうかぁ? 3時間かかってんねんで?(笑)」
『いや、お腹やねんけど。』
「そっちかーい!!!
ちゃうやん、料理やん♪」
『すごいけど、どうせ作ったんは森田さんやろ?』
「もーバレてもた。
おもんなーい。」
と、ふてくされてテーブルにつくおかん
いくつやねん。
(携帯)
|