ビアンエッセイ♪

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

■19743 / ResNo.30)  - 86 -
  
□投稿者/ Y 常連♪(109回)-(2007/08/10(Fri) 14:18:32)
    何も出来んのは分かっとるけど

    捜索隊の人達が静香を捜し回りよるのを
    砂浜から2人で見とった。

    静香が溺れるわけない、って

    絶対どっかからひょっこり帰って来るって思いながら眺めよったと。

    でもね、静香は
    結構離れた沖の方で
    遺体となって発見されたんよ。

    発見された時、もう静香は変わり果てていて

    ウエットスーツも脱げて裸やった。

    でもね、このネックレスだけが…
    静香の首についたままやったっちゃん。

    それで私達は、その遺体を静香やと認めざるを得んくなってしまったと………。

    2人とも狂った様に泣き崩れて…

    亜也はしばらくバスケをするのもままならんくて、結局去年のインターハイ決勝には出場できんやったんよ。

    それからね、お互いにこのネックレスの話はしてないっちゃけど…
    未だに2人とも外せずにおるんよね。

    颯…ごめんね……。
    私がもっと早く話しとれば、颯に変な誤解を招いたり、嫌な思いさせんで済んだのに。。

    いつか静香の話はしようと思いよったんやけど……

    ほら、私が今こんな状況やけん、そういう話したら颯が敏感になってしまう気がして話せんかったっちゃん……。

    ごめん……本当に。』




    カーテン越しに、全てを聞いた私は




    自分に腹が立って仕方がなかった




    私は、世界一の大馬鹿者です。




    カーテンを開けて
    ベットの上に座っていたまなみを抱き締め


    『こちらこそ…ごめんなさい。
    勝手に暴走して…嫉妬してしまって。』


    まなみは


    『怖かったよぉ……

    嫌われたんかと思った。』


    と私の背中に回した手に強く力を込める。




    しばらくそのまま抱き合って




    ひとつだけズレてしまった歯車をゆっくり戻す様に




    お互いの体温を自分に刻み込む。




    たった数時間すれ違ってしまっただけなのに




    どうしようもない位
    心が痛かった。




    もう




    何があっても疑ったりしない




    世界を敵に回しても




    私は必ず
    まなみ先輩を信じます。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19752 / ResNo.31)  NO TITLE
□投稿者/ SANA 一般♪(1回)-(2007/08/10(Fri) 17:25:51)
    はじめて!
    お体大丈夫ですか?無理せず頑張って下さいね。

    私は自分の不注意で足を怪我してしまい現在自宅療養中です、、(>_<)
    そんな中、こちらの小説を一気に読まさせて頂きました。
    とっても読み応えのあるお話ですっかりファンになりました!

    怪我により沈んでいた気持ちまで紛れ、感謝しています。

    最後まで応援していますので頑張ってくださいね!

    貴重なスペースに失礼いたしました
    m(_ _)m

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19753 / ResNo.32)  SANAサン♪
□投稿者/ Y 常連♪(110回)-(2007/08/10(Fri) 18:18:24)
    初めまして♪

    書き込みありがとうございます(^O^)

    お怪我をされたという事ですが…大丈夫ですか?!

    こんな物語でも、SANAさんに興味を持って頂けて嬉しいです♪

    ぼちぼち更新していきますので、よろしければまた書き込みして下さい!

    そして、どうかお大事に…☆

    私も頑張ります!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19754 / ResNo.33)  - 87 -
□投稿者/ Y 常連♪(111回)-(2007/08/11(Sat) 01:35:40)
    『ねぇ、颯…

    屋上行かん?』


    「屋上ですか?」


    『うん…たまに夜中まで眠れん日に行くっちゃん。

    屋上からはね、福岡タワーが見えるっちゃん…

    あぁ…あの辺に颯がおるんやなって思ったら、なんか安心できると。』


    私…
    愛されてるな。


    「いいですよ。
    雨も止みましたし、行きましょうか。」


    屋上からは、確かに福岡タワーが見える




    私のマンションも
    夜になるとライトアップされて微かに見えていたので教えてあげた。




    外は、湿度が高くて




    雨上がりの匂いがした




    置いてあったベンチに腰掛けて
    煙草に火をつける




    左隣りにいるまなみに煙がいかない様に注意しながら吸っていると




    『いいなぁ。
    私も吸いたい…。』


    と頬を膨らませている


    『いいですよ。』


    私は煙草を一回吸って煙を全部吐き出すと


    『先輩、息吸って。』


    と言う。




    え?といった顔で
    大きくまなみが息を吸ったところに




    私は先輩の口に煙草の味をあげる。




    愛と一緒に




    できるだけ奥の方まで……




    深くて


    にがくて


    息苦しい時もあるけど




    暖かくて


    優しくて


    気持ちいい




    そんな、愛の味。




    しばらくすると


    『先輩、息吐いて。』


    と唇を離して




    まなみが大きく息を吐いて、呼吸を整える


    『すみません…
    大丈夫ですか?

    こんなに長くするつもりなかったんですが…つい。』


    と謝ると




    先輩は私の膝に向かい合う様に乗ってきて




    私の顔を両手で包み


    『もう一回、やって。』


    と、自ら再び深くまで入り込んできた。




    私の中に火がついて




    まなみの髪をかき上げながら




    さっきより長くて濃いキスを交わす




    合間に漏れる
    まなみの艶やかな声が頭に響いて




    本能が掻き立てられるかの様に




    更に激しさを増してゆく……




    今日の不安な気持ちは
    どうやら2人とも消せそうだ




    お互いに息切れしてしまうほどのキスを終えて




    そのまま今後は強く抱き合う


    『颯…どこにもいかんで。』


    「行きませんよ。

    先輩の事考えたら、幸せで泣けてきそうになる位愛してます。

    私には、先輩が必要なんです…


    せやから、先輩もどこにも行かんといて下さい。」

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19758 / ResNo.34)  - 88 -
□投稿者/ Y 常連♪(112回)-(2007/08/11(Sat) 07:01:53)
    『うん……うん…。』


    と何度も頷くまなみ。


    『さ、そろそろ戻りましょうか。

    風邪引いちゃうといけないので。』


    「うん……。

    もう帰っちゃうの?」


    『先輩が寝たら帰ります。』


    「じゃあ寝な〜い(笑)
    ……よし。」


    と言って立ち上がろうとしたまなみだったが、動かない。


    『あれ?』


    「どうしたんですか?」


    『颯…腰抜けとるみたい…。』


    「へ?何でですか?」


    『気持ち……良過ぎたけんやと…思われます。。』


    そう言って恥ずかしそうに下を向くまなみ


    「それは光栄ですね。」


    私はまなみの足を両方左側に持ってきて
    そのまま持ち上げた。



    まなみにとっは初めての素面での【お姫様抱っこ】なので




    照れながらも
    キャッキャ言いながらはしゃいでいる


    『すごーい!高い!

    颯はいっつもこんな感じで世界が見えよるっちゃね〜♪』


    なんて言いながらキョロキョロ辺りを見回してた




    私は……




    前に抱き上げた時よりも、明らかに軽くなってしまったまなみの体重が




    どうしても切なくて仕方なかった。




    病室に戻ってベットに寝かせると




    時間を確認したまなみが


    『颯、もうすぐナースが最後の見回りに来ちゃう時間やけん隠れて!』


    と言う。




    咄嗟に隠れて…
    と言われても隠れる場所がない




    どないしよ




    私は考えた挙句




    靴を脱いでベットの下に隠し




    まなみがいるベットに潜り込んだ




    まなみはビックリしながらも、上手いこと細工をしてわからない様にしてくれてるみたい




    私は完全に掛け布団に潜り込んでいるから
    長時間になると辛い。




    目の前にはまなみの背中




    しばらくはじっとしていたけど、来る様子がないので
    私のイタズラ心が動き出して……




    まなみのパジャマの上着の裾から手を入れて
    脇腹あたりを爪でそっとなぞってみる




    まなみはビクンと大きく体が跳ねて




    細い声と吐息を漏らす




    『先輩、見回りのナースが来ちゃいますよ。

    声は我慢して下さいね?』


    「………颯…っ…

    ダメ…っ。」


    『分かりました。

    じゃあ止めます。』


    「……………っ…!

    ヤじゃ……なぃ。。」




    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19768 / ResNo.35)  - 89 -
□投稿者/ Y 常連♪(113回)-(2007/08/15(Wed) 14:57:34)
    なんか…




    ちょっと燃えるかも…




    つー事は。
    私、やっぱSっ気あるんかな?




    その時、扉がガラガラと開く音がして




    またしばらくすると
    同じ音がした後、廊下を歩いてく足音が遠のいて行くのが分かった。




    私がベットから出ると


    『もう…帰ると?』


    とまなみは寂しそうな顔を浮かべ


    『続きはまた近々。』


    と言ってまなみの頭をクシャっと触ると


    『はぁい…』


    と少し拗ねた顔をしていた。




    機嫌を直す為に、金曜日からの事を教えてあげようかとも思ったが、やっぱり当日まで内緒にしておく事にした。


    『じゃあ先輩、また明日。』


    「うん、また明日ね!」


    帰りは
    まなみが教えてくれた非常階段から出た




    もうすぐ日付が変わろうとしている




    タクシーで帰ろうかどうか迷ったけど
    なんとなくぼちぼち歩き出してみた。




    携帯で明日からの天気を調べてみると




    ほとんどが雨で




    土曜日だけが、曇りだった。




    まぁ…梅雨真っ直中やしな




    一日だけでも曇りの日があってラッキーぐらい思わんと。




    まなみからメールが届いた




    【受信メール】
    差出人:早川 まなみ
    件名 :ありがとう☆

    本文 :颯が来てくれて嬉しかった…(*^_^*)

    今日は不安にさせてごめんね。。。

    颯しか見とらんけん。

    颯しか愛せんけん。

    颯がおってくれたら何もいらんけん。

    おやすみ、颯☆

    心の底から愛しとる。




    心がじわっと暖かくなるのを感じる




    まなみが愛しくて仕方ないんだと思い知る




    幸せやなぁ…




    ただ
    こんなに幸せやのに
    なんでどこか苦しいんやろう。。。




    いつも会っているから




    まなみがあんなに痩せてしまってた事に気付けないでいた。




    毎日、毎日




    まなみはどんな想いで生きてるのだろう。




    私が帰る時に必ず見せる




    何とも言えない寂しげな表情には




    どれだけの想いが詰まっているのだろう。




    いつ何があってもおかしくない病だからこそ




    笑っていれるからと言って
    安心なんて出来ない事をまなみは誰よりも分かってる




    一日でもいいから




    病気である事を忘れさせてあげたい…




    また明日




    そのアイコトバを




    心から笑って交わしたい。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19776 / ResNo.36)  - 90 -
□投稿者/ Y 常連♪(114回)-(2007/08/16(Thu) 14:26:41)
    家に帰り着くと




    おかんと森田さんがいた。


    『あ…颯ちゃん…!
    おかえり…なさい!』


    またきょどってるし。


    『どうも。』


    冷蔵庫から牛乳を取り出してコップに注ぎながら、首だけで軽く会釈をする


    『あの…っ…あの!

    きょ…きょっ……今日は、颯ちゃんにお話が…!!!』


    「……あ、そうですか。」


    そう答えて、私も2人が座っていたダイニングテーブルの席につく




    おかんはといえば
    向かい合わせで座っていた森田さんの隣に移り




    いつになく
    黙りこんでいる。




    ……………なにコレ?
    気持ちわる。


    『で?』


    そう言って煙草に火を点けようとすると


    『あ…っ、颯ちゃん…煙草は……ちょっとやめてもらえないかな。。ごめんね。』


    まさか
    私が未成年やから?




    そうやとしたら、父親面でもしてるつもりなんやろうか?




    まぁイラっとはしたけども、面倒くさい言い合いもしたくないから煙草を戻す。


    『本当にごめんね…っ!
    ありがとう。』


    「別にいーです。」


    『あ…あのね。
    き、緊張せずにリラックスして聞いてね。
    悪い話じゃない…と思うっていうか、僕の中ではとても喜ばしい事であって、でも颯ちゃんの中でどう思うかはもちろん僕には分からない事なんだけど、喜んでくれたらとても……………………』


    リラックスするべきなのはあなたですよ、森田さん。




    回りくどい言い方にだんだんとイライラしてきて、ひたすら喋り続ける彼の言葉を遮ろうとした時


    『あーもーアンタ、ほんっま面倒くさい男やわ!
    苛々して聞いてられへん!
    もーえぇわ!!
    黙ってろってゆーから黙っといてやったけど、私から話すわ!』


    そう隣にいる森田に言い放つと




    私の目を見ておかんが用件だけをズバっと言った


    『颯、あんたに兄弟できるから。』


    思わず口に含んだ牛乳を吹出しそうになる


    「……はい?」


    『もう6ヶ月目に入ってんねんてさ!
    全っ然気付いてなかってん!(笑)
    ま、あんたん時も5ヶ月で分かったから私、多分鈍感やねんな(笑)』


    「あ…そうなん。」


    『ま、そゆ事。』


    「そりゃおめでとう。
    高齢出産やねんから大人しくしときや。

    ま、こんだけ無茶苦茶な生活されてても元気に育ってたっつー事はなかなか根性ある子やわな。」


    森田はポカンと私達の顔を見ていた。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19778 / ResNo.37)  NO TITLE
□投稿者/ あき 一般♪(1回)-(2007/08/17(Fri) 00:50:35)
    毎日続きを楽しみにしていますイ 私は北九州に住んでいるのですが、馴染みのある言葉が多いのでウレシぃデス 無理せず完結まで頑張って下さい

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19779 / ResNo.38)  あきサン♪
□投稿者/ Y 常連♪(115回)-(2007/08/17(Fri) 01:47:56)
    初めまして♪
    応援ありがとうございます(*^_^*)

    最近ちょっとバタバタしていて更新が遅いですが…こうして応援の言葉を頂けたらかなりやる気が出ます☆

    完結まで頑張りますのでどうかお付き合い宜しくお願いします!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■19783 / ResNo.39)  - 91 -
□投稿者/ Y 常連♪(116回)-(2007/08/17(Fri) 14:08:11)
    『ま、私の子であんたの弟やから肝は座ってるやろな。(笑)』


    弟か…………




    あ…。




    私は部屋に戻り、先日なぜか購入してしまった水色の可愛い靴が入った袋を持ってきた


    『これ、多分似合うと思いますよ。』


    そう言って森田さんに渡すと


    『え…僕に?』


    なんて言いながらラッピングを解いている




    そして、中から出て来た意外すぎる代物にビックリして言葉を失っていた


    『え………………。』


    「弟って事は男の子なんでしょ?」


    『そ、そう!
    …でも、何で……?』


    「さぁ、何ででしょうね。」


    不思議そうな目で私を見ている森田




    そんな森田と小さい靴を眺めて穏やかに笑っているおかん




    きっとこの靴を見つけた時のインスピレーションは




    可愛い弟が私に物申してたんやろう。




    偶然は必然ってやつ?




    兄弟か…
    まだピンとはこないけど




    正直…嬉しい。


    『それでね……。』


    再び森田が話し出す。


    『その…。
    できれば…一緒に住みたいと思っていてね?
    家族も増えるわけだし、四人で暮らす為の新居を…今日、香さんと決めてきたんだ。

    ごめんね…颯ちゃんに一言の相談もなしに。

    あ…!でも、もちろんそれぞれの部屋は確保できる間取りにしたし、颯ちゃんのプライバシーにも絶対介入しないからね!

    父親面するつもりもないし。。。

    だから…そこで、一緒に暮らしてもらえないかな?』


    いずれそういう事になるのは




    この前この人がおかんとの結婚を申し込んできた時から、どこかで分かっていた…




    2人に子供が出来てしまった今の状況を考えて、きっとそれがベストなんだろうっていうのも分かる。




    だけど




    それは………




    嫌だ。




    私達親娘には、17年間で培ってきたバランスがあって




    それを崩されるのは
    勘弁してほしいんだ。




    おかんが幸せなら
    再婚するのは全然構わないし、子供が出来た事だって喜ばしいと思える。




    だけど、私はこの森田という人の事を何も知らないし




    嫌いでも好きでもない




    言わば
    【興味すらない他人】
    に過ぎなくて。




    そんな人と一緒に
    これから先、毎日生活をするのは




    どうしても、嫌だ…




    返事ができないまま下を向いていると、おかんが一つの提案をした。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/

<前のレス10件 | 次のレス10件>

スレッド内ページ移動 / << 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 >>

このスレッドに書きこむ

Mode/  Pass/

HOME HELP 新規作成 新着記事 ツリー表示 スレッド表示 トピック表示 発言ランク ファイル一覧 検索 過去ログ

- Child Tree -