ビアンエッセイ♪

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■19708 / ResNo.30)  spring 30
  
□投稿者/ 春風 一般♪(31回)-(2007/08/08(Wed) 00:54:18)
    うっすらと微笑んだ風が、怖かった。風は、風を殺すことで自分を守ってきたのだ。大好きだったバスケもやめて。慣れない勉強に励んで。12歳から今まで、春になりきって生きてきたのだ。
    それがどれほど辛いことなのか、俺には見当もつかない。自分を偽って生きることの辛さは、俺にも覚えがある。けれども存在を否定された傷は、いつまでも癒えることはないのだろう。
    気がつくと風は涙を流していた。

    「泉には、いつか、話そうって思ってたんだ、けど、」



    「風。」

    俺は風を抱き締めた。

    「お前は、風だ。」

    強く、強く。潰れてしまうんじゃないかという程に、風を抱き締めた。そうしないと、消えてしまうんじゃないかと思えたから。



    「泉は、強くなったね。」


    聞き覚えのある台詞だった。

    (携帯)
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■19709 / ResNo.31)  spring 31
□投稿者/ 春風 一般♪(32回)-(2007/08/08(Wed) 00:59:23)
    2007/08/17(Fri) 17:19:16 編集(投稿者)
    2007/08/09(Thu) 21:38:13 編集(投稿者)
    2007/08/08(Wed) 01:00:39 編集(投稿者)

    あれから3週間。怒涛のテストラッシュを終えた俺は夏休みを迎え、風と共に仙台に向かっていた。彼女は俺たちのより何倍も難しいはずのテストを終えてなお、余裕をかましていた。

    「久しぶりだなー、仙台。」

    風は眩しそうに外の景色を見る。


    「それにしても。

    自分の墓に墓参りってのも、変な話だよね。」

    「そうだな。」

    2人して笑う。



    「実家へは帰らない?」

    「うん…今はまだ。」

    「そっか。」

    「そのうちね。」

    「おう。」




    ひっそりとした寺の奥に、風の、いや春の墓はあった。

    持ってきた花を挿し、2人で手を合わせた。風がどんな気持ちでここに来たのか、本当のところは分からない。けれど、今の風の穏やかな表情を見ていたら、なんとなく、心が軽くなったような気がした。
    もうそろそろいいんじゃないかな。俺は、そんなことを思いながら手を合わせていた。

    (携帯)
完結!
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■19710 / ResNo.32)  NO TITLE
□投稿者/ A 一般♪(2回)-(2007/08/08(Wed) 01:06:37)

    おもしろいですッ。

    完結しちゃうんですか??

    (携帯)
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■19718 / ResNo.33)  Aさん
□投稿者/ 春風 一般♪(33回)-(2007/08/08(Wed) 22:23:49)
    コメントありがとうございます!!
    最後が駆け足になってしまったのですが、一応これで完結です(^ω^;)
    時間があれば、ぼちぼち続編なんかを書いていきたいと思っているので、そのときはまたよろしくお願いします。

    (携帯)
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