ビアンエッセイ♪

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■19979 / ResNo.40)  55
  
□投稿者/ はる ちょと常連(60回)-(2007/09/08(Sat) 02:57:43)

    サキ「…やっぱり、悠サンのとこ行ってたんだ。手出してないよね?」

    ハル「先輩だし、それにさちの彼氏には手だせないよ(笑)」

    サキ「よし、えらい!(笑)」

    ハル「あー、腹減った!なんか作ってー!」

    サキ「はいはい、手伝ってね!」

    あー幸せな日曜日だーなんて思いながら着替えようとベットからでた。
    すると、サキの携帯が鳴った。
    サキ「誰だろー?」

    携帯をみたサキは僕の方に走ってきた!

    サキ「ヤバイよハル!!お母さんが来るって!しかも家でたって!二時間もあれはついちゃうよーどうしよう!」

    ハル「えっべつに平気…」

    サキ「微妙なの。…あたしハルがホルモン打ってるの言ってないの。だから…」

    ハル「えぇっ?…じゃあ、うちが出かければ…」

    サキ「それはダメ!居てよ!」

    ハル「何で?うち居たらばれんじゃん!せっかく引っ越してきてサキと住めたのにこれでダメになったらイヤだよ。」

    サキ「よし!話そう!」

    ハル「はっ?つき合ってるってバラすの!?」

    サキ「ちがくて、ハルが治療してること!」

    ハル「あー、んでうちがサキちゃんには手ださかにから心配しないでって言うの?」

    サキ「…そー言うこと…。」


    なんか、今日もヤバイ日になりそうだ…

    (携帯)
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■19980 / ResNo.41)  56
□投稿者/ はる ちょと常連(61回)-(2007/09/08(Sat) 03:44:04)

    まだ引っ越しの荷物片づいてないのにお母さん来るのかーなんて思いながら慌ただしく準備をした。

    サキ「お母さんハルに会いたがってる(笑)ほら、」

    サキの携帯の画面には、
    「早くハルちゃんに会いたいなー♪楽しみ!!」
    なんて書かれていて、ぼくにはへんなプレッシャーとなった。
    ハル「うちやっぱ出掛け…」

    サキ「だめ。」

    真顔で言われた。かなり恐い(笑)これは逃げると後が恐いので僕はおとなしく言うことを聞いておいた。


    少したった頃、
    サキ「お母さん駅に着いたから迎えに来てだってー」

    ハル「もしかして、うちも?」

    サキ「もちろん!」

    ハル「だよねー…はぁ。」


    ぼくらは家を出た。

    (携帯)
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■19981 / ResNo.42)  57
□投稿者/ はる ちょと常連(62回)-(2007/09/08(Sat) 05:10:12)
    駅に着き改札に行くと、

    サキ「お母さんいた!」

    お母さんもサキを見つけたのかおもいっきり手を振っていた。
    母「サキー久しぶりね。あら、あんた彼氏?」

    やっぱこーなったか…。まぁ彼氏と彼女混ざってるけど(笑)
    サキ「えっとね、これハルなの。」

    母「…えっ?ハルちゃん?」

    さすがにお母さんも固まった。
    サキ「まぁ詳しいことは車で話すから!はい行くよ!」

    ぼくはとりあえずお母さんにお久しぶりですと言い荷物を持った。

    車を走らせていると、
    母「本当にハルちゃん?」

    ハル「はい、一応(笑)」

    サキ「ハルGID治療初めてホルモンうってるの。髭なんか生えてるからわかんないけど、ないと大学の時のままだよ!」

    母「そうなの!知らなかったわ。カッコいいわねー(笑)ハルちゃん彼…じゃない、彼女いないの?」

    僕はお母さんの意外な反応に驚いた。

    ハル「えっ、いませんよ(笑)仕事忙しくて」

    母「あらもったいない!(笑)」
    なんでこんなに普通に接してくれるのかわからない。でもぼくはなんだかうれしくてテンションマックスで話しまくった(笑)

    (携帯)
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■19982 / ResNo.43)  58
□投稿者/ はる ちょと常連(63回)-(2007/09/08(Sat) 05:47:49)
    家につくと、

    母「あらー広いじゃない!景色もいいわね!あたしもこんな所住みたいわ♪」

    サキ「それはやめてね!」

    母「わかってるわよ(笑)」


    二人のやりとりを聞きながらぼくは昼食を作った。
    ぼくの得意なトマトと海鮮パスタだ!

    母「ハルちゃんうまいわね!それに比べこの子は、ちっとも料理しないから。まともな料理できてる?」

    サキ「ちょっとお母さん!」

    ハル「サキちゃんの料理とってもおいしいですよ!ハンバーグとか最高です!」

    母「それならよかった!」


    パスタも出来上がりテーブルにもっていき3人で食べた。
    お母さんは家のことなどいろんな事をはなしぼくらはそれを聞いていた。

    時間がたつのはあっと言うまで太陽の日差しはいつのまにか夕日に近づいていた。

    母「さて、そろそれ帰ろうかな!」

    ハル「えっ、泊まって行かれないんですか?」

    母「お父さんと智(サキの弟)のご飯支度しなきゃいけないしね!長居するとおじゃまだしね(笑)」

    サキ「そんなことないのにー。」
    母「いーのよ!元気な顔見れたしよかったわ!またくるね!」

    そしてタクシーに乗る直前、お母さんにサキを頼むねと言われ、ぼくは思わずドキッとしてしまった。

    (携帯)
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■19983 / ResNo.44)  59
□投稿者/ はる ちょと常連(64回)-(2007/09/08(Sat) 06:15:33)
    お母さんが帰ってしばらくするとサキが複雑な顔して僕に近寄ってきた。

    サキ「ねぇ、これ。」

    お母さんからのメールだ。

    「とても楽しかったわ!二人とも体に気をつけて生活するのよ!
    それからあと一つ。あなたには、ハルちゃんは大切な人なのよね?
    あなたたちを見ているとすぐにわかったわ。
    ハルちゃんは男性ではないので母としては複雑でした。でも、あなたたちの幸せそうな顔見てたら応援したくなりました。
    私はあなたたちを信じてるから、二人でしっかり歩いて行きなさい!見守ってます。  母 」




    ハル「バレちゃったんだね。」

    サキ「うん。」

    ハル「…だからさっき、サキを頼むわよって言われたんだ。」

    サキ「あーなんか普通に恥ずかしいね!わかったなら言ってくれたら良かったのにー。」

    ハル「普通はいわないよ(笑)てか親公認だよーやべぇな!浮気できねーや♪」

    サキ「それは当たり前でしょ!」


    ぼくは今、なんだか暖かい気持ちでいっぱいになった。サキとこれからも歩いていこう!改めて心に誓った。

    (携帯)
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■19984 / ResNo.45)  60
□投稿者/ はる ちょと常連(65回)-(2007/09/08(Sat) 08:49:02)
    ぼくらはずっと幸せにくらしていた。
    でもぼくに不幸は訪れた。


    ぼくはその日仕事場に向かった。夏の晴れ渡った暑い日だった。
    横断歩道で渡ろうと思ったが点滅していたので立ち止まった。するとランドセルをしょった男の子がぼくの横をすり抜け横断歩道に飛び出した。そこには車が迫っている。
    ぼくはとっさにその子におおいかぶさりそのまま車にぶつかったんだ。



    ぼくが意識を取り戻したのは事故から三日たってからだった。男の子はかすり傷程度で無事だったそうだ。
    ぼくは、

    サキ「ハル、あのね…ハルの右足、スネから下の損傷がひどくて…」

    ハル「やっぱり、切ったんだよね?ある感じがしないわ。」

    サキ「…うん。お母さんとお父さんが来たよ。また明日くるって。」

    ハル「そっか…。はぁ…足なくなったか。」

    ぼくはリハビリを担当してたくさんの症例を見てきた。
    まさか自分が…

    ぼくはこのときサキが居ること、両親が来たこと、すべてがどうでも良かった。

    (携帯)
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■19985 / ResNo.46)  61
□投稿者/ はる ちょと常連(66回)-(2007/09/08(Sat) 09:06:33)
    ぼくは両親と4年ぶりにはなしをした。親父はさすが俺の息子だと言った。ぼくを初めて息子と呼んだ。母はサキと仲良くしゃべっていた。

    でもぼくは、全く笑うことが出来なくなってしまった。



    三ヶ月がたってぼくは退院した。
    ぼくは一生懸命明るく振る舞った。こんなに元気になったんだ足はなくなったけど生きているんだ。そういって毎日必死にリハビリした。
    でもそれは表向きだ。
    ぼくの心はあの日のままで足がなくなったことはぼくを狂わせた。

    (携帯)
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■19986 / ResNo.47)  62
□投稿者/ はる ちょと常連(67回)-(2007/09/08(Sat) 17:45:11)
    毎日リハビリに行くか部屋にこもって寝ているかの生活が二ヶ月くらいつづいた。
    そしてあることに気がついた。
    ハル「サキ、何してるん?」

    サキ「ん?勉強だよー!」

    ハル「えっ何の?」

    サキ「内緒ー!」

    サキは教科書にカバーまでつけてぼくに見えないようにしてた。
    作業療法士として忙しく働いているのに深夜まで勉強しているサキ。
    ぼくはなんだか情けなくなってしまった。
    そしてサキも寝てしまった夜中、サキの机にある教科書をひらいてみた。

    ハル「義肢装具士…」

    サキは義足がなかなか合わないぼくの為に義足を作るための勉強していたんだ…

    翌朝、ぼくはサキにいった。

    ハル「サキ、ありがとうな。うちさ、また仕事始めようと思う。仕事場がかわっても、作業療法はつづけられる!」

    サキ「よし!じゃあ頑張るんだよ!」

    ハル「あとさ、義肢装具のやつ…とるの?」

    サキ「見ちゃったの?あぁーあ内緒にしてようと思ったのにー(笑)」

    ハル「ありがとな。」

    サキ「何年も先になるけどあたしがハルの足つくるから!」

    ハル「よろしく頼むよ!」


    ぼくらは久しぶりに笑いあった。ぼくの新しい人生のスタートだ!

    (携帯)
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■19987 / ResNo.48)  63
□投稿者/ はる ちょと常連(68回)-(2007/09/08(Sat) 18:01:38)
    翌日ぼくはしっかれ向かった。4年ぶりに帰る実家は何にも変わっていなかった。

    母「ハル!あんた突然どおしたの!ほら、早く入りなさい疲れたでしょ?」

    ハル「大丈夫!ばぁちゃんは?」

    母「中にいるよ!」


    ぼくはばぁちゃんの部屋に行った。ばぁちゃんは犬をなでながらこたつに座っていた。

    ハル「ばぁちゃん、久しぶりやね。元気しとった?」

    ばぁ「あんた、足は大丈夫なの?あたしの事よりあんただよー!」

    ハル「大丈夫だよ!ほら」

    ぼくはばぁちゃんに足を見せた。ぼくの足は膝を残しそこから下はない。

    ばぁ「まぁよくここまで治ったわね。命があって本当に良かった。」

    ばぁちゃんはぼくの膝をなでながらいった。ぼくは涙か止まらなかった。

    (携帯)
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■19989 / ResNo.49)  64
□投稿者/ はる ちょと常連(69回)-(2007/09/08(Sat) 22:53:47)

    ばぁ「ハルちゃん泣かないの。あんた泣き虫なのは変わってないね。今日は突然どーしたとね?」

    ハル「仕事にね、復帰しようと思って。報告ついでにみんなの顔見に来たんよ。」

    ばぁ「あら、そーね。いつまでおるとね?」

    ハル「仕事場行くから明日帰るよ。」


    そんな話をしていると、

    母「ハルーご飯の支度手伝って!」

    母は事故をきっかけにぼくと連絡をとるようにり、四年間のわだかまりは一瞬でなくなった。母は昔のままだ。

    ハル「えー疲れたー。足いたいしー」

    母「まぁたうそ言って!あんたのその顔は元気ありあまってる。」

    ハル「へいへーい。」

    ぼくの大好きな肉じゃがを作ってくれるようでテキパキと支度をしていた。

    母「あんたその髭、父さんににてるわね。」

    ハル「ふーん。」

    母「その返事のし方と言い、声といいよく似てるわ。」

    ハル「自分じゃわかんねーよ。まぁ親子だし似とるんやない?」

    母「家にも跡取り息子ができたわね。」


    そう言ってにこっと笑って見てきた。母さんの顔は少し歳とったなと感じた。
    夜になると親父も帰ってきて一緒に酒を飲んだ。親父は母から聞いたのか僕が居ることを知っていて、僕に時計をプレゼントしてくれた。

    (携帯)
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