ビアンエッセイ♪

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■20556 / ResNo.40)  返事ありがとうございます。
  
□投稿者/ たまき 一般♪(2回)-(2008/02/10(Sun) 11:58:34)
    ダイナだけじゃないんですか!?


    すごいですね,遊び心でこんなにも上手に書けていて!


    質問に答えてくださってありがとうございます。
    スッキリしました。笑


    無理をせず,頑張ってください。
    めっちゃ楽しみです。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20750 / ResNo.41)  ALICE 【86】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(2回)-(2008/03/24(Mon) 08:24:55)
    各々のデスクに山積みになった業務に、

    私達は明らかに注意を集中出来ていない。




    リリーは右斜め向かいに、

    すみれちゃんは真向かいに、

    そして私は左横に、


    神経の恐らく半分を占領されている。



    3人の雑念の矛先は、同一だ。



    リリーの右斜め向かい、
    すみれちゃんの真向かい、
    私の左隣、


    とはつまり、


    アリスのデスクを意味する。


    今その場所は、

    危険な化学変化を試みる実験室と化しているのだ。




    ―――アリスと、三葉。



    この異様な組み合わせの2人が、

    一つのデスクに向かって、身を寄せ腰を下ろしている。








    気にならないで、いられようか。









    このところ内勤が増えており、

    (といっても暇な時期だという訳ではなく、
     4Fの人間がメイン案件の掛け持ち数を減らし、
     階下のフォローを大幅に受け持つという、
     今は体制の変化を試みている状態なのだ。
     つまり、暇な訳では、全くもってない)

    この機会を活かして、

    本日は丸一日、
    三葉の教育係に、所長直々アリスが任命されたのだ。


    突然の朗報ならぬ妙報に目を白黒させる部下達のリアクションを、
    満足げに眺めながら、

    女ボスは言い捨て御免で出張に立ったのだった。




    妙報が発せられた今朝、
    当初のそれぞれの反応といえば、


    三葉は「ぐぁ!」という蛙のような奇声を上げ、

    すみれちゃんは『第二キャビネットの施錠徹底』という注意書きを、
    30枚プリントアウトし、
    (第二キャビネットは1つしか存在しない)

    コンタクトをはめている最中だったリリーは、
    あっけにとられた隙に片方を落とし、
    しかもそれを自分の足で踏みつけ、

    ブラインドタッチで打ち慣れた自分の氏名を入力したはずの、
    私のPCの画面には、

    『だぃるいじ』

    という意味不明な文字が並んでいた。


    仕事場では無表情・無反応が売りのアリスでさえ、
    (別に売りではないが)

    所長の声に片方の眉を上げるのを、私は見逃さなかった。




    アシスト時のポイントや、
    司法試験に向けての要点などを学ぶようにという、
    所長の大雑把な指示通り、

    初めのうちは明らかにやる気の無い態度で、
    途切れ途切れに呟くような質問を投げていた三葉だったが、

    それに対するアリスの的確で明確、かつ奥深い回答を重ね聞くにつれ、

    だんだんと真剣な顔つきで、
    次第にメモをとるまでに変化していった。



    私は自分の作業に打ち込むフリをしながら、
    このストレンジ・ペアに意識を傾けずにはいられず、

    自分以外の2人も同様である事は、
    時折空中でぶつかる視線から充分伺えた。



    しかし、
    少し前から、

    三葉の言動に新たな変化が現れていた。


    少しずつ、アリスに反論をし始めたのだ。


    主張はそこまで強くないが、
    アリスの意見に何かと小さく異議を唱える声が、
    私の耳を刺激する。


    と、


    「納得いかない!!!!」



    突然、三葉のヒステリックな声が響いた。

引用返信/返信 削除キー/
■20752 / ResNo.42)  ALICE 【87】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(4回)-(2008/03/24(Mon) 09:14:10)
    三葉の叫びは、

    私たち外野への『見て見ぬふり・解放宣言』となった。



    皆が手を止めて、

    遠慮無しに二人に注目する。





    「そういう考え方、正しくないと思う」


    ・・・恐れ多くも、アリスの仕事に堂々と文句を付けるとは。


    恐らく、
    最大の恋敵であるアリスの言葉に感銘を受け、
    真面目に聞き入っている自分にはたと気付き、
    だんだんと癇癪の虫が顔を出してきた、

    とまあ、そんなところだろう。



    この無謀な19歳に、1つ年上のアリスがどういう反応を示すのか、
    皆が静かに見守る。


    「・・・山根さんは、」

    「山根って言わないでって言ってるしょ!!三葉!み・つ・は!!」


    スタイリッシュな自分には似つかわしくない、とかで、
    彼女はいつも苗字で呼ばれる事を激しく拒むのだが。



    アリスの、故意ではない絶妙の仕返しに、
    私は思わず肩を震わせた。



    「貴方は貴方の考えを持って進んでいけばいいと思うわ」


    顔色一つ変えないアリスの大人の振る舞いは、
    小娘のプライドを余計に傷付けたようで、
    三葉は目を吊り上げ、声を荒げる。


    「未だ黒星が無いのがそんなに偉いわけ?
     大体、アリスの裁判って気色悪いのよね。
     普段ろくに人と会話も出来ないロボットみたいな人間が、
     弁護士なんて、正義の味方演じちゃってさ、ばっかみたい!!」



    アリスが、
    そんな三葉の怒り任せの言葉如きに、傷付きなどしないのは分かっていたが、
    それでも私は、
    何か、言わずには居られなかった。


    「何よ、いつもアリスの裁判傍聴して帰って来ると、
     “凄い!アリスってやっぱ天才!”とか言ってるくせに」

    「それは言わない約束じゃないっすかルイ子さん!!」

    立ち上がった三葉は私を激しく睨み付ける。
    怒りが留まる気配は無いようだ。

    と、いうか。後に引けないのか。



    「法廷ではよ〜く動くその口で、男も女もたぶらかして。
     所長もこの女に騙されてんですよ!」


    入れ込んでいるのが所長の方である事は、
    三葉も十分感じ取っているはずなのに。

    そんな暴言を吐いて、
    後で虚しくなるのは三葉の方だと、
    私は彼女を少し哀れに思った。

    が、その気持ちよりも、
    腹立ちの方が自分の中でわずかに勝っているのを感じた。

    その感情をどうすべきか迷っていると、


    「三葉ちゃん。言っていいことと、悪いことがあるんじゃない?」


    優しい口調で、しかし強い意志が感じられる声で、
    すみれちゃんが静かに立ち上がってそう言った。


    「いーーーんです。この女には今まで言いたいこと沢山我慢してきたんすから!
     腹ん中溜め込んでるより、ぶつけた方がいいんすよ!
     アリスもあたしに何か言いたいことあるんなら、今言えば!?」


    感情を表情にそのまま反映させる、
    そんな、自分とは正反対の三葉を、
    アリスは何も言わず、ただ見上げていた。


    「そうやって人を馬鹿にして、いつもいつも!何か言ったらどう!?」


    アリスの眉間が僅かに寄せられるのを見た私は、
    彼女が決して三葉を馬鹿にしているのではなく、
    ただ少し困惑しているだけだという風に感じた。


    どうやって助け舟を出そうか・・。

    私が思い迷っていると、


    「三葉に対して普段から思ってても言ってないこと。
     それを教えて欲しいんだってさ。
     何か、言ったら?アリス。少しくらいあるんじゃない?」

    初めてリリーが口を挟んだ。



    さて。

    アリスはどう応じるのか。




    案じつつも、興味が沸いた。

引用返信/返信 削除キー/
■20949 / ResNo.43)  ALICE 【88】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(2回)-(2008/06/24(Tue) 03:01:18)
    視線を斜め下の何も無い空間に落としたアリスは、
    しばしの沈黙を設けた後、

    ぼんやりと、言った。




    「コーヒーが、美味しい」









    「え?」
    「は?」
    「えぇ?」
    「何?」




    「ミツハが淹れるコーヒーは、美味しい、凄く。
     ・・・いつも思ってて言ってないこと」








    皆、脱力した様子で顔を見合わせる。





    これぞアリスの、


    完全勝利だ。






    「確かに。何気に絶妙よね。三葉のコーヒー」


    リリーの発言が、
    アリスをフォローするかのように感じられ、
    私は何故だか無性に嬉しくなった。



    「コーヒーとか、そんなの、何も考えないで普通に淹れてるだけっすよ、そんなん・・」

    「うんうん!三葉ちゃんは紅茶も上手!私も思ってたの!」


    すみれちゃんもすかさず加わり、
    皆に持ち上げられた三葉は、
    もはやすっかり毒気を失った顔つきに変わりつつある。


    感情的になり過ぎた事を気まずく思い始めたのか、
    居心地の悪そうな雰囲気が、
    彼女の周囲に漂い始める。


    アリスが隣に居たのでは、
    余計にクールダウンしにくいのだろう。



    「もう正午か。アリス、外で何か、食べて来よっか」


    三葉への助け舟として提出した私のその案に、
    真っ先に反応を示したのは、
    予想外なことに、アリスだった。


    私を向いた彼女の瞳は、
    安堵のあまり、
    それはもう無防備に揺れていて、

    予期せずそんな目で見つめられてしまった私は、
    皆が居るのも忘れて、
    思わず彼女を引き寄せて抱き締めそうになったのを、


    ぎりぎりのところで抑え込んだのだった。
引用返信/返信 削除キー/
■20950 / ResNo.44)  ALICE 【89】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(3回)-(2008/06/24(Tue) 03:23:37)
    事務所の並びにあるコーヒーショップでテイクアウトしたランチを持って、

    私とアリスは園へ向かった。


    アリスと園で会うのは、これで4度目だが、
    これまでは全て、現地集合・各自解散だった為、
    園までの道のりを並んで歩いたのは、

    今日が初めてだった。



    毎回私が渡り切るのに骨を折るスクランブル交差点の人間の海を、

    アリスはまるで人魚のように、

    滑らかに、
    涼しげに、

    風と共に泳いだ。



    老若男女がアリスに道を譲っていく様子は、
    エジプト記に記録されている、
    モーセの紅海のエピソードを私に連想させた。








    「今日は、とんだ災難だったわね」


    アリスのお気に入りのオリーブの木陰に並んで腰を下ろす。


    「んーー。彼女は。色んな意味で、私を嫌いなんだろうね」

    「嫌い・・・まあ、不可抗力でしょう。
     でも、アリス、偉かったじゃない。
     言い返すどころか、あの場面で三葉を誉めるなんて、凄い。
     私、真面目に感心しちゃった」

    「深く、考えて、ないよ。
     普段思ってることって、あれしか、無かったから。
     それだけ」


    あっけらかんと、アリスはそう言ってのけた。

    本当に、嫌味の無い人間だ。


    この娘と一緒に居れば居るほど、
    その類稀な、ひねくれの無い心に惹き寄せられる。

    心が澄んでいる分、
    普通では考えられないような、
    深い闇を抱え込んでいるのだろうが、


    それにしてもアリスは、

    性格が良い。

    極めて良い。


    世の中、美人は得をすると言うが、
    あまりに人間離れした美しさを持って産まれると、
    ひとえにそうとは言えないのかも知れない。


    アリスを見ていると、
    その容姿が、
    彼女の人となりに得を与えているとは、
    どうも考えがたい。


    まあそれは、
    アリスの社交性も問題なのであるが。


    それでも、
    もっと普通の、
    何と言えばいいのか、
    人目を惹く“べっぴんさん”レベルであったなら、

    『無口で、だけど喋ってみれば案外可愛らしい』

    という風な印象を持たれたのではないだろうか。


    所長もダイナもそれ以前の女達も、
    ほんのもう少し、
    アリスの内面の美しさに気付けていたなら、

    いくら金銭のやりとりがあったといえど、
    もっと違う形で、
    この娘と良い関係を築けたのではないだろうか。


    アリスと肉体関係を持つことが、
    彼女の心を真っ直ぐに見つめて、
    それを勝ち得るのに妨げとなるのであれば、

    私は、そんな繋がり、一生要らない。




    ・・・と、ここまで考えてから、

    “肉体関係”って、
    いつそんなものを私が望んだんだ、

    と、己の突拍子も無い発想に、
    私は些か動揺を覚えた。


    そんな私の心境など知らないアリスは隣で、
    ベーグルに挟まれたレタスをシャキシャキ鳴らして食べている。


    「変なの。キャベツはダメで、レタスは、いいんだ」

    「好みを変と言われるのは遺憾だわ」


    アリスはツンとした様子でそう返してきた。



    好み、か。


    ・・・ああ、そうだ。

    午前の騒動の中、
    三葉がアリスに放った言葉を聞いて、


    私の中にふと湧き上がった疑問が、あったのだった。
引用返信/返信 削除キー/
■20951 / ResNo.45)  あおい志乃さんへ
□投稿者/ 凌 一般♪(1回)-(2008/06/24(Tue) 08:43:49)
    おかえりなさい。

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20954 / ResNo.46)  待ってました(^-^)
□投稿者/ ★ 一般♪(1回)-(2008/06/26(Thu) 17:38:54)
    ほんとにこのお話大好きです!!引き込まれる!(≧▽≦)これからも楽しく読ませてください♪
    素敵なお話ありがとです!

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20958 / ResNo.47)  お待ちしてました
□投稿者/ れい 一般♪(14回)-(2008/06/28(Sat) 01:41:58)
    あおい志乃さま

    更新、ありがとうございました。
    お疲れさまでした。

    更新されたものが読めて非常に嬉しいです。
    ありがとうございます。


    東京はここ数日、寒暖の差も大きく、
    体調管理がなかなか難しい日が続きます。

    あおい志乃さまも、くれぐれもお体ご自愛下さいませ。


    私は久しぶりに休みが取れそうなので、
    大好きな温泉にでものんびり浸かってこようと思います。
    (そのために仕事頑張っているようなものです)


    またの更新、楽しみにしております。



    れい

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■20959 / ResNo.48)  ALICE 【90】
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(5回)-(2008/06/28(Sat) 01:52:15)
    「アリスってさ、男の人と付き合うことは無いの?」

    「無い」



    こちらが戸惑うほどの即答だった。




    『法廷ではよ〜く動くその口で、男も女もたぶらかして・・・』


    という三葉の暴言の、

    “男も”

    という部分に、私は引っ掛かったのだった。



    そういえば、アリスの恋愛遍歴の、
    異性編はどうなっているのだろうかと。


    アリスは、

    この通り、“無い” と言う。





    「あ、そっか。無いんだ」

    「どうして?」



    ところでこのところ、
    アリスは積極的に会話を続けるようになってきたように思う。


    以前の彼女なら、
    受けた質問に “イエス” か “ノー” で答えるだけで、
    それ以上自分で話を膨らますようなことは、しなかった。


    ましてや、“どうして”そんなことを自分に尋ねるのか、などと、
    質問を返すことなど、絶対に。


    この変化は、
    私と居る時にそれだけアリスが、
    気分をリラックスさせている事の証拠だろうか。


    確信は持てないが、
    でもきっとそうなのだろうという自信が私の何処かに潜むゆえに、
    以前なら酔った勢いでも言えなかったであろう、
    こんなプライベートな質問も、
    少しの覚悟だけで放ててしまうのだと思う。




    「ほら、慰安旅行で、アリス言ってたじゃない?
     愛してないなら、男も女も同じだ、って」

    「言ったね」

    「だからさ、どっちでもいけるのかなと、思ったんだけど。そっか、違うんだ」



    ベーグルを完食したアリスは、
    スクッと立ち上がったかと思うと、
    おもむろに、背もたれにしていたオリーブの木を登り始めた。

    何をしているのかと私が声を掛ける間も無く、
    いとも簡単にアリスはするすると、
    地上3メートルを超える高さの枝まで辿り着き、
    そこに腰を下ろした。



    「・・・猿か」


    私の呆れ声に、
    アリスの笑い声が、天から降って来る。


    「ルーイはさあ」

    「ん?」

    「私が女と付き合うの嫌?」

    「え?なんで?・・ああ、違うよ。そうじゃなく。
     ほら、アリス昔から相当モテただろうし、それは同性からもなんだろうけど。
     でもやっぱり、数的には言い寄ってくるのは異性が圧倒的に多いでしょ。
     だから、流れでいけば、っていうのも変だけど。
     男と付き合う方が、手軽だったんじゃないかなって、そう思っただけ」





    だって、実際そうだろう。

    特に、パトロンを探すのであれば、
    確実に男の方が簡単に見つかる。


    アリスは木の上で、
    風に吹かれて気持ち良さそうに目を閉じながら、

    「金持ちには男が多いしね」

    と言った。



    私の考えが読まれていたようだ・・・。



    「ま、それもあるし。
     あとさ、女性相手の方が、なんていうか、大変かなって。
     性格的に、束縛とか、嫉妬とかね。
     想像でしか無いけど。人にもよるんだろうけど」

    「そうかもね」

    「アリスが、同性の方がいいっていうんなら、何の問題も無いけど。
     うん、ちょっと訊いてみただけよ」



    本当は、この関連でもう一つ、
    前々から時折頭に浮かんできていた、
    重要な疑念があるのだが、
    それはさすがに少し、
    踏み込みすぎかもしれない。

    とりあえず今日のところは、ここで終わらせようと、
    私は前を向いて適当に鼻唄を歌い始める。





    「特に理由があって女を選んでるわけじゃないよ」


    ところがアリスの方が、
    この話題を続行する姿勢をとったので、
    私の心は少し戸惑いを覚え始めた。


    「うん・・そうなんだ」

    「それから私」

    「うん?」

    「sexは好きじゃないけど」

    「あ、そうなの・・うん」



    アリスは何を言い出すつもりなのだろう。


    彼女が今どんな表情をしているのか、
    見定めたいのだが、
    どのタイミングで上を向けばいいのか、
    私は顔を上げることが出来ないで居た。


    すると、



    「受精はもっと嫌いなの」



    何の心構えも無いままに、


    そんな台詞が私の耳に達し、

    やがて胸に当たった。




    あまりに綺麗な声で、
    アリスがそんな生々しい単語を口にしたので、

    私は妙な…本当に妙な気分になった。






    快晴の空から落ちた大粒の雨のように。

    白百合から放たれた悪臭のように。

    女神から産み落とされた悪魔のように。






    “受精” というワードだけが脳内で異質に浮いていて、

    私はその出処を模索するように、
    落ち着き無く瞳を上下左右に動かす。



    そして、ようやく、

    アリスを見上げた。




    真っ青な夏空を背に、
    鳳凰のように枝に宿ったアリスは、

    そこで美しく微笑んでいた。



    その花のような唇から発せられたと考えるには、


    “受精” という二文字は、



    あまりに違和に溢れていた。
引用返信/返信 削除キー/
■20960 / ResNo.49)  ◆凌さんへ
□投稿者/ あおい志乃 一般♪(6回)-(2008/06/28(Sat) 01:57:46)
    ご無沙汰しております。

    簡潔で、心温まるメッセージをありがとうございます。
    励みになります。
    凌さんのそのお心遣いに少しでもお返しが出来るよう、
    アリスを動かしていきたいと思います。

    良い週末を。
引用返信/返信 削除キー/

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