ビアンエッセイ♪

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■20469 / ResNo.10)  すごい。
  
□投稿者/ サト 一般♪(1回)-(2008/01/20(Sun) 02:33:24)
    読み出したら止まらんくなってしまいました(^^)
    続き待ってます!

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■20471 / ResNo.11)  10
□投稿者/ 壱也 一般♪(11回)-(2008/01/20(Sun) 13:47:57)


    「おはよう、チカ。驚いた?」


    いつの間に居たのか、ドアにもたれながら、奈々が言う。


    『奈々、これは朱美なのか?』


    「残念ながら違うわ。でもがっかりしないで?そっくりなのは外見だけじゃないから」


    「奈々、チカが困惑してるよぉ」


    朱美のそっくりさんはハニカミながら、私を見つめた。


    「…事情は奈々から聞きました!私は、朱美さんの生まれ変わりだと、奈々が言うくらい似ているらしく、ある条件付きで今日からここに住む事になりました」

    事態をうまく飲み込めないまま、また口が動く。


    「チカさんのお世話をするのが条件です。私、行く宛てがないので困ってたんです」


    「いつまでも、お世話出来ない私に代わって、愛里がお世話するの。」


    『勝手に決めないでよ!大体、私は別に世話なんてして欲しくないんだから』


    「あんなに朱美に会いたがってたじゃない?ここまで似ているなんて愛里くらいよ?」


    「チカ…お願い…」


    その時、愛里の顔と朱美の影がダブって見えた。


    『好きにしたら…』


    どうしよう。。私トキメいてる。


    これは朱美じゃなく愛里という別の女性なのに。

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■20472 / ResNo.12)  11
□投稿者/ 壱也 一般♪(12回)-(2008/01/20(Sun) 13:58:45)


    「ありがとう!チカ!」


    愛里は私に抱き着き笑顔を見せる。


    「じゃあ成立ね!愛里?明日荷物を持ってまた来てね?」


    奈々は小柄な愛里に言うと素直に返事をして、忠実な犬のように、部屋を飛び出した。


    『おい、奈々。』


    「あら?ご機嫌ナナメ?」

    『当たり前だ。心臓に悪すぎる。』


    「知り合いの娘さんなのよ。年齢はハタチで、大学生。学校は今冬休みに入ってるの(笑)その間だけ泊まらせてあげて?」


    大学の休みは二ヶ月近くあるんではないだろうか?
    その間、他人との生活なんて耐えられるだろうか?


    「愛里も、ノンケだし?朱美にそっくりだし、昔を思い出して告白してもいいのよ?」


    『馬鹿言え!あの子は朱美じゃない!ただのそっくりさんだろ?そんなんで…告白したって…今までの子猫と何も変わらない。』


    「愛里にどう接するかはチカ次第。私は別に気にしないからさ」


    奈々は体を翻し、部屋に出る間際、一言漏らした。


    「チカ、元気になってね」

    そして、扉が閉められたベッドルームで、私は一人泣いた。


    頭では分かっているのに、体が反応する。
    朱美にずっと会いたかったんだって。

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■20473 / ResNo.13)  サト様
□投稿者/ 壱也 一般♪(13回)-(2008/01/20(Sun) 14:02:03)
    お読み頂きありがとうございます。

    書き始めたばかりで、これから更新遅れるかもしれません。

    ですが、一所懸命書いて行くので、引き続き読んでくれたら嬉しいです。

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■20474 / ResNo.14)  12
□投稿者/ 壱也 一般♪(14回)-(2008/01/20(Sun) 18:52:08)


    翌日、昼頃に愛里はキャリーバッグ一つ持ってきて、リビングに居た。


    いつの間にか作ったのか合い鍵を持っていたらしく、勝手にリビングにあるテーブルに昼食が置かれていた。


    「おはようございます!チカさん!」


    昨日とは違い、敬語を使いやけに礼儀正しい。


    自分の身分をわきまえているのだろうか。


    私はあっさり無視をして、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出す。


    昨日まで空っぽだった冷蔵庫は、食材が詰まっていた。


    『食事費』


    私は財布から、三万円を出して愛里に渡す。


    「いえ、結構です。愛里が勝手に買ってきたので。」


    『いや、とりあえず持ってなよ?年下に奢らせるわけに行かないから』


    愛里は苦笑いしながら三万円を財布にしまうと、テーブルにあるオムライスを食べるように促した。


    面倒臭いと思ったが、人が作ってくれた食べ物を粗末に扱うのはポリシーに違反するし、道徳的に許されない。


    席に着き、スプーンですくい食べる。

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■20475 / ResNo.15)  13
□投稿者/ 壱也 一般♪(15回)-(2008/01/20(Sun) 18:53:36)


    とても…おいしかった。


    「お口に合いますか?」


    愛里が心配そうに見るので、


    『ああ…おいしい』


    無愛想に答えてしまう。


    慣れない人間に、どうリアクションすればいいか分からなかった。


    「良かった〜♪奈々からチカさんは食生活乱れてるって聞いてたので、これから毎日愛里が作ります!」


    その瞳は、健気で、純粋だった。


    まだ恋に恋をしていそうな純粋な少女の眼。

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■20476 / ResNo.16)  14
□投稿者/ 壱也 一般♪(16回)-(2008/01/20(Sun) 18:54:40)


    「チカ〜!またコンビニ弁当??」


    『あ?作れないから買うしかないでしょ?』


    「体壊すよぉ〜一人暮らしなんだからさぁ」


    朱美は心配そうに口を尖らせて言うと、何かを閃いた様に、目を輝かせていた。


    「じゃあ!明日からチカの分も作って来る!誰かにお弁当作って持っていくの夢だったんだぁ〜」


    べ、弁当!?


    あ、愛妻弁当って奴ですかい←違う


    『あ、ありがとう。じゃあ宜しくです』


    「はぁい!」


    朱美はメモ用紙を机から取り出し、いくつかの質問をした。


    「じゃあ明日のメニュー考えながら帰ろうっと」


    キラキラした瞳で、いつもの分かれ道で私は別れた。

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■20477 / ResNo.17)  15
□投稿者/ 壱也 一般♪(17回)-(2008/01/20(Sun) 18:56:01)


    「チカさんは何か嫌いな物ありますかぁ〜?」


    愛里は、メモ用紙を取り出し、オムライスを食べ終わった私に質問してきた。


    『え゛ぇ!?』


    戸惑う私に不思議そうな眼差しを送り、どうしました?と心配された。


    あぁ、何でこんなにリンクするんだろうか。


    『特にないよ』


    本当はあるけれど、もし朱美と中身まで似ているならあの方法で私を困らせてくるにちがいない。


    「本当ですかぁ〜?奈々はチカさんが食わず嫌いさんだから、聞くよーにって言ってましたよ?」


    くそー奈々め。
    いちいち報告しやがって。

    『…ピーマン食べれない』

    「ぷっっあははは」


    『…何だよ?』


    「あは、いえ可愛い人だなって思って」


    『…馬鹿にしてるだろう?』


    「そんなことはないです♪夕飯のメニュー考えるのが楽しくなりました♪」


    そして…私の予感は的中するのである。

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■20478 / ResNo.18)  16
□投稿者/ 壱也 一般♪(18回)-(2008/01/20(Sun) 18:57:23)

    『愛里…一体これは?』


    「はい♪ピーマンの肉詰めですよ?ピーマン嫌いはこれで解消出来ます!」


    はぁ…まったく。
    愛里といい朱美といい何も分かってない。


    『あのねぇ…ピーマンを全面的に剥き出しにしちゃったら何も意味ないの!肉の中にピーマンを詰めるならまだ解るんだがな?』


    「あは!ですよね!でも食べて見て下さい!」


    私は心底嫌な顔をした。


    ピーマンは人生において最大の敵だからだ!


    「…しょうがないですねぇ〜♪はい、あーんvV」


    朱美の瞳と愛里の瞳が重なり、そしてピーマンの肉詰めは私の口にほおりこまれた。


    高三のあの時、まったく同じ方法で朱美はピーマンの肉詰めを口に入れて来た。

    あのピーマンの苦みと、朱美の甘い行為は、今も忘れていなかった。


    「ちゃーんと食べてくれたら、デザートは手作りプリンを出しますね?」


    愛里は嬉しそうに、肉詰めを食べていた。


    毎日外食ばかりしていた私には何故か新鮮で、最初こそは、嫌悪感でいっぱいだったが、私の事を考えてくれている愛里に対して、少しは優しくしようと思い始めた初日だった。

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■20480 / ResNo.19)  17
□投稿者/ 壱也 一般♪(19回)-(2008/01/21(Mon) 17:26:35)


    翌日、目覚めると、昨日隣に寝ていたはずの愛里が既におらず、布団の温かみは消えていた。


    リビングの戸を開くと、愛里は丁度、コーヒーポットを手にしていた。


    「おはようございます」


    『おはよう、早いな』


    時刻はまだ6時を回り、朝から物騒なニュースが流れていた。


    「いえ、チカさんのお世話を任せられたので当然です。さ、トーストとコーヒーが出来ましたよ?」


    テーブルには喫茶店に出てきそうなモーニングセット風な朝食が並べられており、朝からお金持ちのお嬢様になった気分だった。


    『愛里、今日は私は仕事があるから、昼ご飯はいらないよ』


    「えっ?それだったらお弁当を作ったのに!何で昨日言わなかったんですか?」

    『あ…すまない。』


    何故か私は年下の小娘に説教されて、頭が上がらなかった。


    私らしくない。
    愛里は私を狂わせていく。

    「じゃあ、昼間は掃除と洗濯しときますね?天気もいいですし♪」


    『…お願いします』


    私はトーストを食べ終わると、そそくさと支度して家を出た。


    愛里の寂しそうな目を後にして。

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