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「おはよう、チカ。驚いた?」
いつの間に居たのか、ドアにもたれながら、奈々が言う。
『奈々、これは朱美なのか?』
「残念ながら違うわ。でもがっかりしないで?そっくりなのは外見だけじゃないから」
「奈々、チカが困惑してるよぉ」
朱美のそっくりさんはハニカミながら、私を見つめた。
「…事情は奈々から聞きました!私は、朱美さんの生まれ変わりだと、奈々が言うくらい似ているらしく、ある条件付きで今日からここに住む事になりました」
事態をうまく飲み込めないまま、また口が動く。
「チカさんのお世話をするのが条件です。私、行く宛てがないので困ってたんです」
「いつまでも、お世話出来ない私に代わって、愛里がお世話するの。」
『勝手に決めないでよ!大体、私は別に世話なんてして欲しくないんだから』
「あんなに朱美に会いたがってたじゃない?ここまで似ているなんて愛里くらいよ?」
「チカ…お願い…」
その時、愛里の顔と朱美の影がダブって見えた。
『好きにしたら…』
どうしよう。。私トキメいてる。
これは朱美じゃなく愛里という別の女性なのに。
(携帯)
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