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■20519
/ ResNo.50)
42
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□投稿者/ 壱也
一般♪(47回)-(2008/01/29(Tue) 15:49:59)
何を気にするの?
私は疑問だらけだった。
「自分は愛里にとって、いつか邪魔な存在になるんじゃないかって。愛里に好きな人が出来たらあの家を出るだろうし、そしたら自分は祝福して見送れるのかなってさ。父親みたいね?」
私はチカを邪魔なんて思った事はないよ?
これからもそうだし…
なんでそう思うのかな?
チカは私を…。
そういえば、前に私を求めてしまいそうで怖いって言ってた。
そっかぁ…。
チカは私でも恋愛対象に入るんだよね。
何となく、くすぐったい。
何でだろ??
「チカにとって、愛里ちゃんは、ただの友達じゃないのかもね?」
「え?」
「…親友って感じかな?」
「…どうなんですかね?聞いてみます」
「恥ずかしがって言わないかもね。フフ」
あぁ、藤田さんと話す時、私は藤田さんをお母さんみたいだって思えた。
本当のお母さんはひどい人だったからなぁ。
こんな人がお母さんなら。
喫茶店に約、4時間近く居座り、昼ご飯まで出してもらった。
「生活大変だろうから、タダでいーよ!」
そう言ってくれたけど、悪いからってカプチーノ代は出してきた。
夕方のスーパーはごった返してて、安売りがされている。
スーパーで、買い物なんて、チカと住むまでしたことなかった。
最初はあまりに安くて買い込み過ぎて冷蔵庫に入り切らなかったんだよねぇ。
今じゃ、更に安い物を見極めちゃったりしてさ。
まるで主婦だった。
あ、今日はチカ遅いんだった。
早く喋りたいな。。
(携帯)
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■20520
/ ResNo.51)
43
▲
▼
■
□投稿者/ 壱也
一般♪(48回)-(2008/01/29(Tue) 17:35:37)
一人で帰るのには慣れている。
誰も居ない家に帰るのも、一人の夕食も、一人でテレビを見るのだって、寝るのだって慣れている。
小さい時からそうだったのに。
どうしてこんなに泣いてしまうんだろう。
まるで、子供みたい。
私はもう、成人して大人になったはずなのに。
一人用のベッドに二人がくっつきながら、寝ていたこのベッドが異様に広くて、まだ23時なのに、起きているのが辛かった。
チカは何時に帰ってくるんだろうか。
チカの好きなハンバーグを今日は作ったの。
早く食べて欲しいな。
チカ…寂しいよ。。
(携帯)
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■20521
/ ResNo.52)
44
▲
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■
□投稿者/ 壱也
一般♪(49回)-(2008/01/29(Tue) 17:36:29)
ガチャ。
ドアの方から音がした。
ベッドルームに差し込むリビングの光りでチカの顔が真っ暗だった。
それでも、私は飛び付いた。
チカに会いたかったから。
『うぉ、どした?泣いて…んの?』
チカは優しく抱きしめてくれて、背中を摩ってくれた。
「うっうう…寂しかったの…」
『ごめんな、残業でさ』
分かってるのに。
生活の為、私が居るから必死に頑張ってる事も。
お父さんの援助を受けないのも、全部知ってるのに。
「チカぁ…傍に居てね」
それなのに
こんな我が儘を吐いてしまうんだから。
私はどうかしてるんだよ。
(携帯)
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■20522
/ ResNo.53)
45(チカside)
▲
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□投稿者/ 壱也
ちょと常連(50回)-(2008/01/29(Tue) 17:37:53)
残業を終えて、マンションに戻ると、テーブルにはサランラップがかかったハンバーグが置いてあった。
早く食べたい衝動を抑え、部屋着に着替える為にベッドルームの扉を開いた。
部屋の中で愛里は寝ているのかと思っていたら…
大泣きで抱き着いて来た。
『うぉ、どした?泣いて…んの?』
「うっうう…寂しかったの…」
愛里が寂しいって言うのは初めてだったし、何より泣くのだって…。
『ごめんな、残業でさ』
今までだって、遅くなる日はあったのに…今日何かあったのか?
「チカぁ…傍に居てね」
こんなに甘えてくる愛里は、見たことがない。
『傍に居るよ?心配するなよ』
ホームシックにでもなったのか?
もう一ヶ月は経つのに。
理由を聞けばいいのだろうけど、愛里から話すまで、このまま抱きしめていたい。
温もりが、愛里に対する愛のような気がして、私は愛里が好きになったんだって自覚させられた。
本当は震える愛里に優しくキスをして、頭を撫でてやりたい。
でも、大事な人だから。
今は愛里の涙が止まるまで抱きしめよう。
(携帯)
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■20523
/ ResNo.54)
46
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■
□投稿者/ 壱也
ちょと常連(51回)-(2008/01/29(Tue) 17:38:46)
「チカ、ごめんね?」
10分くらい立ちながら泣いて、今は二人でベッドに腰を落とした。
『何で謝るんだよ。』
「…分かんないけど。」
『何だそれ?(笑)どうした?昼間何かあった?』
「藤田さん所行ってきた」
愛里が、いつの間にか藤田に懐いてたのは、奈々から聞かされていた。
藤田も、また私の性癖を知っている。
「チカが心配してたって教えてくれて…」
愛里は藤田が話した全てを、ゆっくり教えてくれた。
「邪魔だなんて、思った事ないよ?」
『…ああ。悪かった、変な心配して。』
藤田の奴、ベラベラ話しやがって。
愛里に心配かけさせて…。
『大丈夫。今は心配してない』
愛里は少しだけ笑い、私を見つめた。
「…ねぇ?チカは私を好き??」
突然の質問。
それは胸が締め付けられる様に痛みを伴った。
「姉じゃなく、私を好きですか?」
恋愛対象として…って事だろうな。
何故こんな事を聞いて来るのかは、愛里の表情を見れば解る。
多分…両想い。
なのに、言葉が出ない。
君が好きなのに。
どうして言えない?
まだ君の中に、朱美を見ているのか?
…違う。私は愛里を…
愛してる。
(携帯)
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■20524
/ ResNo.55)
47
▲
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■
□投稿者/ 壱也
ちょと常連(52回)-(2008/01/29(Tue) 17:39:38)
『愛してるよ?愛里が必要だと思うし大事だ』
愛里は涙がまた溢れ、私にしがみつく。
「…私も、チカが好きです。愛してるんです。」
か弱い愛里。
君は私の中に簡単に入り込んだ。
魔法をかけられたように、いつしか惹かれたんだ。
いつ愛里と朱美を別物として考えたかなんて、解らない。
でも、愛おしいんだ。
朱美、もう会えない幻の君よ?
私は愛里を欲しい。
私が愛里を幸せにする。
君の分まで想いをぶつけてみるよ。
朱美、愛里は君を大事に想ういい子だ。
いい、妹を持ったね。
(携帯)
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■20530
/ ResNo.56)
48
▲
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■
□投稿者/ 壱也
ちょと常連(53回)-(2008/01/30(Wed) 15:11:21)
愛里は私の腕の中で幸せそうに笑う。
「両想いだね?」
『…ああ。』
「女の人と付き合うの初めてだから…その」
『優しくする。愛里、愛してる』
優しくベッドに愛里を寝かし、深いキスをする。
愛しくて、キス出来た喜びと幸せが涙になり、落ちる。
「…んぐっ、チカぁ?」
『もう離さないから』
私は誰も失いたくない。
天国の朱美、聞いてる?
私は朱美を今も愛してる。
同時に、愛里をも。
欲張りだって言われるかもしれないけど。
もう会えない朱美の分まで幸せにすると誓うよ。
END
(携帯)
完結!
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■20531
/ ResNo.57)
感涙
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□投稿者/ 朱
一般♪(1回)-(2008/01/30(Wed) 19:02:06)
こんなに、読むのをはまった小説は久々でした(;_;)
本当に面白かったです!!!
また楽しい話待ってます♪
お疲れさまでしたm(__)m
(携帯)
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■20532
/ ResNo.58)
朱様
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□投稿者/ 壱也
ちょと常連(54回)-(2008/01/30(Wed) 19:59:39)
感想ありがとうございます(^-^)
そう言って頂いて嬉しいです。
また書いたらお願いします(^O^)/
(携帯)
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■20543
/ ResNo.59)
壱也さん♪
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□投稿者/ 昴
大御所(425回)-(2008/02/04(Mon) 02:02:41)
http://id34.fm-p.jp/44/subarunchi/
素敵な作品をありがとうございました
特に朱美の日記のシーンでは
感情移入し過ぎてウルッとしました
次回作も楽しみにさせて頂きますね
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■No20532に返信(壱也さんの記事) > 感想ありがとうございます(^-^) > > > そう言って頂いて嬉しいです。 > > また書いたらお願いします(^O^)/ > > (携帯)
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