ビアンエッセイ♪

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■20614 / 親記事)  犬に願えば
  
□投稿者/ つちふまず 一般♪(1回)-(2008/02/25(Mon) 09:09:32)
    軽くギャグです(^0^)



    (放置小説はさておき…すみまそん)



    よろしく♪




    つちふまず





    (携帯)
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■20615 / ResNo.1)  犬に願えば 1
□投稿者/ つちふまず 一般♪(2回)-(2008/02/25(Mon) 09:12:17)
    ガサガサ。




    ポリポリポリポリ。




    ガサガサ。




    ガサガサ。









    あ、なくなっちった…。




    …………っと。




    あぶなっ!!
    ……………………!!





    特に寝不足だった訳でもましてや酒を飲んでいた訳でもない。




    “ピーポーピーポー”




    危惧するような出来事があった訳でもなく。




    “おおい!こっちだ!”



    恋は終わり、打ちのめされていた時期はとっくに過ぎていたし。




    “こっちです!はい!”



    帰ったらいつも通り、ピーナッツを摘みながらビールでも飲んで。




    “あちゃー…”




    面白そうなテレビも無ければ。




    “ひでーな…”




    古本屋で買って来たドラゴンボールでも読んで。




    “運転席が無くなってるな…”




    風呂に入って寝るのみ。なーんて思っていたのに。




    “無理ですかね?”




    その日は一日中冷たい雨が降っていて。




    “諦めんな。見えるか?何とか出してやらないと…。”




    夜には雨は雪へと変わっていた。




    “いくぞ!せーの!”




    首都圏に住む人間ならノーマルタイヤで充分だって思うし。




    “よし、見えたぞ。…大丈夫ー!?聞こえますかー!”




    ましてや“凍結注意”の表示があったとしても大して気に留めはしない性格だから。




    “おおい、そこの新人!気分悪くなってる暇はねーんだ!シート持って来いや!”




    ─自分がまさか
    こうなるなんて。




    “ピーポーピーポー”




    思ってもみなかったんだ。




    “ピーポーピーポー”




    今日私は。




    “ピーポーピーポー”












    生涯を終えた。


    (相原 晴香 享年25)




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■20616 / ResNo.2)  犬に願えば 2
□投稿者/ つちふまず 一般♪(3回)-(2008/02/25(Mon) 09:15:20)





    スタスタスタ─






    「…いたいた。やっと見つけたニャ。」




    コン。




    ─いて。




    「…そろそろ起きるニャ」




    コンコン。




    ───いたい…。




    「起きるニャ」




    コンコンコン。




    ──もう、ちょっと…。最近残業続きだったんだから…。




    「寝起きの悪い子だニャ」




    ─…もうちょっと寝かせ、て…。




    「仕方がないニャ」




    ──そう。あと五分…。









    ─ゴン!!




    「いだーーーー!!」


    「起きたニャ♪」


    「いだいいだい!………って、」









    え。






    こ、ここは…。




    見渡す限りの。





    白、白、白。





    足元を見れば、
    ふわふわと白く。
    ドライアイスみたいな。


    雲の、上…。




    「おはよう。」




    「え。ぎゃあ!!!」




    化け猫!!!




    「そんな驚くニャ。お前さんのイメージをそのまま具現化したニャ。」




    「具現化!?」




    上から下まで真っ白い毛に包まれた、身長は私の腰位だろうか。




    2頭身に近い体型。




    百日紅のようなツルツルとした木目の、


    杖を持っている。




    「こういうイメージを持つ人間も珍しいニャ。」



    自分の体を眺めた後に、まん丸の肉球から伸びた短い爪で。


    長い髭を撫でた。




    どっかで見た事あるような…。



    …そんな場合ではないわ。




    「あの、えー…。」



    「簡単に言うと」



    コン、と杖を鳴らした。



    「お前さんは死んだニャ」




    「…………。」




    「見つけるのに時間がかかってニャ。一年位、時は経ってしまったニャ。」


    「…………。」


    「という訳で待たせた分しっかり働いてもらうニャ。」




    「えー…」




    私は、死んだ…。




    「現状を把握出来ないのも無理無いニャ。」




    ふう、とため息をついて白い体躯を折り畳み座った。




    「死んだ…。」




    手の平を見ても、とてもそうは思えない。




    「そう、交通事故ニャ。即死だったから苦しまなかったニャ。」




    見ると、
    大きい口から伸びた舌で肉球を舐めている。




    「事故…ああ、そうだっけ、か…。」









    記憶を辿る。




    (携帯)
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■20617 / ResNo.3)  犬に願えば 3
□投稿者/ つちふまず 一般♪(4回)-(2008/02/25(Mon) 09:19:41)
    「ハンドル切り損ねて…。」



    夜の闇と─
    ワイパーの速度。


    流れるテールランプ。


    「そう、じばく。ニャよ。」


    「はあ…。」



    その瞬間を思い出せないって事は、
    相当な勢いで突っ込んだんだろうなぁ。




    「は。ははははは」

    「ニャ?ニャハハハ…何を笑っとるニャ」




    バカだなぁ。
    まだ25だったのに…。



    あら。
    って、事は。



    「あなたはさながら…」


    「ニャ?」


    「神様?」




    どう見ても猫だけど。



    「神様は別にいるニャ。」

    「じゃあ…、?」

    「送り手、ニャよ♪」



    ポーズは招き猫である。



    「?」


    「こちらの世界では、ラファエルと呼ばれとる。ラフィと呼んでニャ♪」


    「ラフィ…。」



    「では説明するニャ♪」


    よいしょ、と腰を上げる。でっぷりしたお腹だ。



    「…その壱。
    死者は皆一旦送り手の元へ預けられるニャ。


    …その弐。
    預けられた死者はその送り手の指示に従うニャ。


    …その参。
    死者が天国、または地獄へと向かうかは送り手によって判断されるニャ。

    …その四。
    死者が天国へと向かい、また再びの生を受けるためには…、」




    「ちょ、ちょちょっと、待って下さい!」


    「なんニャ」


    「混乱しまくりです…。」


    「とても分かりやすく説明したつもりニャ。」


    「あの、冗談ですよね?」


    「ニャにを言っとる」


    「……あ。私行い良かったですよ?ヒャクパー天国行きかと…。」


    「若くして死んでしまったからニャ。命を全う出来なかった者には役割が与えられるニャ。」


    「そんなのおかしいですよー…。」


    「そう言うニャ。天国も地獄も最近は人口過多ニャよ。」



    「………。」





    そんなもんなの?



    「シャて。お前さんが天国へと向かい、新しい生を得るためには…、」



    「?」



    「仕事を与えるニャ♪」


    仕事?



    「…姿を変え、現世に生きる人間へ幸せを与える事。」





    突然猫調でなくなる。





    「幸せ?」




    「そう。その数と質で、お前さんのこの先の道が決まるニャ。」



    「幸せ…。」



    「下界の人間は、それを奇跡と呼ぶニャ。」




    ……奇跡。




    「お前さんは順応性がある。良い仕事を期待してるニャ♪」










    奇跡。
    ねぇ…。




    (携帯)
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■20618 / ResNo.4)  犬に願えば 4
□投稿者/ つちふまず 一般♪(5回)-(2008/02/25(Mon) 09:27:49)
    「…奇跡の数で、私が天国に行けるかどうか決まるって訳ですか?」




    果ての見えない雲の海を見渡し。
    上を見上げれば、
    夏のように抜ける。




    青…。




    こんな仕組みに、なってたの…。

    あの世ってのは。




    「ま、そんな所ニャ。」




    「いくつか質問しても?」



    「もちろんニャ。」




    「天国でも地獄でも、はたまた生まれ変われなくても…どっちでもいい場合は?」




    どうせ死んじゃったんだしねぇ。




    「…………。」



    スタスタスタ─


    え。


    近付いて来た。



    「お前さんの今までの生き方、今の一言で見えたニャ。」



    ………。



    「たまにいるニャ。最近の若者に多いニャよ。」




    「………。どっちでもいい場合は?」




    「それでも役割からは逃げられないニャ。運命と同じくして。」




    「………誰でも通る、道ですか。」




    「そう、命を全う出来なかった者は必ずニャ。」




    「ところで…。」



    「ニャ?」



    「なんで猫なんですか?」



    「送り手は死者の神に対する最後のイメージが具現化したもの…。お前さんの神のイメージが、」



    「まさか猫だったって事?」



    「みたいニャ。」



    「……………。」



    あ。


    何かに似てる、


    と思ったら。




    「カリン、様…。」




    そうか。
    死ぬ直前に。


    帰ったら読もうと…、




    「カリン?なんニャそれは。」




    喋り難いったらありゃしニャいわ、と。




    「はははははは…。」




    一番お気に入りの。




    キャラなんです、


    とは言えず…。




    「まぁいいニャ。お前さんが仕事をしなければならない“対象”はもう決まってるニャよ」




    「へ?」




    「姿を変え、幸せを与えるニャ。アイデアを駆使してニャ。」




    「ちょちょちょっと待って、幸せを与える相手って…決まってんの?」




    「もちろんニャ。」




    「…………。」




    「この人ニャよ。」




    杖が空を切ると。




    雲が割れ…。




    ぼんやりと浮かぶ人影。




    「え゛」





    「女の子ニャ♪」




    可愛い子ニャ、と。





    「こ、これは…」












    元、彼女が。









    そこにいた。




    (携帯)
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■20619 / ResNo.5)  犬に願えば 5
□投稿者/ つちふまず 一般♪(6回)-(2008/02/25(Mon) 09:32:08)
    「…無理、無理無理。」


    「ニャ?」



    「ぜーったい無理!ほらもっといるでしょ?いかにも不幸な人っていうか…、とにかく無理です!」


    「何を動揺してるニャ。」


    「二度と関わりたくない人間って生きてる内に一人は二人はいるでしょー?」


    「お前さん死んでるニャ」


    「…………そりゃ、ま、……そうですけど。」



    けど。
    よりによって…。



    「事情は分かってるニャ。」


    「え゛」


    「愛し合ったんニャロ?」


    「………。」


    「履歴によるとお前さんが振った事になっておるようニャ。」



    「………。」



    「でもお前さんは引きずったまま誰も好きな人も作れず死んでしまった訳ニャ。哀れよのう」



    「…………。」



    「じょ、冗談ニャて。こっちの世界に偏見はニャいわ。」



    「それはどうも。あれでも確か…結婚して、るんじゃ。」




    “彼氏が出来た”
    “結婚するらしい”




    生前聞いた2つの噂。




    「お前さんが死んでからニャ、この子は随分苦しんどったニャよ。」



    「え」



    「結婚もまだ延期になっとるみたいニャ。」




    …………。


    なに、それ…。


    「仕事先は、この子しかリストに載ってなかったニャよ。」



    いつの間にか分厚いノートを捲っている。



    「そうそう、今なら“対象者”限定でポイント二倍ニャよ!」




    「は?」




    「……のちのち説明するニャ。」


    「………?」




    「ふむ、お前さん…生きてる内に幸せにしたいと思える人は他にいニャかったのかい?」



    「………。」




    そう。
    …かもね。



    「そうニャのか。ふむ。」


    「…姿を変え、って言いませんでした?あれはどういう意味です?」



    「知りたいニャ?では、…変身してもらおう。」


    へ。


    変身?








    コン─


    杖を突くと、
    まるで合図のように。








    ぽん。




    …………。


    「ほう、可愛いニャ♪お前さんはこの系列か」



    「(…ええっ!これ!ちょっと、何!?)」



    「大抵の生物には変化出来るニャよ。1人につき1種のみ、ニャけど。」


    「(ちょっと!ラフィ!)」



    「人間には変身できニャいけどニャ♪」




    見事に、


    それは生物学上。








    “犬”と呼ばれる生命体へと変身した自分がいた。




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■20620 / ResNo.6)  うわっ!?
□投稿者/ ワンコ 一般♪(1回)-(2008/02/25(Mon) 12:41:01)
    はじめまして!
    久しぶりにつちふまずさんの小説が読めたので、興奮した勢いで初レスです!


    出だしで一気にはまりました(^O^)まさか、カリン様が登場するとは!私も大好きなキャラです♪


    体調に気をつけて更新してください。のんびり楽しみにしてます♪

    (携帯)
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■20623 / ResNo.7)  わぁ♪
□投稿者/ 黒 一般♪(2回)-(2008/02/26(Tue) 00:41:50)
    つちふまずサン作品読めて嬉しいです。
    更新が待ち遠しいですが、つちふまずサンのペースで体調崩されませんように。


    (携帯)
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■20624 / ResNo.8)  わんこさん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(7回)-(2008/02/26(Tue) 00:52:34)
    ども(^0^)☆
    わんこさん。
    初めまして。


    今回は…。
    ズバリわんこが主人公ですよ☆
    (いよいよ何でもアリに)

    結構前に書いたものなんですが、
    少し手直ししてます。


    カリン様…。
    ぼてっとした、
    愛くるしいキャラって。私は相当好きなんだと思います(笑)


    JR東日本のスイカペンギンが踊ってるポスター…。
    こっそりパクったらマズいかなぁと日々思っている位です。(そりゃマズいってね)


    ではわんこさんのコメントに感謝しつつ、


    少し更新しておきましょう。


    久しぶりに、
    楽しみにしていて下さい。




    (携帯)
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■20625 / ResNo.9)  黒さん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(8回)-(2008/02/26(Tue) 01:03:06)
    初めまして、
    でしょうか黒さん。


    どもども(^0^)☆
    私の事はご存知のようで…。

    皆さんが忘れた頃に何か書こうかな、なんて思ってたんですが(笑)

    ありがとうございます。感謝申し上げます。

    それでは黒さんの期待に答えるためにも、
    少し更新しておきましょう。

    では、
    おやすみなさい。




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