| 「キャンキャンキャンキャン!!」
(訳:何で犬なんですかぁー!!)
「まぁ落ち着くニャ。ほれ、………お手。」
─ぽす(手)
あれ。
「いい子ニャ。」
「クゥー…」 (体が自然に)。
「送り手とは喋れるニャよ。ほい。」
コン、と杖を再び鳴らす。
「ぐすん。なんで?犬になっちゃったんですかー…?」
「人間のまま降りたら大混乱ニャよ。でもお前さんは運がいいニャ。」
「?」
「子犬に変化できる死者は稀ニャよ。」
「…………。」
犬なのに?(涙)
茶の短い毛に包まれた自分の姿を見る。
今までに無い異物感を感じて振り返ると、
短い尻尾があった。
「とりあえず行くニャ。論より証拠。知識より経験ニャ。」
「む……。(不満)」
「ほんニャ、行ってニャっしゃーい!!」
ラフィは両手を上げた。
「えええ!!」
パシュ─
「………やれやれ。やっと見つけたニャ。頑張るんニャよ。」
下界─
パシュ!
……っつ。
………。
ここ、は…。
アスファルトの感触。
わ。 わわわわわ。
目線ひくっ!!
くんくん。
くんくんくんくん。
色んな匂いがするな…。
あ、私犬っぽいよ今の!やだなー私。
……って。
ホントに犬、 になっちゃったんだ。
とほほ…。
四つ足を使って歩いてみる。
トボトボ。
─リンリンリン!!
え。
「あぶなっ!!」
ぎゃあ!
目の前を大きな円が通り抜けて行った。 思わず尻もちをつく。
「犬かー。あーびっくりした…。」
─キーコキーコ
自転車…。
ってあんなにビッグだったっけ!?
こ、怖い…。 もうやだよー…。
“あの子を探すニャ”
空から突然、 声が振って…。
ラフィ?
“匂いは覚えてるニャ?近くにいるニャよ。”
お、 覚えてる訳ないでしょ!
…………。
あれ。
くんくん。 くんくんくんくん。
懐かしい、
匂いがする。
肉球がアスファルトを確かめつつ足を進める。
“その調子ニャ♪”
(携帯)
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