ビアンエッセイ♪

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■20694 / ResNo.50)  犬に願えば 32
  
□投稿者/ つちふまず 一般♪(45回)-(2008/03/03(Mon) 09:07:57)
    「羨ましいですわ…」



    シラトリさんの羨望のくちばし…、


    否、眼差しが。
    少々心苦しかったが…。



    「素敵な人、ですね…」



    いるんだなぁ。
    あんな人…。



    「そうなんですの。昔の鋭い雰囲気も好きでしたけれど…。」



    笑顔も素敵で、


    とシラトリさんは再び照れ隠しか。



    巨大な羽をパタパタと上げ下げした。



    「ええ。素敵な笑顔、してましたよ。」



    「大切な人と一緒だから、でしょうね。雰囲気が柔らかくなったのも…」



    一緒にいた女の子。
    カズと呼ばれたあの子は恐らく、


    恋人だろう。




    私には何となく分かった。




    「………人って、やっぱり人によって変わるんですかね?」




    私も、
    そうなんだろうか。




    ふとした疑問をシラトリさんに投げかける。




    「どうでしょう?ハルカ様にはそんな経験がおありなの?」




    シラトリさんは首を傾げながら私を見下ろした。



    ハルカ様…。
    はは(苦笑)




    「うーん…。どうなんですかね。根本的には変わって無い気もしますけど…」




    「どちらにしても、人としての部分ですものね。今はこの姿。」




    「確かに。ははは」



    「オホホ。」



    シラトリさんの小さな瞳も心無しか細くなった気がした。




    高くなった陽が─
    私の鼻を温めていく。




    「あ、そうだ。今日、会合があるって聞いたんですけど…シラトリさん、知ってます?」




    ゲンさんに言われたっけ。




    「ええ。月に一度の会合…私も参加させて頂いておりますわ。」




    「そうですか。…私初めてなんですけど…」




    大丈夫かなぁ。




    「大丈夫ですわ。楽しい会ですもの…。あ、ただ…」




    「?」




    「気になる点が、一つだけありますわ。」




    大した事じゃ、
    ありませんけど。




    と。
    シラトリさんは川面からゆっくりと上がって、
    私の前に座った。




    「気になる点?」




    「ええ、少々とっつきにくい方がいらっしゃるの。私も苦手で…。」



    「ふーん…。そんな人いるんだ…」





    「人、ではありませんわハルカ様…正確にはスコティッシュフォールド。」




    「スコ…、スコティッシュ?






    簡単に言えば─










    猫です、と。





    シラトリさんは言った。



    (携帯)
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■20695 / ResNo.51)  お久しぶりです!
□投稿者/ 水マー 一般♪(1回)-(2008/03/03(Mon) 09:42:25)
    覚えてますか?
    水マーです(^o^)

    また始まりましたね♪久しぶりにつちふまずさんの文章が読めて嬉しいです♪つちふまずさんの文章の世界観大好きです!!

    続きがスゴい気になります!

    更新頑張ってください(^-^)v楽しみにしてます☆

    (携帯)
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■20696 / ResNo.52)  ファンより(笑)
□投稿者/ 匿名 一般♪(1回)-(2008/03/03(Mon) 20:03:13)
    面白いです♪
    やっぱりつちさんの書く小説好きだなぁ。
    久しぶりに楽しんでます。

    つちさん確か花粉症でしたよね。
    鼻つらそうだなぁ。
    私も目にきてます。
    今週、首都圏は飛散量多いらしいです。
    花粉症にヤクルトが効くと耳にしましたが、実際のところどうなのか(´ー`*)
    効果は人によるみたいです。
    まだでしたら気休めにでも試してみて下さい。

    面倒だと思うので、レスいりません。
    マイペースに更新して下さい。
    それでは、続き楽しみにしてます♪


    (携帯)
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■20698 / ResNo.53)  水マーさん
□投稿者/ つちふまず 一般♪(46回)-(2008/03/04(Tue) 00:24:00)
    やぁ久しぶりですね!
    水マーさん(^0^)☆

    キャンパスライフは順調ですか?

    あ、そうだ。
    いつだったかなぁ…、去年の話になりますけど。

    休日に車で水マーさんの学校の近くまで波乗りしに行ったんですよ!
    へ○ラというポイントです♪
    波良かったなー…。
    (遠い目)

    偶然にも高校時の同級生がサーフショップをオープンさせてまして。

    近々また休みが出来たら行きたいなぁと思っている次第です。

    またお会い出来て嬉しいですよ!
    今夜は報告まで。
    明日更新します(笑)

    おやすみなさい。





    (携帯)
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■20699 / ResNo.54)  ファン?さん☆
□投稿者/ つちふまず 一般♪(47回)-(2008/03/04(Tue) 00:32:06)
    レスいりません、

    と言われると返したくなる天の邪鬼。
    つちふまずです☆
    (^0^)

    初めまして、
    なのかな?

    そうではないような気もしますが…。

    それはさておき、

    そう。花粉症です。
    日によって症状はかなり差がありますが(+_+)
    でも元々鼻が詰まり気味の私なので…。

    両方詰まると何もかもやる気が失せるのは不思議ですよね。

    この時期は特に、
    コンタクトレンズの様に。パカッと外して…。

    鼻を洗えたらどんなに楽だろうなと。
    そんな事を真剣に考えてしまうもうすぐ29歳の私です。(あらやだ)

    鼻、だけで。
    意外と沢山の文章が書けそうですね(笑)

    私なりのペースで更新して行きます。
    最後までお付き合い、宜しくお願いしますね!





    (携帯)
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■20702 / ResNo.55)  犬に願えば 33
□投稿者/ つちふまず 一般♪(48回)-(2008/03/04(Tue) 16:44:02)
    「スコティッシュフォールド、とニャ?」




    夜の会合まで─




    いったん天空へと戻ろうと思った私。




    シラトリさんと交わした会話の内容を、


    ラフィに伝えた。




    「ええ。シラトリさんは気を付けた方がいい、って言ってましたけど…」



    「ふニャ。うーん…」




    ラフィは首を傾げて、暫く考えた後に。




    丸めた手を、
    ポンともう片方の手に打って。




    「思い出したニャ。あの子の事ニャ」




    ラフィは口をもぐもぐと動かした。




    「誰です?」




    「3年位前だったニャ。シズカ、という子ニャ。事故で亡くなったニャよ」




    「ふーん…事故」




    人間の姿へと戻っていた私は腕を組んだ。




    「まだ産まれ変わって無かったのニャ…それはまた困ったニャ」




    「?」




    「ハルカ。シズカはニャ、人間に対して憎悪にも近い恨みを持っているはずニャ。」




    「なぜです?」




    「事情は知らニャいが…。確か手をこまねいた送り手が人の手に飼われやすいように、」




    わざわざ子猫へと、
    変化させたんニャ。



    と、ラフィは言った。




    「ふうむ…」




    複雑だ。




    「ちなみに、送り手が変わったと聞いておるニャ。」



    「変わった?」



    「担当が変わる事もあるニャよ。確かあの子の担当は今、ヴィンセント…」



    「ええっ!この前言ってた?」



    「どういう使い方をしてるか、によるニャが…」



    へ。


    使い方?




    良く分かんないなぁ。




    「…でもま、なんですか。大丈夫ですよ!」




    私は犬ですし、と。
    胸を張ると。




    「ふ…ふぉ!ふぉふぉふぉ!」




    「…何笑ってんですか」



    「いや、何でもニャい。」



    「さっき川っぺりで、コレ拾って来たんですよねー」




    じゃーん、
    とそれを見せると。




    「ニャ?」




    フリフリ、と。


    私が左右に揺らせた、




    “猫じゃらし”




    「………むむむ。…………ニャ♪ニャ♪」





    「はははー」





    「ニャ…って遊ぶニャ!こりゃ!」






    「そーれ」







    ポンと投げると、





    「ニャーっ♪」



    ダダダダダダ─










    ラフィはそれを目掛けて走って行った。



    (携帯)
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■20703 / ResNo.56)  犬に願えば 34
□投稿者/ つちふまず 一般♪(49回)-(2008/03/04(Tue) 16:47:42)
    午前0時過ぎ─




    裏山にて。




    っしょ………っと。


    ここ、かな?



    畦道を登ると、
    小さな神社があった。




    「ハルカー。」




    バサバサ、と木々を掠めてこちらに向かって来る。




    「フジさん。来てたんですかー。」




    「もちろんよ。もうみんな集まってるわ」



    パタパタと、
    羽を上下させながら。



    「みんな?」



    「そうよ。紹介するわ!先行くねー」



    神社の鳥居をくぐると、ざわざわと物音がする。



    「おうハルカ!こっちだ!」




    聞き慣れた声。
    夜の闇の中。


    ゲンさんだ。




    ゲンさんの声に、一斉にこちらを向く観衆達。





    一杯いるなぁ…。




    雀、鳩、狸、リス、
    鷹、鷲、鴨…。




    まるで祭りだわ。
    (異種格闘技戦)




    “珍しい…犬だぜ”


    “子犬…羨ましいわ”


    “さっさと飼われればいいのにねー”




    んー…。


    か、歓迎…。


    されてないような。




    うつむきがちに、
    輪の中を通ると。




    「ハルカ様。ようこそ来て下さいました」




    「シラトリさん。」



    闇の中でも、
    シラトリさんのくちばしはキラリと光る。



    良かったー。
    シラトリさんがいて。



    「何だ、もう知り合いなのかい?」



    チョンチョンチョン、と。


    ゲンさんが近付く。



    「あ、はい。」


    「今朝、知り合ったばかりですのよ」


    「そうかそうか。ハルカをみんなに紹介するぜ」



    するとゲンさんは高く飛び上がって。




    「おーい聞けや!新入社員を紹介するぜい!」




    し。
    新入社員?



    注目が集まる。




    「雑種のハルカだ!みんな仲良くしてやれよー!可哀想に事故で死んじまったらしい。因みにメスだ!盛ってるオスは狙わないよーに、」



    長くなりそうな挨拶に間髪入れずに、



    キーンと何かが飛んで…。



    「ぐはっ!!」



    フジさんの蹴りが、ゲンさんの脇の下辺りに。



    ヒット。



    “おおーっ!”



    盛り上がる観衆。



    「はーい、じゃあ今日は歓迎会ねー」



    フジさんは羽を揺らせながら、
    明るくアナウンス。




    「毎回、コレを見に来てるんですの。皆様。オホホホ。」



    シラトリさんが笑う。



    「はははは…」



    不思議な会だ…。




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■20704 / ResNo.57)  NO TITLE
□投稿者/ ニンニン 一般♪(1回)-(2008/03/04(Tue) 17:00:48)
    初めまして!この小説すごい面白いです。犬のハルカが幸せになると良いなぁ…


    (携帯)
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■20705 / ResNo.58)  ニンニンさん
□投稿者/ つちふまず ちょと常連(50回)-(2008/03/05(Wed) 08:24:37)
    はいどうも(^0^)
    初めまして!
    ハットリさんでしょうか(笑)

    ハルカちゃん幸せになれるんでしょうかね…。
    ううむ作者も心配です(無責任)

    “面白い”シンプルにそう思って頂ければ幸いです。

    またどうぞ!




    (携帯)
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■20706 / ResNo.59)  犬に願えば 35
□投稿者/ つちふまず ちょと常連(51回)-(2008/03/05(Wed) 08:35:08)
    会と言っても、
    酒が出る訳でも無く。


    ご馳走に舌鼓する訳でもないようで。
    (そりゃそうか)



    「えーそうなんだー」
    「アハハ!」



    世間話をみんなただしているだけ。



    まぁ─
    生物の食物連鎖の図形を壊すにしても、



    どういう過去があるにせよ。



    仲間が集まる事は、ささやかな慰めになるのかもしれないなと思った。



    「ハルカ様。…あの子です。いらっしゃいました。」



    シラトリさんが、
    闇の先を示す。



    「はい?」



    良く見えない…。



    「今朝話した、シズカ様です。」



    ん?



    目を凝らすと。



    木々の間に、
    小さな何かが。



    ジっとこちらを窺っていた。



    …………。



    んー…。



    良く見えないので、
    そっと近付く。



    シルエットが確実なものとなるまで時間はかからなかった。




    金色に覆われた毛に、愛くるしい瞳。



    極端に耳が小さいのは、品種のせいか。



    か、



    か!





    超可愛い………☆





    思わず駆け寄る。




    私が人間なら、自然と手を伸ばしたくなるなるような。




    完全に、子猫だ。




    私が近付いてもお座りの状態で。




    逃げようとはしない。




    「こんばんは。」




    挨拶をすると、




    「…………。」




    あれ。




    「ハルカです。…その、私来たばっかりで。」




    「…………。」




    無言…。




    ???




    「シズカさん、ですよね?」



    違うのかな?



    「…………。」



    ジっと瞑らな瞳が。
    全然動かない。



    「あのー…。」







    すると─







    「………ふん。たかが雑種に。」



    何が出来るの?




    と。




    小さな声。が。




    聞こえた。




    するとくるりときびすを返して。





    ゆっくりと足音を立てずに、




    シズカは去った。









    ……………あ、




    あのー…。






    パタパタ─




    「感じが悪いでしょう?大丈夫ですか?」



    ハルカ様、と。




    いつの間にか背後に立っていたシラトリさん。





    「たかが雑種…。」





    かぁ。はは…。






    可愛い猫だったなぁ…。






    まぁ確かに…。






    性格は最悪、


    みたいだけど。




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