ビアンエッセイ♪

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■20975 / ResNo.10)  10
  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(10回)-(2008/07/02(Wed) 17:49:27)


    〜〜♪〜♪


    翌朝、聞き慣れない着信音で目を覚ました。


    この音は…歩美だ。


    【おはようございます!昨日話してたお礼の件ですが、啓さんの自宅って何処らへんなんですか?】


    ああ、この人はマジで弁当作る気なんだ…。


    出会って間もない他人に住所を教えるなんて物騒だが、私の中で確かにまた会いたいと願っていることに気が付く。


    返信には住所を添えて、送信した。


    すぐにまた返信が。


    内容は、明日からお弁当を作り届けます!という気合いの入ったもので、私は笑ってしまった。


    君は、お弁当の宅配業者か?と。



    もちろん、その日の大学で、ミカにあの時の女性が明日から弁当を作りに来ることを知らせた。


    「なんか、すごい行動力の持ち主やね〜」


    『ほんまにな。まさか承諾するなんて思わなかったよ』


    「まぁいいんやない?食費も浮くだろうし」




    『そんな問題ちゃうから』


    「じゃあどんな問題よ?」


    ミカは急に真面目な顔をする。


    それはつまり…


    私が歩美を意識しているから、訪ねられるとなるとどう接して良いか分からない。


    なんて…言えるはずもない。


    不謹慎にも、あの日の事件がきっかけで知り合えた事に感謝さえしているのだから。


    『とにかく!困ってるんだから!』


    それでも、時間は流れていくし、誰も私の気持ちをせき止める人もいなかった。

    (携帯)
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■20976 / ResNo.11)  11
□投稿者/ Kaoru 一般♪(11回)-(2008/07/02(Wed) 17:51:42)


    翌日、歩美は何食わぬ顔で現れた。


    「おはようございます♪これお弁当です!」


    『おはよう…ありがと』

    寝間着姿の私は、ボサボサの髪の毛を後ろにかき上げ、お弁当を受け取る。


    『せっかく来たんだし、あがってよ?』


    「いえ、お構いなく♪仕事もありますし。それではまた明日伺います」


    そう言い残し、玄関に背を向けた。


    スーツに身を包んだ歩美は、また一段と綺麗だった。


    『はぁ〜。。』


    大学の講義は、はっきり言ってつまらない。


    想像とは違った内容なのもあるけど、教授の長ったらしい話し方が嫌いなのだ。


    「ため息ついて、例の彼女はお弁当くれたの?」

    『ええ…朝方に来て頂きましたよ。とびきりの笑顔と一緒に。』


    「素直なんだね〜、普通断るか冗談かと思うのにね」


    普通か…。


    ま、何はともあれ、弁当の中身が気になるんだが、まだ見ていないのだ。

    〜昼時〜


    「何かめっちゃわくわくするね〜」


    ミカが私の弁当を覗いて、開くのを今か今かと待ちわびている。


    『そう?』


    何てクールぶっていても、内心はドキドキしている。


    高校以来だ。手作り弁当なんて。


    正方形の弁当箱を開く。

    玉子ふりかけのかかったご飯に、卵焼き。


    タコさんウインナーに、ミートボール、スパゲッティ。


    うーん。。子供の弁当みたい。


    「……完全に啓のこと子供扱いだね(笑)」


    うるせーやい(T-T)


    『どんな弁当でも、作ってくれるだけありがたいの!いただきまーす!』

    「おいし?」


    『…うん、うまい!保育園思い出す!』


    「完全にガキぢゃーん」

    きっと、歩美が作ったからうまいって思えるんだと想う。


    例え、冷凍食品を詰めただけの弁当だとしても。

    私には、最高級の弁当だ。

    (携帯)
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■20977 / ResNo.12)  麒麟さんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(12回)-(2008/07/02(Wed) 17:53:25)

    感想ありがとうございます!

    すごい一年振りくらいに書いたので、下手くそですが、最後まで書きますのでよろしくお願いします。

    (携帯)
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■20986 / ResNo.13)  NO TITLE
□投稿者/ 麒麟 一般♪(2回)-(2008/07/09(Wed) 18:55:58)
    返事ありがとうございます。
    自分のペースで無理せず最後まで書いて下さったら嬉しいです。応援+楽しみにしています。

    (携帯)
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■20987 / ResNo.14)  NO TITLE
□投稿者/ 繝√ぅ 一般♪(1回)-(2008/07/09(Wed) 23:28:32)
    髱「逋ス縺・〒縺・*^_^*)
    邯壹″讌ス縺励∩縺ォ縺励※縺・∪縺呻シ・大シオ縺」縺ヲ縺上□縺輔>縺ュ笘・br>
    (携帯)
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■20988 / ResNo.15)  12
□投稿者/ Kaoru 一般♪(13回)-(2008/07/10(Thu) 11:11:06)


    その日の夜、歩美にお礼を言いたくてメールした。


    明日の朝に言えばいいのだろうけど、待っていられなかった。


    【今日はお弁当ありがとうございます。とてもおいしかったです。】


    送信後、すぐに返信が来た。


    【大したもの作れなくてすみません(汗)明日は腕によりをかけて作りますね?(笑)】


    そんな事言われたら期待しちゃうよ??



    って…何でこんなに楽しんでんだよ…


    報われないっつーの!!


    翌朝も、歩美は同じ時間に来てくれた。


    今度はちゃんと着替えて、支度は万端。


    「おはようございます♪これお弁当です。」


    『おはようございます!今日もお仕事ですよね?』


    「…はい、今から出勤です♪」


    『じゃあ、話したい事もあるから…会社まで送るよ!大学昼からだし!』

    私は歩美の返事も聴かずに、部屋の鍵を閉め、車の鍵を握った。



    歩美は仕方なく、というか成り行きで車に乗り込み、不安気に私を見てきた。


    「悪いですよ…ガソリンも高いですし。私降ります」


    『気にしないで下さい!というか乗ってて下さい。』


    しばしの無言が続いた後、車は出発し歩美のナビで会社まで走り出した。

    『歩美さんって、何の仕事してるんですか?』


    「普通にOLですよ♪」


    『歩美さんは何歳ですか?』


    「23歳です。啓さんより二つお姉さんですね」


    それから私は時間が許される限り、歩美に質問した。


    歩美は、邦楽より洋楽派で、趣味は旅行。
    彼氏は居なくて、一人暮らし。


    そして、今現在トラウマがある。


    「やっぱり、夜一人は怖いですけど…大丈夫です。こないだ居た子たちが送ってくれたりしてくれますから」


    『そっか…早く忘れられたらいいんすけどね。次、左?』


    「あ、うん。左曲がってまっすぐ行ったら会社見えます。忘れられるように頑張ります」


    そう意気込んだ歩美の目はやっばり切なげだった。

    (携帯)
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■20989 / ResNo.16)  13
□投稿者/ Kaoru 一般♪(14回)-(2008/07/10(Thu) 19:02:54)


    『歩美さん……今度二人でご飯行きませんか?』

    「えっ?」


    『無理にとは言いませんけど…私、歩美さんと仲良くしたいなぁって。』

    「あぁ、はい。いいですよ?是非行きましょう♪」


    歩美は先ほどの表情とは違って穏やかな笑顔だった。


    ―ドクン


    心臓が一つ脈を打ち、私の心に暖かいものが流れ込む。


    ―私、本気で歩美が好き


    そう確信した時、車は会社に到着し歩美はまたね、と言い降りて言った。

    助手席から感じる僅かな温もりが切なくもあり、嬉しくもあった。



    大学に着く頃には昼食時で、カフェテリアは大学生で賑わっていた。


    ミカは、多分他の友達と食べているんだろう。


    私は、食堂の方に向かい空いている席に腰を落とした。


    歩美が作ってくれたお弁当。気合いが入っているらしいから、何だか昨日よりもドキドキする。


    包みを広げ、箸を取り出す。お弁当の蓋を開けると、そこには可愛らしいオムライスが顔を覗かせた。


    「かっわいー♪」


    うん。確かに。ケチャップはハートマークにかけられていたりする辺り…。


    『って…へ?』


    「相席してもいい?どこも混んでてさぁ」


    見かけない顔に戸惑いながら首を縦に振る。


    女は、ものっすごい笑顔で私を見ている。


    「顔に似合わず可愛らしい弁当やんな?ニシシ」

    『なっ!違うから!これ私が作ったわけじゃ…』

    「そうなん?じゃあママとか??」


    『違う。知り合い』


    「ふーん…少女趣味なんやねぇ〜その人。ケチャップハートとか」


    そしてまたニシシと笑う。


    赤髪のショートカットに、茶色の大きな瞳。笑うと見える八重歯。


    一般人オーラがあまり無い。むしろ一歩下がりたいくらいのオーラを持っている。


    そして人なつっこい、この絡み方。


    正直苦手だ…。

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■20990 / ResNo.17)  14
□投稿者/ Kaoru 一般♪(15回)-(2008/07/10(Thu) 19:05:05)


    「あ、名前聞いてなかった!あたしは松音(まつね)茜。貴女は?」


    『えっと、谷原啓です。デザイン科一年です。』

    「あたしは音楽科二年だよ〜♪これも何かの縁だし仲良くしてね〜」


    ニコニコと笑いながら、食堂一番人気のカツカレーを頬張り始めた。


    オムライスの味は正直分からなかった。


    ―松音茜。


    謎だらけな人だった。


    「ほな、またね〜♪」


    片手にお盆を持ち左手を大きく振っていた。


    恥ずかしくないのか?


    周りは松音茜を見ている。が、しらけた雰囲気ではなく、どこか熱い眼差しだったり黄色い声が耳を掠める。



    「えぇぇーー!!!!」

    午後の講義は、各自自主制作に取りかかるもので先生はおらず、生徒同士が仲良くデザイン画を書いていた。


    そして、ミカの雄叫びが教室に広がっている。


    『何でそんなに驚くんだよ?』


    先ほどの食堂での出来事を話すとミカはなせか興奮していた。


    「あんた!知らないの!?松音茜って言ったら実力派シンガーだよ?」


    『あぁ音楽科だもんね』

    「インディーズチャートでは常に首位をキープしてて、この学校の売りでもある人物なんだから!マジ羨ましい〜」


    そんなにすごい人だったんだ。私は音楽は興味のある歌手しか聴かない為そういうのにはうとい。

    ミカはミーハーで、音楽オタクと言った感じだ。

    「何でサインもらわなかったのぉ〜(泣)」


    『んなこと言われても…今知ったんだし無理だろ??』


    ミカは悔しげに私を睨み、しぶしぶデザイン画に取りかかった。



    『あ、今度歩美さんとご飯行く約束したわ』


    「…良かったじゃん」


    『まだ拗ねてんの?』


    「…サイン欲しい…」


    『あー…はいはい。じゃあ明日また食堂で会ったら頼みますよ』


    「やったー♪約束だよ〜」


    ま、どうせそんな毎日会わないだろうけど。


    心の中で、呟きながらデザイン画に意識を集中した。

    (携帯)
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■20991 / ResNo.18)  NO TITLE
□投稿者/ あか 一般♪(1回)-(2008/07/11(Fri) 07:00:26)
    めっちゃ面白いです(^∀^)ノ続き楽しみにしてます☆

    (携帯)
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■20992 / ResNo.19)  あかさんへ
□投稿者/ kaoru 一般♪(1回)-(2008/07/11(Fri) 16:48:17)
    お褒めの言葉嬉しいです。少しずつですが更新頑張ります★

    (携帯)
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