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しばらくの沈黙。 この世の時間が全て止まったみたいに思えた。
「…なんて言ったらいいのか分からないけれど…女の子に告白されたことないから、正直どうしていいか分からない」
『私が勝手に好きなだけだから…もしこんな風に恋愛対象として見られるのが嫌だったら、私は歩美さんの前から消えます』
「啓…嫌ではないよ。男女関係なく、人に好かれる事は嬉しい事だし。それに啓が居なくなるのは悲しいよ」
歩美の気持ちは痛いほど伝わる。 だから余計辛いよ。。 歩美はもう本当の笑顔見せてくれないかもしれない。
『すいません。困らせて。この話は辞めにしましょう。せっかくお風呂沸かしたんですから入りましょう。』
「うん…啓?もしあたしが啓を好きだと言ったら貴方は信じる?」
『え?』
「この気持ちが恋かはまだ分からない。でも啓が落ち込む顔は見たくない。思わせぶりな言葉かもしれないけど、これが私の気持ち」
『そっか。。気を使わせてごめんなさい。その言葉すごい嬉しい』
私は無意識の内に歩美を抱きしめていた。
暖かい温もりと柔らかい香水の匂いが、私を包む。
「啓…」
『焦らず頑張るから…今はこうさせて』
どれだけ抱きしめただろうか。歩美は先にお風呂に入り、その後私も入った。
ベッドに二人入り手を繋いでその晩は幸せな眠りに入った。
(携帯)
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