ビアンエッセイ♪

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■21025 / ResNo.30)  24
  
□投稿者/ kaoru 一般♪(2回)-(2008/07/29(Tue) 13:29:09)


    しばらくの沈黙。
    この世の時間が全て止まったみたいに思えた。


    「…なんて言ったらいいのか分からないけれど…女の子に告白されたことないから、正直どうしていいか分からない」


    『私が勝手に好きなだけだから…もしこんな風に恋愛対象として見られるのが嫌だったら、私は歩美さんの前から消えます』

    「啓…嫌ではないよ。男女関係なく、人に好かれる事は嬉しい事だし。それに啓が居なくなるのは悲しいよ」


    歩美の気持ちは痛いほど伝わる。
    だから余計辛いよ。。
    歩美はもう本当の笑顔見せてくれないかもしれない。


    『すいません。困らせて。この話は辞めにしましょう。せっかくお風呂沸かしたんですから入りましょう。』


    「うん…啓?もしあたしが啓を好きだと言ったら貴方は信じる?」


    『え?』


    「この気持ちが恋かはまだ分からない。でも啓が落ち込む顔は見たくない。思わせぶりな言葉かもしれないけど、これが私の気持ち」


    『そっか。。気を使わせてごめんなさい。その言葉すごい嬉しい』


    私は無意識の内に歩美を抱きしめていた。


    暖かい温もりと柔らかい香水の匂いが、私を包む。


    「啓…」


    『焦らず頑張るから…今はこうさせて』


    どれだけ抱きしめただろうか。歩美は先にお風呂に入り、その後私も入った。


    ベッドに二人入り手を繋いでその晩は幸せな眠りに入った。

    (携帯)
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■21026 / ResNo.31)  けいさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(25回)-(2008/07/29(Tue) 15:40:50)


    コメントありがとうございます。更新停滞気味ですが、もう少し頑張りますので、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。

    (携帯)
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■21027 / ResNo.32)  25
□投稿者/ Kaoru 一般♪(26回)-(2008/07/29(Tue) 15:51:59)


    翌朝、いつもより太陽は明るさを増し、朝から暑い風が吹いていた。


    歩美は未だベッドの中で眠っていて、私は窓辺でコーヒーを飲んでいた。


    昨日の夜にたくさんの出来事があった。


    澄人と茜に会い、歩美にはその場を見せてしまったし、歩美には勢いで告ってしまう。


    頭が追いつかないや。


    私はこれからも、歩美の傍に居ていいのだろうか?


    焦らず頑張るとは言ったが、具体的にどうしたらいいんだろうか。


    「…ん…け…ぃ…」


    どうやら歩美が起きたらしく、私を呼んでいた。


    バスローブが乱れていて、今にも綺麗な体が見えてしまいそうで、思わず唾を飲んだ。


    『おはよう、歩美さん』


    興奮する体を押さえ、私はゆっくり歩美の隣に腰を落とし、歩美の頭をなでる。


    「くすぐったぃ。」


    眠たそうな声で、身をよじる彼女にたまらなく欲情しそうで。

    『可愛いのって罪ですね』


    なんて、臭い台詞を吐いてしまった。。


    「恥ずかしいじゃん、バカ」


    歩美が笑う。手が私の腕に絡む。きっと触れられる距離に居れる事が私の幸せ。


    焦らずに、いつか貴方が振り向いてくれるまで。


    私は貴方に愛を与え続けたい。

    ―手作りで、不器用だけど。


    いつか受け取ってもらえると信じて…。



    fin.

    (携帯)
完結!
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■21029 / ResNo.33)  良かったです。
□投稿者/ S 一般♪(1回)-(2008/07/31(Thu) 19:58:52)
    ずっと続きを楽しみに待っていました。なので、こんなに早い完結してしまい、ちょっと寂しいです。。

    続編が読みたいと思うのは贅沢でしょうか?
    kaoruさんの意向次第ですから無理強いはしませんが、考えて貰えたら嬉しいです(^-^)

    (携帯)
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■21030 / ResNo.34)  Sさんへ
□投稿者/ Kaoru 一般♪(27回)-(2008/07/31(Thu) 20:56:48)


    嬉しいコメントありがとうございます(^-^)/


    早めに完結したのは、やはり更新が遅いせいで、お待たせしてしまう事に申し訳なさを感じ、キリがいい所で終わせました。

    続編を望んで下さる事に大変感謝しています。


    続編を考えて見ますので、また出来たらUPさせて頂きます。


    歩美と啓が付き合えるか否か。

    悩みどころですが、焦らずに書かせて頂きます(笑)


    ありがとうございます。

    (携帯)
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■21034 / ResNo.35)  待ってます。
□投稿者/ S 一般♪(2回)-(2008/08/02(Sat) 21:59:15)
    書き手さんも大変なんでしょうけど、なかなか最後まで続かないお話が多いので、完結まで書いて下さる意志さえあればいつまでも待ってます(笑)。

    2人が付き合えるかどうか。
    う〜ん、実際問題でも難しい事ですから、この2人が動き出す方で構わないかと。物語的にはハッピーエンドに向かって欲しいですけどね。…なんて、差し出がましかったですね(^^ゞ

    ではでは、お待ちしてます。

    (携帯)
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■21037 / ResNo.36)  手作りの愛を君に2
□投稿者/ Kaoru 一般♪(28回)-(2008/08/06(Wed) 15:43:50)
    2008/08/06(Wed) 15:53:04 編集(投稿者)


    こんな風に誰かに思われる事は幸せな事だと思う。


    あたしを好きで居てくれて…思いを伝えてくれて。


    その全てを受け止めてあげたいと思う。


    その上で、あたしの気持ちを伝えて、結果良くても悪くても、その人の言葉を受け止めなくちゃ。

    だって、勇気を持って告白してくれたんだから。


    でも、今回は少し違う。


    告白してくれたのは、友達になれた恩人。


    そして…同性だった。



    OLをして、早3年。
    最初こそ、慣れない事ばかりで大変だった仕事も今じゃ部下を持ち、指導する立場になっていた。


    「早川さーん♪お昼行きませんかぁ?」


    後輩の恭子が、ブランドの財布を持って近づいてきた。


    『今日はどこいこっかぁ〜』


    パスタもいいし〜和食もいいよね〜♪


    なんて、楽しく会話をしていた。


    結局、オムライスがおいしいと評判の店を選んだ。


    「早川さんってー彼氏とか居ないんですかー?」


    『残念ながら居ないなぁ〜』


    「めっちゃ意外ですね!でもモテるでしょ?」


    『そんな事ないよ〜普通だよ』

    何人かには告られた事はあった。でも、それでモテてるとかは思わない。


    皆あたしの中身なんて見ようとしなかった。


    本当の恋を知らなかった。


    きっと学生の時の方が純粋な恋をしていたんだと思う。


    変わらない毎日、流れゆく時間。私は同じ時間、同じ場所で同じ事を繰り返す。


    そんなつまらない生活は嫌だった。


    でも、そんな日常を壊したのは、私の望んだ人ではなかった。

    (携帯)
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■21038 / ResNo.37)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(29回)-(2008/08/06(Wed) 15:45:42)


    雨の強い午後、残業続きの毎日で、この日も午後7時まで会社に残っていた。


    帰るのが億劫だけど、早くシャワーを浴びたい。


    仕事を切り上げ、身支度をした。


    外はまだ土砂降り。
    傘のない私は駆け足で帰る。


    会社から自宅までそう遠くはない。


    雨足は一向に弱まらず、神経をすべて雨に向けていたせいで、その存在に気づけなかった―


    ―あっと言う間の出来事。


    川沿いを走っていた私の後ろにその男は立っていたのだ。


    背中に感じる強い押された感触。地面に体を叩きつけられたせいで、擦りむき、痛みが後からやってくる。


    見下ろした男は私の腕をひっぱり、橋の下まで引きずる。


    怖い。。誰?


    …何をするの?


    男は段ボールの敷かれた場所に私を引きずり、馬乗りになってきた。


    『嫌…やめて!!』


    それでも男は私のスーツを脱がす手を止めない。


    『いやっ!!いやっ!!』


    湿気臭い匂い、土のざらつき、男の息づかい。


    その全てが気持ち悪い。。


    誰か…タスケテ……


    「おい!何してんだよ」


    「あぁ?邪魔すんなや」


    「嫌がってるやろ?警察呼ぶで?」


    「呼ぶなら呼べや!」


    誰かが私を助けてくれている?

    恐怖と絶望に打ちひしがれたあたしにとって、それはまさに天の声。


    「ほら!警察来るよ?早く離れて!」


    男の掴む力が弱まるのが分かる。今しかない…。


    あたしは、全力で男を蹴り上げ、助けてくれた人の方へ駆け出す。


    あたしより少し高めの身長に低めの声。


    一見、男性かと思ったが体つきで女性だと確信した。


    同じ女なのに…彼女は強かった。いつもそうやって立ち向かってきたかのように。


    男はさっきの蹴りが効いたのか、立ち去っていった。


    その瞬間、安堵と再び蘇る恐怖に震えと涙が止まらなかった。

    『大丈夫…ですか?』


    「……ありがとう…ございます」


    この一言が今は精一杯で、助けてくれた彼女の背中で泣いた。

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■21039 / ResNo.38)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(30回)-(2008/08/06(Wed) 15:48:20)


    「もう、夜歩けそう?」


    あのホテルの日以来、あたしと啓は週一回晩ご飯を共にする。

    外食ばかりの啓が心配で、あたしの家で手料理を振る舞う。


    本当は毎日でも作りたいけれど、啓は悪いからと言って断られた。


    この日も、啓はあたしの住むマンションに来ていた。


    『もう大丈夫よ♪あの日以来、防犯ブザーとか持ち歩いてるんだから』


    「そっか…ならええんやけど」

    そう言ってる啓はまだ心配なのか顔を曇らせていた。


    「私の知り合いの彼氏だからって事で許せるような事じゃないけど、権力者の父親がバックに居る以上、アイツはまた繰り返すよ」


    あの日、逃げ出した二人は警察に捕まった。


    が、松音茜の父親が警察に関わっており、500万の示談金を持って、後日あたしの前に現れた。


    『お金も受け取らなかったし、これ以上あたしに危害は加えないと約束もしたわ。だから大丈夫よ』


    不安はあるけど、今はそう願いたかった。


    「…まぁもしまた何かしそうになったら、私が絶対守るから」

    強みを帯びた目が鋭く床を睨みつけていた。


    優しい啓の、そんな目は見たくない。


    あの日と答えは未だ変わらず、ただ啓の悲しい顔が見たくないと思えた事。


    それが、今出せる私の答え。

    (携帯)
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■21040 / ResNo.39)  
□投稿者/ Kaoru 一般♪(31回)-(2008/08/06(Wed) 15:50:50)


    「歩美〜?最近悩んでる?」


    『えっ?』


    同僚のミサトが顔を覗く。


    「毎日仕事なんて手につかないくらい悩んでる顔してんで?何かあった?」


    気づかない内に顔に出ているのかな?


    悩みのワケはもちろん啓からの告白。


    あたしは、このまま仲良くしていていいのだろうか?


    啓の気持ちに応えてあげれるのか分からないのに。


    傍に居ていいのかな?


    仕事を定時に上がり、ミサトといつもの居酒屋へ行く事になった。


    今日は啓がバイト休みなのを知っている為、バイト先で飲む事にした。


    啓と知り合う前からよく行っていた行き着けの居酒屋に着くと、生ビールを注文した。


    『「かんぱーい」』


    半分程を一気に飲み干す。


    「それで!このミサトさんが聴いてあげようじゃないか!」


    『あのね…言いにくいんだけどさぁ』


    あたしは、啓に告白された事や、レイプ未遂にあったことを包み隠さず話した。


    今だから言えるあの日の事。


    ミサトは黙って頷き聴いてくれた。


    「そっかぁ…ツラい思いしてたんだ…知らなかったよ」


    しんみりムードになってきたのであたしはあえて明るく相談を持ちかけた。


    『それでさ!ミサトだったらどうする??女の子に告られたらさ!』


    「うーん…あたしも未経験だから分からないけどさ…」


    唸るミサトを黙って見ていた。ほかの人の意見が欲しかったから。


    「同性と付き合ってもさ、未来ないじゃん?うちらもいい年だし結婚とか考えちゃうし。子供も出来ないし周りの目もあるし〜…あたしはないかな〜」


    その意見は、あたしが目を伏せて居た現実。


    啓はあたしを助けてくれた恩人。その人の気持ちを簡単に捨てる事は出来なかった。


    「恩人ってのが引っかかってるんでしょ?」


    ミサトは図星を突く。


    『何で分かるの?』


    「ダテに同僚してないぞ?^^ていうか、それを負い目に感じて付き合うってなるのは啓さんにも悪いよ!歩美のほんまの気持ちを啓さんにぶつけなきゃ」

    『あたしは、笑っていて欲しいの。啓の苦しんだり悲しんだりする顔見たくないんだよね。』

    「だからって付き合う気もないでしょ?余計ツラいって」


    やっぱそうなのかな。。


    悩みは解決出来ぬまま、おひらきになり、そのまま帰宅した。

    あたしは、どうしたらいいんだろう??


    友達じゃ駄目なのかな??


    今の関係じゃツラいだけなのかな??


    夜通し考えても答えは出て来なかった。

    (携帯)
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