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「じゃあ〜、とりあえず二人一組になって〜?」
ミサトがみんなに言うと、友里・彩ペア。ミサト・歩美ペア。 啓・未央ペアという事になった。
「コースは、この山道をただひたすら登るだけ。途中で行き止まりだから、Uターンして終わりね。」
その後、行く順番を決め、あたしとミサトは最後から二番目になった。
「あたしらは最後みたいです〜♪」
どうやら、未央と啓が最後みたいだ。
「あ、ちなみにあたしはUターン地点でみんなが無事たどり着いたか見張る役だから、歩美!一人で回ってね♪」
『えぇ!?ミサト居ないの?』
「怖くないから大丈夫よ♪」
そんな………泣
「歩美先輩♪頑張って下さいねぇ〜?」
未央のその一言で、あたしの心に火がついた。
やってやろうじゃない!
「歩美、気をつけてね?怖かったら無理しなくていいんだからね」
啓は優しくあたしの頭を撫でる。心配してくれている。
『大丈夫よ…何ともないんだから♪』
内心はドキドキで、ぶっちゃけ逃げ出したかった。
でも、未央にあんなにバカにされたら。。
やるしかない!!
順番は刻一刻と迫り、あと一組出発したらあたしの番だった。
「あ、啓さん?あたしトイレ行ってきますね?怖くなって来ちゃって。」
「うん、気をつけて?」
未央は小走りに、トイレがある方へ向かっていった。
「歩美、ふるえてない?」
『え??』
「やっば怖いんじゃん´`」
『怖くないって!』
「でも、足…」
啓に指を指されたあたしの足は生まれたてのバンビのように震えていた。
『これは…恐怖じゃなくて…その…』
「歩美負けず嫌いだったんだね?意外だな♪」
啓は私の体をギュッと抱きしめ、また頭を撫でる。
「この山は、別に心霊スポットでもなんでもないよ?普段は山菜とかを採りに来るふつうの山だから。何も出ないよ」
そうして、あたしの体をさすった。
「あ、帰ってきた。歩美の番だよ?無理しないでね。」
ポンっと背中を押され、あたしは体が軽くなった気がした。
『ありがと!!』
よっしゃー!! 幽霊なんて怖くない!!
どっからでもかかってこーい!
……いや、出来るなら会わないで(泣)
(携帯)
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