| 「あ゛ーかったるー」
夕方の秋空は、窓辺にいるれいなにはちょっとキツイ。 秋と言っても9月の後半過ぎたばかりだったから、 夏の残り火が、不健康なれいなの青白い腕をジリジリと照りつけてくる。
「どぉして、れいなが補習なんか受けんといかんとぉ?…一時間目の授業はちゃんと出たやんかぁ …だだでさえ枝毛増えてブルー入っとーとに、今日だって友達とカラオケ行く約束ばしとったとに…あ゛ー安倍センめぇっ」
椅子に座ったまま机から離れ、ヨレヨレになった上履きとともに足を机に乗せると、盛大なため息をつく。
…けど、いつからだろ? 隣のクラスからの数人の騒ぎ声が聞こえなくなってて、校庭からは部員たちが「おつかれさまでしたぁ」と、部活の終わりを告げる声がするようになった。
そして静かになる校内…。
周りを見回しても誰もいない。 幸い、センセー職員会議でいないし れいなが帰った所で、あのセンコー気にも止めないだろうし…
…
そぉー…っとカバンに手を伸ばす。
よし、いける!
そう思った時…
ウヘヘ・・・ウヘヘヘ・・・・
!!
|