| サイは希の手を取ったまま立ち上がり、片手で腰を抱き寄せキスをした。 ねっとりとした長いキスが終わると、取ったままの手を引き寄せ、ベッドへ導く。 「シャワーは浴びないの?」希が聞いた。 「もう部屋にいたときに浴びてるでしょう。省きましょう。」 さっきまでの喧嘩腰の口調とは違い、完全に希をお客として扱っている。 ほのかに香る、ボディーソープの香りを、準備万端の合図のように察知され、希は少し恥ずかしくなった。
ベッドに腰掛けた希の前に跪き、サイはゆっくりと希のブラウスのボタンを外す。 スカートは脱がさずに、ストッキングだけを器用に剥ぎ取った。
「どうしてスカートはそのままなの?」 メモでもしそうな勢いで、希は質問する。 「普段から明るいところでお客に足開いてるアンタには、少し変わった方がいいかと思って。」 いちいち質問され、少しイラついてサイが答えた。 その答えにむっとしながらも、希は続けた。 「へえ。初めてのお客さんでも、どんなやり方がいいか分かるんだぁ。」 サイは小ばかにしたような希の言葉を無視して、スカートの中に手を入れた。
手探りで内腿から足の付け根に指を這わせる。 希も黙って、指の行方を追う様に下を向くと、サイと目が合った。 サイは黙って希をまっすぐに見つめ返し、指で探る。 指先がヘアを掻き分け、突起を捕らえると、ヒダをなぞり始めた。
触るか触らないかの距離感を保ち、ヒダの外側から内側までを念入りになぞる。 そのうちに、希はモゾモゾし始めた。 「どうして黙ったままなの?」 「・・・・・・」 「いつもこういうパターン?」 「・・・・・・」 サイは尚も黙って見つめたまま、指先だけを蛇のように這わせている。 「な・・・にか言いなさいよ・・・。私お客なのよ・・・!」
クチュッ
サイの代わりに『希』が答えた。
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