| 次の日、腫れぼったい目のまま学校に行った。 昨日の夜に、結局泣きながら眠ったため、朝起きたら目が腫れてしまっていた。 冷やしてみたけど、腫れた目は治らなかったんだ・・・・・。
「・・・・・どうしたの、その腫れてる目」
教室に着いて席に座ると、いつも早くから来ている瑠貴が驚いて言った。 そんなには腫れてないと思うんだけど・・・・・。
「ん・・・ちょっと、ね?」
曖昧に笑って見せると、瑠貴はふぅーんと少々不満そうな顔をしていたが、それ以上は突っ込まなかった。 そこが瑠貴のいいところ、必要以上踏み込んでこない。
それから美幸や安奈、未来にも聞かれて、みんな同じように答えて、みんな同じような反応をした。
そして、あっという間に放課後。 今日は気がついたら終礼は終わって、みんな部活や家へと向かっている状態だった。
私は部活はやれるような状態じゃないから、ちょっと熱っぽいなんて普段はつかない嘘をついて部活を休んで、さっさと帰る準備をした。
靴を履いてとぼとぼと外へ出ると、驚く人に出会った。 あの校門のところにいるのは・・・・・。
明日河先輩だ・・・隣にはクラスメイトなのかファンなのか、高い位置で結んだ茶色っぽいツインテールの女の子。 そしてもう1人、赤髪のボーイッシュな女の子。色気がすごく、でもカッコよくて綺麗だ。
「あれ?夏衣?今日は部活は?」
明日河先輩にそう聞かれると、胸が痛む。 まさか明日河先輩のせいで休んだんですよ、なんて口が裂けても、死んでも言えないから・・・。
「実は用事があって・・・あの、そちらの方は・・・・・?」
なんて小声で言っちゃった。もうー!素直じゃない私に私が悲しくなる(泣)
「ああ、この子?僕のクラスメイトの岸澤紅矢。前生徒会長だよ」
明日河先輩がそういうと、赤髪の先輩がどうも、と片手を挙げる。 私は軽くぺこりと頭を下げた。
「んで、こっちのツインテールは隣のクラスの神崎美玖、生徒会の書記だった人ね」
「こんにちはっ♪初めましてだよね?」
こっちは気さくそうな先輩で、よろしくって言いつつ右手を差し出してきた。 私も左手を差し出して握手をする。
「よかったらさ、一緒に帰らないかな。君とお話したいんだ」
いいよね?と2人にうん、としか言わせないような雰囲気で聞いた。 当然2人も頷く。
私はさっきまでの気分が嘘だったかのように晴れて、初めて明日河先輩達と帰る事となった。
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