ビアンエッセイ♪

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■21551 / 親記事)  大切なひと
  
□投稿者/ 美雨 一般♪(1回)-(2012/06/18(Mon) 17:08:57)
     大切なひと No1  診察室に入ってから、彼女は背筋を伸ばして座った姿勢のまま、両手を膝にのせてうつむいたままだ。私の質問にも母親がほとんど答えている。美しい母娘で互いによく似ている。母親は20代の娘がいるとは思えないほど若く見え上品なスーツ姿だ。娘は白っぽいシャツにジーンズという、いでたちで母親の横では地味できゃしゃに見える。化粧をしていない白い肌が目立つ。
     亡くなった父が始めた産科医院を私が引き継いでから5年がたつ。当初はお産も取り扱っていたが、医療事故のリスクや応援の医師を雇うことが困難なこともあり1年ほどで撤退した。産婦人科からレディズクリニックと看板を替えてからのほうが経営も安定しているし自由に使える時間が増えた。大学病院に勤務していた頃は女性であることにハンディを感じる事が多かったが女医による診察を希望する患者が多く、開業医になってからは有利になった。
     診察前に書いてもらった問診表によると、彼女は木村彩、22歳、で受診理由には生理不順とあった。出産回数を尋ねる質問には0回と書かれていたが性体験を尋ねる質問に答えはなかった。音楽大学でピアノを専攻している彩は、大事なコンクールの当日に生理が始まり痛みと緊張感で気分が悪くなった。思い通りの演奏ができず、周囲から確実の思われていた入賞を逃した。その後3か月生理がなく体調不良が続いているという。以前から生理痛がひどく母親が婦人科受診を勧めていたが羞恥心から拒み続けていた。今回母親が半ば強制的に受診させたらしい。
     「妊娠の可能性はないですか?」彩に尋ねると、はにかんだ声で「ありません」と答えた。母親が苦笑しながら「絶対にないと思います」と口をはさんだ。「何というのかしら、そういう可能性とか、男の人との関わりが全然ない、というのも親として逆に心配なんです。もう22歳なんだし少しはそういう話があってもいいのに。実はその理由に心当たりがあって、それも今日連れてきた訳のひとつで...」「ママ、言わないで、お願い」彩が小さな声のまま遮った。顔が赤くなり泣き出しそうな表情になっている。「これから先はお嬢さんとだけでお話と診察をさせてもらったほうがいいと思います。」気分を害されないよう、申し訳なさそうな口調で母親に退室を促した。「お母様にもあまり知られたくない事とか、いろいろデリケートな問題があるかもしれませんし。実の母親だからかえって恥ずかしがる若い娘が多いんですよ。」母親は気分を悪くした素振りをみせずに立ち上がり、「そうですね。ではよろしくお願い致します。」と深々と頭を下げ、診察室を出ていった。ほのかな香水の香りが残り、診察室には私と彩、看護師の美紀だけになった。美紀は父の代から勤務している看護師で私の大切なパートナーになって5年がたつ。今年30歳になるが年齢を重ねるほどに魅力的になっているように思える。患者に優しく、いつも笑顔をたやさない。今も心配そうに彩の顔を覗き込み、「リラックスしてくださいね。先生は優しいから大丈夫ですよ」と話かけている。

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■21552 / ResNo.1)  大切なひと 2
□投稿者/ 美雨 一般♪(2回)-(2012/06/21(Thu) 16:14:34)
    彩は少し微笑んでみせた。「ありがとうございます。気を遣っていただいて。婦人科に来るのが初めてで自分でも情けないほど緊張してしまって。」母親のような華やかさはないが、美しく優しい顔をした娘だと思う。長い髪をポニーテールにして姿勢よく座っている。線が細く肩や背中のラインがきゃしゃに見えるが、白い肌はつややかで不健康な印象は受けない。美紀も眩しそうな目で彩を見ている。生理がなくなった事を心配した親が拒食症の娘を連れてくる事がよくあるが、彼女たちのもつ不健康な雰囲気はなかった。ただ寂しそうな、悲しげな瞳をしていると感じた。問診を再開すると彩は質問に小さな声でだが、丁寧にはっきりと答えてくれた。今までも生理不順はあったが3カ月もないのはこれが初めてで、軽い下腹部痛もある事、動悸や胸部の圧迫感などいろいろな症状が出てほとんど外出もできなくなっている事、などをこちらの目を見て話してくれた。「生理がなくなるのにはいろんな原因があるの。婦人科の病気だけが原因じゃないのね。月経は体にとって負担になる生理現象なので体調が悪くなると生理を止めるという体の防御反応がおきると考えてもいい。内科の病気や精神的なストレスが原因で生理がなくなっちゃう事も多いのよね。だから婦人科の診察だけじゃなくて内科の診察とか心療内科のカウンセリングもさせてもらいますね」こう説明すると彩は頷いて「よろしくお願いします」と言ってくれた。緊張していて、羞恥心も強そうな様子なので婦人科の診察は後回しにして、初診日の今日は内科の診察と採血だけをすることにした。婦人科の診察を今日はしない事を告げると、彩は明らかに緊張感を解き、そのあとで申し訳なさそうに「いろいろ気を遣っていただいてありがとうございます。もう大人なのに婦人科の診察を受けると考えただけで、昨日は眠れなかったんです。自分でも情けないぐらい気が弱くて。ごめんなさい。」と頭を下げた。美紀がいつもの笑顔で、彩の肩に手を置き説明してくれた。「ここは女性が女性を診るクリニックで、患者さんの嫌がる事はしないのが先生の方針なの。相談しながら診察や検査をしてくから安心してくださいね。あとお話をよく訊かせてもらうことも大事なの。お話、しにくいこともあると思うけど、できるだけ正直に教えてくださいね。では今から内科の診察と採血をさせてもらうので案内しますね。」そう言うと美紀は彩を診察室の隅にあるカーテンで囲まれた更衣スペースに導いた。「ここで上半身裸になってください。ブラジャーもとってね。バスタオルが置いてあるのでそれを使ってくれていいから。大丈夫?」「はい」とまた少し緊張した表情になり彩がカーテンの中に入った。しばらくして彩がバスタオルを胸に抱いて出てきた。私の前の椅子に座ると美紀が彩の後ろに立ち、「失礼しますね」といってバスタオルを胸から離し肩にのせた。白い乳房が露わになった。私の手にすっぽりと入るぐらいの大きさで、少しとがったきれいな形をしている。乳首はうすいピンク色で斜め上に向いている。彩が呼吸するのに合わせて乳房も前後に不安げに動いている。普段通りに診察を始めた。眼瞼結膜に貧血や黄疸はなく頚部のリンパ節腫大もない。甲状腺の腫大もない。聴診器を胸に当てると痩せているせいか心音が大きく聞こえる。心雑音や不整脈はないが心拍がかなり早くなっている。背中を向いてもらい深呼吸をしてもらう。呼吸音もきれいで問題はない。背中の白い肌に産毛が少しはえている。続いて腹部の触診のためベッドに移動してもらった。両手を胸にあてたままベッドに移った彩に美紀が「あおむけになって、膝を少し曲げて、おなかを楽にしてください。手は体の横においといてね。」と説明する。あおむけになっても乳房はきれいな形のままで呼吸とともに上下に動いている。上腹部に手をあてる。やわらかくて温かい。筋肉はあまり発達していないし脂肪もうすいが肌はつやつやと張っていて、白いが健康的だ。しこりはなく肝臓も腫大していない。下腹部痛があるというので触診の手を上から下へゆっくりと移動させる。ジーンズのベルトをゆるめ手を中に入れようとした時、彩が小さな悲鳴をあげた。手をとめて彩を見るとまた泣きそうな顔になっている。美紀が心配そうに声をかけた。「大丈夫?先生はおなかを触るだけだから力を抜いて楽にしてくださいね。優しい先生だから安心して」「ごめんなさい。私...」彩がなにかを言いかけたが、私はそれを制して今日の診察は終了することにした。「こちらこそごめんなさい。いきなり大事なところに手があたって嫌な思いをさせてしまったみたい。今日はもう終了しますね。でも次はきちんと診察させてもらわないといけないので、がんばってね」彩は「すいません。」と頭を下げると美紀から渡されたバスタオルで胸をおさえ更衣スペースのカーテンの中に入っていった。今の気持ちで診察を続けるのは難しかった。胸が苦しくなり手が震えそうになっていた。更衣スペースの前で彩の着替えを待っている美紀に近づいて、いきなり彼女の手を握りしめた。少し驚いた顔をしただけで、美紀は手を握り返してくれる。いつものように温かく優しい手。美紀の体温を感じることで落ち着くことができた。私は彩の母が祥子だとようやく気が付いて自分でも情けないぐらいに動揺していた。なぜすぐに気が付かなかったのだろう。私が祥子と過ごした夏からもう20年と少しの時間が流れてしまっている。祥子は今も美しい。スタイル抜群で生き生きとし、男女を問わず人を引き付ける魅力があるようにみえる。でも20年前私が見つめていた祥子は少し違っていた。だからはじめは分からなかった。きれいで魅力的な年上の女性としか思わなかった。それが彩の裸体を見た時、白い乳房を見た時、白い背中の産毛を見た時、思い出してしまった。裸の彩は20年前私が憧れ、恋をした祥子とそっくりだった。


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■21556 / ResNo.2)  Re[1]: 大切なひと
□投稿者/ 愛 一般♪(1回)-(2012/07/01(Sun) 18:03:32)
    続きが気になります^^
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■21557 / ResNo.3)  愛さんへ
□投稿者/ 美雨 一般♪(3回)-(2012/07/02(Mon) 19:02:16)
    読んでいただいてありがとう。期待してもらってとても嬉しいです。考えてゆっくりしたペースで投稿します。想像(妄想)で書いてる部分が多いので不自然なところがあったら教えてくださいね。
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■21558 / ResNo.4)  大切なひと 3
□投稿者/ 美雨 一般♪(4回)-(2012/07/02(Mon) 19:05:20)

     彩は1週間後の診察を予約して祥子と一緒に帰った。祥子は最後まで私を思い出すことなく娘の方ばかり気にしていた。
     その夜、美紀が私のマンションに来てくれた。美紀はシングルマザーで、実家に小学生の息子を預けて私に会いに来てくれる。一緒に夜を過ごすのは月に一度ぐらいしかなくその日は予定にはなかったが、私の様子を心配して来てくれた。
    寝室では、美紀は優秀な看護師でも、やさしいママでもなく、私のかわいい大切なひとになる。明かりを点けたまま美紀が服を脱ぐのを、見るのが好きだ。ショーツ一枚になってベッドで待っていると美紀がノックをして寝室に入って来る。シャーワーを浴びた後、もう一度服を着て、メイクをして私の前に現れる。「私たちは特別なの、だからいつも慎重に、いつもきれいでいようね。」初めての日に私が言った事を今も大事にしてくれている。彼女が服を脱ぐのをじっと見つめる。美紀は恥ずかしそうに、でも私の方を見ながら脱いでくれる。ブラジャーをとる時だけ背中を向け、片手で胸を隠してベッドに入って来る。5年間続く私たちの儀式だ。美紀のくびれたウエスト、少し小さな乳房、きれいな首筋を両手に感じた後、私たちは抱き合い長いキスをする。静かで、穏やかな長いキス。美紀の体はしなやかで温かい。美紀のショーツに手を伸ばす。ショーツの上から美紀の襞を感じ、ゆっくりと撫ぜる。押し殺した喘ぎ声を聞きながら私はもう片方の手で自分のクリトリスを刺激する。喘ぎ声が大きくなり美紀が腰を動かし始めると私は体を起こし上から美紀の体をじっと見つめる。私の手が離れ、上から見つめられているのに気付くと美紀ははにかんだ表情で、じっと私を見つめる。彼女も私の体を愛してくれているのだ、と感じることができる。短いキスをして美紀のショーツを下す。ショーツが下される時美紀は、いつも追い詰められたような表情になる。切羽詰まった表情で私を見つめる。左手で乳房を包み、右手でクリトリスと膣の周囲を刺激する。ゆっくりと2本の指を挿入する。濡れて熱くなった彼女の中に指が沈んでいく。膣の壁をこするように指を動かしながら、美紀の太ももに私のクリトリスを擦りつける。やがて美紀が小さく痙攣し私にしがみつく。ゆっくりと抱き合ったまま二人一緒に快楽の余韻にひたる。部屋の中はクーラが効いていて熱くなった体が少しずつ冷えていく。お互いの体を離した後、横に寝たまま手をつないで話を始めた。

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■21559 / ResNo.5)  大切なひと 4
□投稿者/ 美雨 一般♪(5回)-(2012/07/04(Wed) 18:59:42)
    握りしめた美紀の手を自分の胸に置いて、私は話していた。「祥子さんは私の家庭教師だったの。初めて彼女を見た時、胸がドキドキしたのを今でも覚えている。私は高1で彼女は大学の4年生だった。綺麗なだけじゃなくて、気さくで優しい人でね。友達がいなくて、登校拒否になりかけていた私をいろいろかまってくれたの。『紅ちゃん、紅ちゃん』と呼んでくれて、勉強だけじゃなくて遊び相手や相談相手にもなってくれた。彼女が来て、成績が良くなっただけじゃなく、私が明るくなったのを両親がすごく喜んでね。夏休みに彼女に、軽井沢の別荘に一緒に来てくれないかって、お願いしてくれたの。彼女が来てくれる、と聞いたときは本当に嬉しかった。忘れられない夏休みになったわ。彼女は卒業論文の勉強をしながら、私の勉強もみてくれた。一緒に高原をハイキングしたり、川遊びをしたり毎日が楽しくて。彼女とずっとこうしていられたら、どんなに幸せだろうと思った。帰る前の日に彼女がドライブに誘ってくれたの。軽井沢に来てから、二人で買ったおそろいのサマードレスを着て出かけた。免許を取ったばかりの彼女が、父の車を運転して山道を二人キャーキャー言いながら、温泉に向かったの。山奥にある温泉でお昼すぎにやっと着いたわ。沢のせせらぎが聞こえる静かできれいな所だった。いざ温泉に入ろうという時になって私、急に恥ずかしくなっちゃったの。やっぱりやめとく、と言って脱衣所で彼女を困らせてしまったのよね。仕方なしに彼女が一人で浴場に入って、一人取り残されると今度は悲しくなってきた。まだ16歳だったのよね。泣きべそをかきながら、服を脱いでタオルでしっかり体を隠して浴場に入って彼女をさがした。彼女は露天風呂の湯船に浸かっていたけど、私を見ると嬉しそうに笑って手を振ってくれた。立ち上がった彼女の白い乳房が見えて、私はドギマギしてしまった。透き通るような白い肌に、高原の夏の光がきらめいていて私は目を逸らすことができなかった。その時、彼女に抱かれたいと思っちゃったの。思い切ってタオルを体から離して、彼女のいた湯船に入った。よく来てくれたね、と彼女は言って、離れて座っていた私を、肩を抱くようにして自分の方に引き寄せてくれたの。恥ずかしいのか嬉しいのか分からないぐらい夢見心地で、彼女の横にくっ付くように座っていたわ。広い浴場は人がまばらでしばらくすると私たち二人だけになった。私たちだけだから大丈夫よ、と言って彼女は湯船から出ると私と手をつないでくれたわ。洗い場の方に歩いて行って、お互いの背中を洗いあったりして本当に嬉しかった。近くで見ると、彼女の肩から背中にかけてのラインはとてもきゃしゃで、白い肌に産毛が少し生えていた。でも幸せだったのはそれまでだったの。脱衣所で体を拭いて服を着ている時、彼女が下着姿のまま私のそばに来たの。脱衣所には私たちのほか誰もいなかった。私もまだ下着姿だったので彼女が何かしてくれるのでは、と期待しちゃったの。でも悲しい勘違いだった。彼女は優しい目をして私に話してくれた。軽井沢に来てからずっと迷っていたこと、でも妹みたいな私と楽しい時間を過ごして決心したこと。私の手をとって彼女の裸のおなかにあてながら、『この中に赤ちゃんがいるの。今日紅ちゃんとドライブして、一緒に温泉にはいって決心したの。私お母さんになる。この子にもきっと楽しい日がたくさんあるはずだから。産まないとかわいそうだよね。』そう言って彼女は涙ぐんでいた。私が泣き出すと自分も泣きながら抱きしめてくれたけど、私の気持ちは伝わらなかった。これが私の初恋の話。」
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■21560 / ResNo.6)  大切なひと 5
□投稿者/ 美雨 一般♪(6回)-(2012/07/06(Fri) 14:09:06)
    美紀がよって来て私の肩に彼女の頬をつけた。清潔なシャンプーの香りが彼女の髪からする。少し考えてから美紀は話し始めた。「その時、おなかにいたのが今日診察に来た彩さんという女の子ですね。肌が白くて、すごくきれいな娘なのに最初少し暗かった。でも帰る時には目が輝いていた。紅さん、気が付いてなかったでしょう。紅さんに診察されるのが全然嫌そうじゃないのに、すごく緊張していた。紅さんがお母さんを見て話ししている時彼女、じっと紅さんのことを見ていた。彼女は私たちと同じ側の女の子で、紅さんに惹かれているみたい。」美紀は体を起こして、上から私を見つめた。覆いかぶさるようにして、短いキスをすると突然、片方の手で私の乳房を包み、もう片方の手を下腹部に伸ばしてきた。陰唇が拡げられ、クリトリスが美紀の細い指で擦られ、私は喘ぎ声を出しそうになった。今まで美紀にされたことがない行為だった。やがて膣の周りをなぞるように動いていた美紀の指が私の中に入って来た。初めはゆっくりと、次第に早く指が動き、私は喘ぎ声をこらえる事が出来なくなった。一度私から離れた二本の指が、じらすように間をおいて再び中に入り、強く膣壁を擦った時、美紀の腰にしがみついて私は果てた。美紀は腰にしがみついていた私の手をとり、右手を両手でつかむと自分の方に引き寄せて無言のまま股を広げた。内股から彼女の粘液がしたたるように流れ、クリトリスが充血し尖っているのが露わになった。私も興奮していた。舌でクリトリスを刺激しながら指を彼女の中に入れて動かすと、短い時間で美紀はオーガスムスに達し小さく震えた。二人は荒い息のままベッドの上で並んで横になった。しばらくすると美紀のすすり泣く声が聞こえた。感情が不安定になっている美紀を見るのは初めてだった。「大丈夫。私たちはいつまでも一緒、美紀は私の一番大切なひと。」私が声をかけると「紅さんの気持ちは分かっているの。本当は祥子さんそっくりの彩ちゃんを抱きたいと思っている。でも私が悲しむからよそうと思っている。彩ちゃんも可哀想。彼女は自分がこちら側にいる、特別な女の子だってことに気付いてないのだわ。長い間つらい思いをしてきたのよ。だから教えてあげたい。ねえ一度だけ彩ちゃんを抱いてあげていい。でもその一度だけにして欲しいの。紅さんはやっぱり私一人の紅さんでなきゃ嫌なの。」美紀が私に泣き声のままそう言ってくれた。私たちはもう一度キスをした。いつもの静かで穏やかな長いキス。そのあとで長い時間をかけて二人で相談した。どうしたらいいか慎重に計画をたてた。いつのまにか普段の美紀に戻っていた。「彩ちゃんが診察にくるのが楽しみですね。彼女きっと今度はおしゃれをして来ると思います。紅さんに会うために。」計画を決めた後、優しい表情になって美紀は言った。
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■21563 / ResNo.7)  大切なひと 6
□投稿者/ 美雨 一般♪(7回)-(2012/07/13(Fri) 12:24:41)

    私が自分の体が他の女の子と違うのでは、と悩み始めたのは中学生になった頃だった。他の子と同じように胸がふくらみ始め、初潮も経験した。それなのに下腹部に大人のように毛が生えてこないのだ。中学生になっても産毛のままで、足を閉じた状態でも小さな子供のような割れ目が見えた。恥ずかしくて、誰にも相談できない悩みだった。両親や妹にも知られたくなくて、家で入浴する時も細心の注意をはらっていた。父と妹には気付かれずにすんだが、ある日母に見られてしまった。母は一度病院で診てもらおうと勧めたが、泣いて嫌がる私に強くは言わず、父と妹にも内緒にしてくれた。その後も、うすい産毛のままで、高校生になった頃には割れ目からピンク色の陰唇が少しはみ出して見えるようになった。そして次第に陰唇の襞が大きくなり連続する陰核のふくらみも目立つようになった。鏡に映ったそれらは卑猥で恥ずかしいものに見え、自分は他の女の子とは違うのだという不安が強くなっていった。自分の体に劣等感を感じていた事だけが原因ではないと思うが、高校時代、友人もあまりできず、一人でピアノを弾いて過ごすことが多くなっていた。一つ違いの妹は母に似て明るく、友人も多く、高校生になるとボーイフレンドも次々とできた。何人目かのボーイフレンドと初体験を済ませた妹が、私に、男の子を紹介してくれたことがある。何回かのアリバイ工作に協力したお礼なのか、奥手な姉を心配してくれたためなのか、デートの段取りまでしてくれていた。私が男の子と出かける、と聞いた母が嬉しそうにしていたので断れず、同い年の男の子と映画を観に出かけた。男の子はハンサムで優しく話題も豊富だった。でも気を遣ってもらっているのに全然楽しくなく、その男の子に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。別れ際に正直な気持ちを言うと、その子はすこし悲しそうな顔をして、気にしなくていいと言ってくれた。母や妹は私が恥ずかしがり屋で、男の人が苦手なのだ、と思っていたのだろうけど、女の人と一緒にいる時の方が緊張してしまうのだった。綺麗な女の人に対する憧れが、年をとるにつれ強くなっていた。何人かの先輩や同級生の女の子と親しくなりたい、と願ったのだが、いざ話をしようとすると緊張して、気持ちが空回りして想いを伝えることができなかった。綺麗な女の人に、ときめき、緊張してしまう自分の気持ちは、あの恥ずかしい性器と同じく、だれにも言えない私の秘密だった。いつのまにかピアノが一番の友になっていた。明るく活発な妹と比較されるのが負担で、中学生の頃からピアノに自分の居場所を見つけていた。ピアノを練習することで自分の体や気持ちの悩みを忘れようとしたのかも知れない。音大の学生になっても親しく付き合える女性はできず、休日もピアノを弾いて一人で過ごす事が多かった。そんな私を母はずっと心配していた。そしてその原因が、私の股間の女性の部分にあると考えていた。あの子は陰毛が薄いのを気にして男性と付き合わず、寂しい思いをしていると信じていた。コンクールに失敗し生理がなくなった時、母は泣きそうな顔をして婦人科を受診するよう言った。母が、優しい女の先生がやっていると評判の、レディスクリニックを予約してきた時、私は受診を決心した。母の気持ちに応えるためだけでなく、自分でもこのままではいけないと感じていたからだ。自分の女性の部分は異常なのか?普通の女の人のように、セックスしたり、妊娠したりできるのか?中学生の時からの悩みに決着をつけたいという思いがあった。
    受診の日、クリニックの診察室に入り先生を見た時、私の好きな人だ、と感じてしまった。30代半ばに見える先生は私より10年以上年上だし、診察してもらう先生にそんな気持ちになるのは不謹慎だ、と思ったが気持ちをコントロールすることはできなかった。いつものようにドキドキし顔が赤らむのが分かり、それが恥ずかしかった。少し話をしただけで綺麗なだけではなく優しい女性だと分かった。その日は婦人科の診察はしないと言われほっとしたが、上半身裸で聴診器を当てられた時は恥ずかしさと緊張で脈が速くなっているのが自分でも分かった。でもその先生に診察されている時、とても幸せな気持ちになっていた。好きになった女性に裸の胸を見られるのも、体を触られるのも初めてで、恥ずかしくはあったがそれ以上に嬉しかった。診察中下半身が熱く疼く感覚がしてきて、先生の手が下腹部に伸びてきた時思わず小さな声を出してしまった。診察が終わると母と一緒に説明を受け1週間後の診察を予約した。帰り道、私の表情が明るくなっているのに気付いた母が、喜んでホテルのレストランのランチをご馳走してくれた。久しぶりに幸せな気持ちになったが、一方で今度も片思いのまま終わるのだろう、という諦めの予感もあった。ただあの先生に自分の女性の部分を診察してもらうのは自分にとって、逃してはいけない大きなチャンスだと感じていた。恥ずかしくても診てもらおうと、何度も繰り返し考えていた。

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■21565 / ResNo.8)  Re[1]: 大切なひと
□投稿者/ ミシャ 一般♪(1回)-(2012/07/15(Sun) 18:25:51)
    面白いです。
    一気に読んでしまいました。
    続き、楽しみにしています^^
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■21569 / ResNo.9)  ミシャさんへ
□投稿者/ 美雨 一般♪(8回)-(2012/07/17(Tue) 17:47:54)
    読んでくださってありがとうございます。面白いと言っていただいて、とても嬉しいです。ハッピーエンドの展開を考えています。楽しんでもらえるようがんばります。
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