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■21894 / 親記事)  愛〜蜜の味〜
  
□投稿者/ cross 一般♪(1回)-(2015/05/13(Wed) 05:46:46)

    僕は、生まれたときから一度も人を愛したことはなかった

    多分、小さい頃からの虐めが原因だから人間不信な部分もあるのかもしれない

    僕は性別関係なく
    人が怖い
    いつ裏切られるのかが怖くてたまらないから
    自分から自然に距離を置いてしまうのだ
    あ、自己紹介忘れていました
    僕の名前は
    川西 類兎(かさい・るいと)
    19歳 フリーター

    今は、なんとか
    夜のBARで働いて食いつないでる
    働いてもなにをしても実感などワカなくて
    友達も居ない生活
    スマホを持っている意味が無い…

    このまま孤独が続いてしまうのではないかといつも考えて
    毎日 毎日
    怯えている。

    そんな、ある日のこと

    プルプルプル♪
    プルプルプル♪

    携帯が鳴り響き
    目を覚ました

    類兎
    『ん?なんだろ』

    携帯を見てみると
    店長からの連絡だった

    類兎
    『なんだ?今日は確か、休みなハズなのに…はい、もしもし川西です』

    店長
    『あ、、もしもし?川西?まじゴメン
    休みなのに…従業員が足りなくてさぁ…悪いんだけど、今日来てくれないかな?』

    従業員は全員合わせて六人ほど
    そのうち3人くらいが無理だと言うことで急きょ、僕が代わりに出勤することになった

    類兎
    『わかりました、いつもの時間帯に行きます』

    店長
    『うん、じゃあ、6:00くらいにきて本当にゴメン』

    類兎
    『いえ、謝らないでください…それじゃ失礼します』

    仕方ない
    クビにならず二年も働かせてくれたんだから文句なんて言えない
    こんな僕を受け入れてくれた唯一の味方でもあり姉的な存在で理解者…

    給料も最近upしたから
    バイトについては
    特にイヤではなかった。

    約束通りの6:00僕はBARへと向かった

    類兎
    『お疲れさまです』
    店長
    『おぉー川西 待ってたよ(笑)』

    類兎
    『大袈裟ですよ、店長…着替えてきますね』

    いつも通りの会話
    なのにやっぱり
    心は寂しかった

    着替え室に入り
    白いYシャツを着て黒いズボンを穿き
    慣れた手つきで
    最後にネクタイを縛る

    類兎
    『よし…』

    一息ついて
    また店長が居た
    休憩室へ向かう

    この繰り返しだ
    満たされない思いが溢れ出していた

    店長
    『やっぱさ、川西って男っぽいよね〜なんでもかんでも無言で真剣に一つのことをきちっとするし…あんたが男だったらあたしまじで惚れてたかも』

    いきなりなにを言い出すのかと思えば
    コレだ
    正直、その言葉で傷付く

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21895 / ResNo.1)  愛〜蜜の味〜
□投稿者/ cross 一般♪(2回)-(2015/05/13(Wed) 16:32:35)

    なぜかというと
    前にもおんなじことを言われて
    虐めに遭っていたからだ
    男っぽいしキモイと何回言われただろうか…
    多分 数え切れないくらい言われたと思う
    類兎
    『店長、またそんなこと言って…冗談は止めてください』

    店長
    『う〜〜!!ケチ…本当のこと言っただけなのになぁ』

    他愛ない話なんだけどどこか何かが違った
    いつも他人と比べてネガティブになって人が離れていって
    またボッチになってそれがつらかった
    もしかしたら店長もそのうち僕を捨てるんじゃないかと思うと恐怖感が増していった

    類兎
    『…止めてください、そろそろカウンターに行きますね』

    僕はすぐ休憩室を出てカウンターに向かいお酒の種類の確認やテーブルや床を掃除したりして準備を始めた

    すると同じ従業員の人が出勤してきて
    少しだけまだ時間があるからカウンター越しに座り僕と何気ない話をし始めた
    ちなみに同じ従業員の名前は
    赤井 渚(あかい・なぎさ)
    27歳
    性格はサバサバしていてとても話しやすい人だ
    それと店長の名前は堺 ゆりか(さかい・ゆりか)
    32歳
    年齢は結構上だけど少しギャルが混じっていて恋愛乙女


    『はぁ〜眠い…従業員が足りないと大変だよ…休めないし
    ゆりかさんのバーカ』

    サバサバ性格とは言っても不満が溜まりすぎるとこういうふうに愚痴を吐き出してくる

    類兎
    『まぁ、仕方ないですよ…こういうときもありますし我慢しましょうよ渚さん』

    『類兎は本当に…いい奴だー!!謙虚だねーウチはそんな類兎が好き』

    と、カウンター越しにも関わらず
    僕の頭に手を伸ばしてきてナデナデと優しく撫でてくれた

    類兎
    『あっ…ちょ…渚さん…恥ずかしいので止めてください』


    『うひゃ!!マジ萌〜可愛い〜』

    まるで犬をよしよしよし〜ってするように髪の毛を乱すように弄り込む
    それをたまたま店長に見られて

    ゆりか
    『渚…あんたね、あたしの可愛い可愛い娘に手出すんじゃないよ』

    いや、店長
    僕、あなたから育てられた覚え無いんですけどと心の中でつっこんだ


    『ゆりかさんだけズルいですよ、類兎を独り占めすんのは違反です』

    お互いの会話がだんだんとヒートアップする寸前で僕は仲裁をした

    類兎
    『まぁまぁ、ほらもう営業時間だし渚さんも早く着替えないとお客さん来ちゃいますよ?』


    『え?あ、ヤバい着替えないと、んじゃまたね類兎』


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21896 / ResNo.2)  愛〜蜜の味〜
□投稿者/ cross 一般♪(3回)-(2015/05/14(Thu) 13:15:39)

    と、走って行ってしまった
    僕はそろそろお客さんが来るのを予測していたのでそのままカウンターに居た
    店長もいろいろあるらしいので僕ひとりになっただいたいのBARはひとりで接客することが多い
    ガールズBARみたいに2人でやるってことはほとんどない

    そんなとき時計を見るともう8時すぎていた
    その時間とちょうどにひとりの綺麗な女性が来た

    ???
    『こんばんは、まだやってますよね?』
    類兎
    『はい、午前3時まで営業しているので大丈夫ですよ』

    髪の毛は長くて
    知的な感じだけど
    そう難しい感じもしなくて親しみやすい容姿…
    黒縁メガネをかけていた
    そんな女性に僕は
    ちょっとだけ胸が高鳴ってしまった

    ???
    『あの?カクテル頂けます?』

    類兎
    『え?あっ、申し訳ありません…今作りますね』

    僕は恥ずかしさで
    顔が熱かった
    きっと赤くなってるなと思いながらいつも通りにお酒を作る

    類兎
    『桜の香りが入ってるスペシャルカクテルです、名前はスプリングカクテルと言います、どうぞ』


    ???
    『可愛い…良い香りですね本当に ゴクゴク』

    カクテルを見つめる目線
    思わず僕は心の中で素敵だと今まで感じたこともない感情が生まれてしまい
    僕自身焦った
    こんなことほとんど無かったのに

    ???
    『美味しい、少し甘くてちょっと酸っぱくて…私、好きですこの味』

    他の女性客から褒められたことは何十回もある
    なのにこの女性客だけは違う
    味で惚れてくれているのに僕は完全に
    女性に惚れていた…人生初の『初恋』だった…

    類兎
    『あ、ああ…ありがとうございますっ』
    ダメだ緊張して声が震える
    早くこの状況から逃れたい
    すると

    ???
    『緊張してるんですか?そういえばあなたのお名前教えてください』

    意外な質問だった
    ほとんどのお客さんはそんなことを聞かないのになぜ?と疑問に想いながらも
    僕は思い切って名前を教えた

    類兎
    『川西 類兎です』

    そう言うと女性も
    軽く自己紹介をしてくれた

    ???
    『私は仁木 椋と言います ふふっ 緊張してるんですね このBARで働いて何年になるんですか?』

    類兎
    『僕は…あっ、私はえっと二年目です』

    『僕?もしかして一人称は僕?へぇ…二年目なんですね』

    ヤバい…
    バカにされたかもしれない
    初対面の女性に僕だなんて…失敗…

    類兎
    『は、はい…なんかすいませんどうしても癖で…』



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21897 / ResNo.3)  愛〜蜜の味〜
□投稿者/ cross 一般♪(4回)-(2015/05/15(Fri) 18:53:34)


    『クスクスッ 可愛い何歳なんですか?』
    グイグイと質問攻めされる僕は焦った
    見知らぬ美女に
    しかも名前や年齢まで聞きたがるなんて僕は益々彼女が気になってしまい
    その好奇心に負け
    答えた

    類兎
    『19歳です…』


    『19さぁーい?若いね…私はねぇ〜40歳(笑)言っちゃった…』
    40歳には見えない美貌の持ち主…
    僕はやっぱり惹かれていたイケナイと思い話を逸らして
    次の話題を進める

    類兎
    『そんなことより、お酒ありませんよ?他に飲みたいお酒はありますか?』


    『あ…じゃあ…ウィスキーで…ヤバ…酔っ払ったかも…』

    さっきから口調が
    ちょっと甘えな感じになっていたので
    僕は止めた

    類兎
    『椋様…あの、酔っ払っているならそろそろ帰って休んだほうがいいのでは?』

    『クスクスッ……会ったばかりなのに親切ね…でもぉ…今日は酔いたい気分なんだ…』

    多分、彼女には誰にも言えない悩みがあるんだろうと直感した
    今まで会ってきた女性のほとんどはお酒の力で嫌な記憶を消す癖がある
    きっと彼女もそうなんだと思う

    類兎
    『でも、その辺にしないと後で辛くなりますよ?』

    と話していたときに店長がやってきた
    すると驚いたことに椋という女性と店長は高校のときからの親友だったらしい

    ゆかり
    『椋?ちょっとあんたなんでこんな所にいんの?ていうかお酒弱いのになにやってんの!!』


    『ゆかりこそ!!なんであなたが店長なのよ?』

    ゆかり
    『なんだって?ほら早く帰りなさい!!他のお客さんに迷惑だから』

    グチグチと痴話ケンカが始まり他はここでも仲裁に入った

    類兎
    『椋様 店長 落ち着いてくださいここは学校じゃないんですから』

    そうすると
    二人とも黙り込んだ彼女は黙ったまま
    注文を言ってきた


    『ウィスキー…ください…』

    僕はそんな彼女の表情がどこか寂しそうで悲しそうだったので注文を受けた

    類兎
    『かしこまりました店長 今回は許してあげましょうよ?』

    ゆかり
    『えぇ…あとは頼む』
    そう言い残し
    違うカウンターへ向かって行ってしまった
    そしてウィスキーが出来上がり
    彼女に出した

    類兎
    『お待たせ致しました ウィスキーでございます どうぞ』


    『ありがとうございます…ごめんなさい、取り乱して』

    類兎
    『いえ気にしないでください僕は…いや、私は大丈夫なので』



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21898 / ResNo.4)  間違えました名前
□投稿者/ cross 一般♪(5回)-(2015/05/15(Fri) 18:55:20)


    正しくは

    ゆかり×
    ゆりか○

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21899 / ResNo.5)  また間違えました
□投稿者/ cross 一般♪(6回)-(2015/05/16(Sat) 17:43:14)


    すいません
    読んでいて不自然なところがある場合はそこを飛ばして読んでください
    本当になんどもすいません…

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21900 / ResNo.6)  愛〜蜜の味〜
□投稿者/ cross 一般♪(7回)-(2015/05/18(Mon) 08:36:49)


    『僕でいいょ?』

    優しく微笑みながらウィスキーを飲んだ彼女にはきっとなにかがあるだろうと
    思わず見入ってしまう


    『私の顔になにか付いてるかしら?』

    類兎
    『あ、いえ…きれいだなぁって…』

    まずい口が滑った
    絶対今ので引いたよなと思ったが


    『やだ…嬉しい…ありがと類兎さん』

    類兎
    『お酒飲めないのに大丈夫なんですか?』


    『今日は酔いたい気分なの…オトナの事情があってね』

    頬を柔らかいピンクって染まり
    少しだけいやらしく見えた
    透明のグラスを片手にどこか遠い目線で独り言のようにフツフツとゆっくり話してくれた
    そのオトナの事情を

    『私ね、お付き合いしていた人が居たの同棲する予定だったんだけどね…フラレてね、初めてだったこれが失恋なんだなぁって…その人には別の恋人が居たらしくてさ、私よりも年下の人と 悔しかった』

    唇を噛み締めながら目には涙目になっていた
    相当ショックを受けたのだろう
    途中から一気に飲み干し
    またおかわりをしてきた


    『類兎さぁ〜ん、おかわり頂戴〜』

    類兎
    『ダメです、今日はお帰りください 体に悪いから』

    多分、チャンスだったんだと思う
    初対面の女性に恋心なんて情けなかったし恥ずかしさもあったからすぐに帰るように説得したのだが上手くいかなかった

    『類兎さんまで私を追い払うの?ヒック…
    寂しいのにぃ…ヒック』
    すると、また店長がやってきた

    ゆりか
    『いい加減にしなさい 椋 飲み過ぎだよ』


    『偉そうにしないでよあんたなんかに言われなくてもわかってるわよ…私の大事なものを奪ったくせに…』

    え?ふと疑問に思った
    私の大事なものを奪った…
    それってなんだろうって
    お客さんはほとんど居なくなっていたので二人の口論は激しさを増す

    ゆりか
    『なに…言ってんの』


    『とぼけるんだ…半分強引に奪ったくせに…最低よねぇ…?忘れてんじゃないわよ!!』

    ゆりか
    『はぁ?合意したんだからいいでしょ?なんで今更そんな話をぶり返されないといけないの!!』


    『私は合意なんてしてないわ!!あんたのせいで、私の人生狂ったんだからっ…あんたのせいで失恋したんだから!!!』

    仲裁に入ろうとも思ったけどよくよく考えたら僕は今日この彼女に会ったばかりだからわからないし店長と椋様は友達関係だったらしいからなかなか止めることが困難たったが渚さんが止めにきてくれた


    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21901 / ResNo.7)  Re[5]: 愛〜蜜の味〜
□投稿者/ 理恵 一般♪(5回)-(2015/05/18(Mon) 15:55:04)
    こんにちは。
    ここまで読んで虜になちゃった。
    店長と彼女に何があったのか。
    このまま三角関係になるとか。
    いろいろと想像しちゃいます。
    ぜひ、続きをお願いします。

引用返信/返信 削除キー/
■21902 / ResNo.8)  愛〜蜜の味〜
□投稿者/ cross 一般♪(8回)-(2015/05/20(Wed) 03:47:43)

    『あんたらいい加減にしろや…他のお客さんに迷惑なんだよさっきからくだらねぇことばっかり話して怒鳴り合いとかいい年した大人がなにやってんですか、類兎がどんだけ困ってんのかも分からないんですか?店長、もっとしっかりしてくださいよ…お客さん 貴女もそうやって浴びるように酒飲んでグチグチグチ言ってるくらいならもう店には来ないでくださいこの店は喧嘩をするための店なんかじゃない楽しく酒を飲める店なんです、早く帰ってください
    お金なんていらないので目障りです』

    渚さんは吐き出すように
    彼女に言い放った
    彼女は怖がり
    店を出て行ってしまい
    なんだか寂しい気持ちに襲われた

    類兎
    『渚さん』


    『はぁ…あ、もう閉店の時間だ…店長…早く掃除しましょ』
    僕の声をわざと無視すらかのように
    スタスタと休憩室に向かって行ってしまった

    ゆりか
    『……ッッ!!』

    店長は悔し涙を流していた
    突然のことで僕は頭がパニックになり
    どうしていいか分からず
    店長のそばに寄り添った

    ゆりか
    『…ッ…類………ごめんね…』

    初めてだった
    店長の涙も僕の名前を呼ぶのも
    さっきの喧嘩で多分いろいろ思い出したのだろう

    類兎
    『泣いてもしょうがないし…店長は悪くないし 椋様も悪くありません…早く閉店の準備しましょ?』
    と言うと店長は素直に聞き
    閉店の準備を始めた
    時計を見ると
    午前 5時過ぎだった

    『お疲れです 今日はもう上がります お先』

    渚さんは素早く帰ってしまった
    当然 僕と店長だけ店内に残された

    ゆりか
    『…類も、上がっていいよ?』

    類兎
    『店長をひとりにさせるわけにはいきません…だって店長はうつ病なんだし』

    そう、店長は随分前から精神病を患っていて感情の波も激しい
    もちろん 渚さんもそれは知っているが
    知ったかぶりというか理解したくないせいか店長には普段はちょっと厳しく接している

    ゆりか
    『…薬飲めば落ち着くから平気…もう帰りなさい…』

    類兎
    『嫌です、今日は店長と一緒に居ます』
    心配で仕方なかったいつ自分で命を絶つのかと思うと離れられない感情に押し込まれた

    ゆりか
    『……類…体貸して』

    類兎
    『はい…』

    さっきよりも近く近く寄る

    ゆりか
    『ん…』

    抱きしめてきた
    すごくつらかったんだと思う年齢は違うけど高校のときから親友の仲だったひとと喧嘩したのだからそれはショックだと思う
    そう思うと心が痛んだ



    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/
■21903 / ResNo.9)  理恵さんへ
□投稿者/ cross 一般♪(9回)-(2015/05/20(Wed) 03:50:28)

    コメント
    ありがとうございます
    読んでくれて
    嬉しいです

    また読んだらコメントくれると
    尚嬉しいです

    楽しみにしていてくださいね(^^)

    (携帯)
引用返信/返信 削除キー/

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