[戻]-18920/親
決戦→今日、結果→ 。
にせい
「おじゃまします・・・」
高2、8月の夏休み、私は初めて先輩のおうちにおじゃました。
先輩は同じ部活の一つ上。背は私より小さい(と言っても私が大きすぎるだけだけど)
可愛いという形容詞が良く似合う先輩だ。
「いらっしゃい。そんなに緊張しないでしょ」
「や、緊張しますよ。先輩のおうちにおじゃまするなんて初めてですし」
クスクスと笑う先輩に頬を染めながら反論。
緊張するのは、初めてだからという理由だけではない。
わたしは、この先輩が好きなのだ。
憧れとか、そういう理由ではなく、純粋に愛しているのだ。恋心を抱いている。
自覚したのは去年の今頃だった。部活の大会が終わり、帰路についているときの先輩の横顔。それがなんだか凄く綺麗に見えた。
最初はただの憧れだと思った。綺麗で優しい先輩。いろいろなことをそつなく出来て、勉強も出来て。そんな先輩に憧れている、と。
けれど思いは日がたつに連れて膨れ上がっていく。先輩が笑いかけてくれただけで胸がきゅんとなる。先輩が他の子と喋っているだけで切なくなる。できることなら先輩を閉じ込めてしまいたい。
同性だから、という思いもあったのだが、今はそんな事を言ってられない。
この7月で先輩は部活を引退してしまったのだ。
この機会を逃せばいつ会えるかが分からなくなってしまう。
だから今日、私は先輩に思いを告げる。
今日のチャンスを逃すわけにはっ!!
「おーい?どしたの?」
「はっ!あ、えと、なんでもないです」
トリップしていた意識を戻して先輩に手土産を渡す。
「先輩、これケーキ焼いてきました」
「いつもの!?」
「はい、チーズケーキです」
わぁい、と喜ぶ先輩。私が焼くケーキを好いてくれる。
そんな先輩を見てきゅんとなった。
決戦は今日、今、この瞬間から始まった。
05/04 21:30
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