[]-20784/親
題は、要らない。
零-Ren-


「あした、早いの?じゃあ、うちに泊まれば」

何も生まないことなど、初めから、知っている。
(壊れてしまった機械人形のように)

さきを考えるのがもうめんどくさくて、いまを必死に乗り越える。
(ただただとめどなくしゃべり続ける。)


「なにか…、あ、あるものでよければ」

料理に愛は必須で、
それが恋愛の愛ならなおさら甘美だ。

「…おフロ、どうする?」

白くて華奢な肢体、この目に触れてしまえばもう、なにもせずにはいられない。
(分かっていた、だけど、)

「一緒に、はいる?」

傷つくのが怖くて、つくった笑みがひきつっている。
(一度負ってしまった罪なら、もう、もとには。)

「…ね、ぎゅってしてもい?」

「ちゅぅ、してもいい、」

「拭いてあげるから、やっぱりベッドで、ね?」

「ほら、ねえ、あったかいよ」


(墜ちていく闇。)



*Fin*

04/09 19:16
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