[戻]-21597/親
君のために
シェリー
1日の業務をようやく終え、タイムカードを切った途端疲れがどっと押し寄せてくる。
忙しかった1日をぼんやりと思い出しながら、宇野愛友美(うのあゆみ)はナースステーションを後にした。
「とっとと帰って、今日は早めに休みますか…。」
誰に言うわけでもなく、独り言を呟いてロッカーの鍵を開ける。
白衣を脱いで私服に着替えた瞬間、気分は完全にプライベートモードだ。
「はぁっ…。」
職場の病院が見えなくなったのを確認し、思わず大きな溜め息を吐く。
最近仕事にやりがいを感じられない。
職場で患者に作り笑顔を振り撒いてるからか、仕事以外で最近笑えていない気がする。
疲れきった表情をして、ビールでも買って帰るかなぁ…とぼんやりと考えていた時だった。
目の前を歩いていた女性がフラりとよろけ、そのまましゃがみこんでしまった。
「え…っ!?」
愛友美は思わず歩くのをやめて、女性の背中を凝視する。
女性は細い肩を上下させ、苦しそうに呼吸をしているようだ。
他の通行人が見て見ぬふりをして、どんどんと後ろを通りすぎて行く。
本当は愛友美も早く帰りたかったが、彼女をほっておく事が出来なかった。
「…大丈夫ですか?」
視線を合わせようと屈んで顔を覗き込むと、真っ青な顔をした女性と視線が合った。
愛友美の顔を見てどこかホッとした表情を浮かべた女性は、苦しそうにしながらも愛友美に微笑みかけてくる。
「…ごめんなさい、気分が悪くて」
「他に具合が悪いとこはないですか?」
「んー…頭痛と目眩かなぁ…」
今現在何とか会話は出来てるものの、気温は30度後半。
このままここにいたら、彼女の体力がどんどん奪われていくのは容易に考えられた。
「立てそうですか?」
「支えがあれば…何とか」
愛友美はそう答えた女性に肩を貸して、タイミング良く通りかかったタクシーを捕まえる。
「どちらまでいかれますか?」
「…N総合病院までお願いします。」
まさか先程後にした職場に逆戻りになるとは…。
来た道をタクシーで引き返し、見慣れた景色を窓越しに見つめながら、愛友美は苦笑いを浮かべた。
.
(携帯)
08/19 20:15
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No21985
NO TITLE
友
(09/14 00:59)
No21982
Re[2]: 皆さん、お久しぶりです。
あかり
(09/04 18:04)
No21970
皆さん、お久しぶりです。
シェリー
(07/30 11:22)
No21748
NO TITLE
スズ
(02/28 20:35)
No21669
Re[2]: 君のために・21
愛読者
(10/24 15:25)
No21655
君のために・21
シェリー
(10/06 00:28)
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シェリー
(10/02 09:05)
No21647
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(09/26 01:08)
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(09/26 00:22)
No21645
君のために・17
シェリー
(09/23 22:40)
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