[]-21971/親
ノンケの彼女1
いちこ


あたしは川瀬菜穂美、21才 OL。
地元の建設会社に勤めて三年になる。
あたしが自分のセクシャリティに、
気づいたのは、中学二年生の時だったかな?
当時、あたしは合唱部に入っていて、
ピアノを弾いていた三年の玲子先輩に恋してしまったんだ。
彼女の指は白くて細くて、でもピアノは
力強いの。
あたしは部活が楽しくて楽しくて、
気持ちもどんどん膨らんでいった。
妄想の中であたしは彼女を押し倒して、
強引にキスしていた。
彼女の卒業式の日に、勇気を出して告白したんだけど
敢え無く玉砕しちゃった。
「ごめん、よくわかんないよ!でもありがとう!」
彼女はノンケだった。
それから、あたしは、女子高に進学したの。
もしかするとビアンの娘もいるかな?と
思った。
でも、そこでもあたしの恋は、連戦連敗。
いつも好きになるのは、ノンケの娘ばかり。
だから、もうノンケはこりごりだった。

けど、またもやノンケに恋しちゃった。
彼女は、今年入社した真奈実ちゃん。
かぁ〜わい〜の!
肩までの髪をライトブラウンにして、
軽くウェーブさせてる。
大きなお目々と小さな口、唇はぽってりと桜色。
背はあたしの肩までくらいなのに、スタイル抜群。
ウゥ〜、さわりたい〜!
彼女は、なんと高校の後輩らしいの。
あたしは、全然憶えていなくて、でも
彼女は知ってたみたい。

それは、新入社員歓迎会でのこと。
その席で篠田さん(お局)が、
「坂上さん(真奈実ちゃん)、かわいいからモテるでしょう?」
「いえいえ、全然です。うちは女子高だったので出会いがなくて。」
「そうなの?そう言えば、女子高だったら女子にモテたりして。」
「ええ、何度か告白されたこともあります。」
ドキッとするあたし。
「ええ〜、あるんだ!で、どうしたの?」
「もちろん、断りました。なんか違うなと思って。」
そして、チラッとあたしを見た。
あたしは落ち込んだ。ショックだった。
ああ、バリバリのノンケだと。

彼女はあたしの隣りに来て、
「先輩は、カレシさんとかいないんですか?」
「あたし?いないよ!」
「じゃあ、わたしと同じですね。仲良くしてくださいね。」
と、無邪気にニコッと握手を求めてくる。
わぁ、ちょっとプニプニしてかわいい手。
このまま手を引きたい衝動を抑え、
「うん、わからないことは、なんでも聞いてね!」
たぶんあたしの笑顔は、引きつっていた。

それからしばらくして、朝の通勤電車で
彼女と会った。
あたしの3メートルくらい前に発見したの。
彼女は盛んに後ろを気にしてるようだった。
あっ、もしかして痴漢?!
助けなきゃ!!

続く







08/02 19:36
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