| 『・・・・』
『私では力になれないわ。
何を助言したらいいかもわからないもの』
私は正直そう思った。
『一緒に行ってもらえない?』
『え?』
『明日の夜、私と一緒に』
『こ、紺野さん?』
『悪いと思ってる。思ってるの。
でも、松下さんしかいないの。
お願い!助けて』
『た、助けてって・・・言われても・・・』
困った話だ。
聞かなきゃよかったと思ってももう遅い。
要は、紺野さんと二人、K議員の言うままにレズプレイしろってことよね?
それをK議員は見て喜ぶってことか・・・・
一瞬、有紀の顔が目の前に浮かんだ。
ダメダメダメダメダメダメ!
絶対ダメ!
私は頭の中で頭を振った。
紺野さんには悪いけど、無理な話だ。
『紺野さん。
なんとか出来るものなら協力したいけど、
やっぱり受けることが出来ない相談だわ。
それに、K議員の要求は段々エスカレートしてくるんじゃない?
今回乗り切ったところで、次回はどうするの?
きっと、もっと難題になるんじゃない?』
『目の前が真っ暗なのに、次回のことなんて・・・・
それに・・もう遅いの。遅いのよ。
松下さん、もう逃げられない』
『え?』
『・・・・・・』
なんだかヤな空気が流れた。
『ま、まさか。
このお店・・・・・』
『・・・・
とにかく明日、お願いします。』
と言い残して、紺野さんはお店を後にした。
私はいろんなことが頭の中でグルグルになりながら、
お店の人に伝票を渡しお財布を出しかけた。
『本日はありがとうございました。
お会計は承っております。
K様から・・・・』
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