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■2779
/ ResNo.40)
教師・優花AG
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□投稿者/ 薫
一般人(36回)-(2006/03/03(Fri) 23:29:21)
今までこんなに、弱きな田辺先生を見るのは初めてだった。
今の今まで、嫌悪感と怒りが体を渦巻いていたのが、ぴたりと止んだ。
そして優花はたった一度だけのキスをした。
舌を絡めるわけでもなく、唇と唇が重なるキス。
優花への気遣いだった。
『ありがとう…こんなこと許してもらえる事じゃないわよね……。』
『田辺先生…あたし。』
『仕事の事は、私が何とかして校長に頼むわ。復帰してもらえるように。』
『いいんですよ…あたし、いずれは教師辞めるつもりでしたから。』
『えっ?』
『地元に住んでいる両親が、傍に居て欲しいだなんて甘えてきたんですよ。一人娘だし、やっぱり恋しいんでしょうね。ふふ』
『今すぐご両親の所へ?』
『いいえ。あと二年はこの町でやりたいことがあるから。それからかな?』
『じゃあ…あなた職はどうするの?今井唯は?今井唯はあなたを待っているはずよ?』
『それは痛い程、分かります。でも…あたし、好きな人以外と体を重ねた。理由はどうあれ、唯にどんな顔して会えばいいのか分からないわ。』
『それは……本当にごめんなさい。でも…今井唯はそれさえ許して、あなたを受け入れてくれると思うの!当事者の私が言える事じゃないけど、責任は私にあるわ!お願い、償わせて。』
田辺先生からの必死のお願いに、少し心を揺さ振られた。
しかし、優花はまだ迷っていた。
唯に会う事を、学校に復帰する事を。
(携帯)
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■2780
/ ResNo.41)
教師・優花AH
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■
□投稿者/ 薫
一般人(37回)-(2006/03/03(Fri) 23:30:52)
それから次の日の午後。
『はぁー。今頃唯は帰宅してるかなぁ。。』
優花は自宅で一人呟いた。
―――その時
優花の携帯が鳴った。
最近、鳴ることがなかった聞き覚えのあるメロディー。
『ゆ、ゆ…い?』
待ち受けには
『唯ちゃん☆』と表示があった。
優花は、出るのを躊躇った。
しかし、唯の声が聞きたかった。
『もしもし…。』
『優花…様?』
『優花…様?』
聞き覚えのある呼び名。
奴隷から飼い主に一気に昇格した気分だった。
『もしもし…唯?』
『うん!唯だよ!優花様、今まで何してたの?どこに居たの?』
唯からの質問責めに、優花たじたじになっていた。
『唯、落ち着いて。ちゃんと説明するから。』
それから優花は、唯と会う約束をした。
(携帯)
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■2786
/ ResNo.42)
楽しみにしてます♪♪
▲
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■
□投稿者/ ゅか
一般人(1回)-(2006/03/04(Sat) 03:16:40)
こんばんゎ☆
薫サンの小説ゎ毎回楽しみにしてます!!
今日、久しぶりに新しく小説が載ってたのでバリ嬉しかったです
唯と優香ゎどぅなるんだろッテぃつも考ぇてますT
薫サン、次回の投稿待ってます(x>ω<)メ
頑張って下さぃDヾ(^冂^)丿・
(携帯)
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■2788
/ ResNo.43)
教師・優花B0
▲
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□投稿者/ 薫
一般人(38回)-(2006/03/04(Sat) 21:41:40)
優花の車に乗り、助手席から唯は優花を見つめていた。
『唯、見つめすぎ。』
恥ずかしそうに優花が言った。
『だって…目を離したら居なくなりそうだから。』
『大丈夫だから…ごめんね、辛い思いさせて。』
それからしばらく無言だった。
車はどこに向うわけでもなく、走っていた。
しばらくして車は海辺で止まった。
口を開いたのは唯だった。
『いい加減、話してくれる?今まで何してたの?』
唯の声は強きだったが、勢いはなかった。
優花は田辺との間に起きたことを全て話した。
これで唯が優花を嫌いになったら、それまでだと、優花は腹をくくった。
(携帯)
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■2789
/ ResNo.44)
教師・優花B@
▲
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■
□投稿者/ 薫
一般人(39回)-(2006/03/04(Sat) 21:43:13)
『唯…あたしの事嫌いになった?』
優花が恐る恐る聞いてみた。
唯は無言で首を横に振った。
『でも…。』
『でも?』
『田辺先生が許せない…かも。最悪だし…脅しとかありえない!』
いきなり怒りが込み上げる。
大好きな優花様が、他の人に触れられたりするのが、悔しくて、ムカついて、この怒りを誰にぶつければいいのか唯は分からなかった。
『唯の気持ちはすごく分かるよ。あたしも唯が誰かに触られたりしたら嫌だから。』
『じゃあ!…唯の事なんて気にしないで、あの時のように逃げれば良かったじゃん!何で受け入れたの!?』
『出来るわけないじゃない!あたしが大好きで、大事な唯に辛い思いをさせるの嫌だったから…ああするしかなかったって思ったから。』
二人は互いに気持ちをぶつけた。今まで隠れていた二人の本音が心の奧に滲む。
『それでも…唯は嫌…。優花様が唯以外の女と寝るのがっ!!許せない。。』
『なら…許さなくていいよ。』
『えっ?』
優花は唯に笑顔を作った。
『あたしと付き合う事で、唯に迷惑が掛かるならあたしは別れる。もう唯の前には現れない。今までありがとう。あとごめんね。』
(携帯)
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■2790
/ ResNo.45)
教師・優花BA
▲
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□投稿者/ 薫
一般人(40回)-(2006/03/04(Sat) 21:44:37)
『送るね。唯の家教えて?』
優花は車を発進させる動作をした。
その時、唯は優花に抱きついた。
『嫌だぁぁ…離れたくないぃー、もぅ…どこにもいかないでぇーー。ぅぐ…。』
涙を流して優花の腕に絡み付く。
その力は強く、少し痛みが走る。唯の思いが伝わる。そして気が付けば、優花の目にも涙が溜まっていた。必死に流さないように堪えていた。
『ごめん…唯。傷つけたくなかったのに…あたしが傷つけてるし。』
『違うぅ…うぅぅん。大丈夫…だからぁ一緒に居て?もう消えないで、不安にさせないで?』
『うん。約束するよ。』
優花は唯の頭を抱え込むように抱き締めた。
そして優しく唯の頭を撫でた。
緩やかな、そして穏やかな時間が車内に流れる。
二人だけの空間、誰にも邪魔される事なく、二人の愛を肌に直に感じられる場所。
外の景色が世界が、どれだけの時間が流れてもこの場所だけは時間が止まっていた。
気にする事は相手の事のみ。それ以外は気にも止めず、二人は熱く、そして甘いキスを交わした。口いっぱい、愛があふれてくる。
『唯…好きだよ?大好き!』
『優花様…唯も好きだよ!大好きだからね!』
二人は笑い合い、そしてまたキスをした。
何度しても足りずに、愛を確認する。
そこには温かな愛があった。
(携帯)
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■2791
/ ResNo.46)
教師・優花BB
▲
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■
□投稿者/ 薫
一般人(41回)-(2006/03/04(Sat) 21:46:13)
『雪ちゃん…色々心配してくれてありがとね。』
優花とのドライブが終わり、帰宅したのは午後10時。唯は自分の部屋に入り、携帯から雪に電話した。
『唯ちゃん、良かったね!やっぱり先生は唯ちゃんが大好きなんだね。あたしの入る隙間なんてないんだよね。』
『えっ?』
『ううん。何でもない。お幸せにね!あたしは二人を見守る事にするね!』
『雪ちゃん…。』
『同情とかなしだからね?あたしはあたしなりに唯を好きだし、叶わなかったけど、いつか後悔させるくらい、イイ女になってやるからさ!』
心なしか、震えている声が受話器から聞こえた。
必死に耐えている、雪の強さが唯には切なく感じた。
『唯なんかよりも、きっとイイ子がいると思う。ホントごめんね。』
『気にしないでよ?あたしが勝手に好きになったんだし?唯が謝る理由分かんなーい!』
わざと明るく振る舞う雪。涙が出るのを堪えながら、『じゃあ、明日予定あるからもう寝るね?おやすみー!』
と言い、切った。
切ると同時に切なげな声が布団の中から聞こえた。
布団に包まり、大きな声で泣いた。
失恋……時に人は、傷つく恋をして成長する。
甘い恋愛よりも、何倍も自分の力になる。
その後の自分の在り方がはっきり分かるから。
雪はこれからきっと、イイ女になるだろう。
自分を磨き、誰にも負けない自分だけの輝きを光らせるだろう…。
友情の壁は厚く、恋人への階段は長く、途中で足場は崩れている。
その階段を雪は登り続けていた。そして、今。その足場は崩れた。
悲しくて、悲しくて、涙は止まる事を知らなかった。雪は一晩、泣き明かした。
(携帯)
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■2792
/ ResNo.47)
ゅかさんへ
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□投稿者/ 薫
一般人(42回)-(2006/03/04(Sat) 21:54:28)
読んでくださりありがとうございます(О>艸<О)
大変嬉しいです(^-^)
唯と優花の結末はまだ僕自身もわかりません(笑)
でも、そろそろクライマックスです。どうか最後まで読んでくれたら嬉しいです(笑)
書き込みありがとうございます♪
(携帯)
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■2797
/ ResNo.48)
教師・優花BC
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□投稿者/ 薫
一般人(43回)-(2006/03/05(Sun) 20:59:16)
2006/03/05(Sun) 20:59:57 編集(投稿者)
『優花様…。』
唯から電話があったのは午前三時。
『どうしたの?こんな夜中に。』
『優花様…唯ね、雪ちゃんの事が好きなんだよ?でもね…雪ちゃんは友達以上に見れないの。』
『雪?クラスの友達の事ね。その子、唯に告白したんだ?』
優花は全てを悟り、確かめるように話した。
『唯はぁ、優花様が好きなの。優花様以外考えられないから。』
『ありがとう…唯。でもね、誰かが幸せなら、誰かは不幸なのよ。そういう風に世の中は回ってたりするのよ。』
『うん…。』
唯は静かに聞いていた。優花の口調は唯の恋人でもあり、教師でもあった。
『あたしね、やっぱり田舎に戻ろうと思うの。』
『何で?また唯置いていかれるの…?』
不安そうに唯が聞く。
『置いていく…現実はそうなるよね。でも、もし唯が本気なら、あたし三年したらまた戻ってくるから。
そのときまでに、唯は色んな経験して、また色んな人とも付き合いなさい。あたしだけじゃないのよ。あなたはもともと、ノーマルなんだし、男性と付き合った方が幸せな事もあるから。』
『いや…いやだよ!唯は、優花と居たい!!』
『初めて様をつけないで名前で呼んだね。嬉しい。ありがとう、唯。雪ちゃん、大事にしなさい。友達として傍で支えなさい。あたしも人として成長したら、また唯と付き合いたいな。』
優花はそう言って、終話ボタンを押す。
幸せなんて、そう簡単には手に入らない事、一番知っていたのは優花だった。
七歳も離れている、女の子を自分のせいで、何も知らないまま終わらせたくない。彼女の視界はせまい。教師と生徒しか居ない、あの空間が起こしたマジック、かもしれない。
本当に自分の事を好きになってくれるなら、何年経っても結ばれるだろうと。そう思った。
(携帯)
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■2798
/ ResNo.49)
教師・優花BD
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□投稿者/ 薫
一般人(44回)-(2006/03/05(Sun) 21:01:07)
それから三年後―――
『雪ちゃん!久しぶり〜』
『唯ちゃん!?久しぶり〜!すっかり大人っぽくなったよね?』
『何言ってんのよ!まだ三年しか経ってないやん!』
『それでもすっかり見違えたよ!!今はちゃんと勉強してる?』
『してる、してる♪学校行ってるよ!』
唯たちは、クラスの少人数の子と、プチ同窓会を開いた。
三年と言えど、皆二十歳を越えている。すっかり綺麗になっていた。
その中に、雪の姿があった。懐かしくもあり、そして昔の事を思い出す。
唯たちは昔話や、今どうしているか、など語り合った。
雪は卒業後、美容師を目指して勉強中だそうだ。
今、美容院でアシスタントしている。
そして唯は、前々から憧れていた、『教師』を目指し、大学に通っている。
優花からさよならを告げられ、悲しみの日々を過ごしていたが、優花の言った通りに、様々な経験を通し、明るさを取り戻していったのだ。
何人かの、男性とも付き合った。
それでも、頭の隅には優花の姿がちらついた。
『唯ちゃん、あたしね、今付き合っている人いるんだよ♪』
『えっ!?誰、誰?』
『それはねぇ〜フフ。同じ美容院でバイトしてる25歳の人!超カッコイイの!』
『雪ちゃん、男と付き合ってるんだぁ!』
少しびっくりした。
雪はビアンだと思っていたから。
『違う、違う!FTMの人!性同一性障害って言われるやつ。見た目は完璧男だよ!』
『そうなの!?すごいね!でも雪が幸せになって嬉しい!』
『うん…高校の時、唯を苦しめちゃってたよね、あたし。でもあの告白に偽りはないからさ。』
『知ってるよん♪唯は今でも雪ちゃん好きだよ?』
《友達として!》
二人が声を合わせて言った。
そして笑い合った。
(携帯)
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■No2786に返信(ゅかさんの記事) > こんばんゎ☆ > 薫サンの小説ゎ毎回楽しみにしてます!! > 今日、久しぶりに新しく小説が載ってたのでバリ嬉しかったです > 唯と優香ゎどぅなるんだろッテぃつも考ぇてますT > 薫サン、次回の投稿待ってます(x>ω<)メ > 頑張って下さぃDヾ(^冂^)丿・ > > (携帯)
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