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■5930
/ ResNo.20)
Re[1]: Danse Macabre
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□投稿者/ マキ
一般人(1回)-(2009/05/29(Fri) 18:54:16)
とっても面白いです。
頑張ってくださいね^^
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■5932
/ ResNo.21)
NO TITLE
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□投稿者/ 葉
軍団(126回)-(2009/05/29(Fri) 23:19:21)
ありがとうございます。
新型インフルエンザは、終息に向かいつつあるようで良かったです。
…罰当たりなものを書いていますね。
(携帯)
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■5934
/ ResNo.22)
Dance Macabre 17
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□投稿者/ 葉
軍団(127回)-(2009/05/30(Sat) 00:18:51)
「今夜八時に、受付で待ってる」
退社時に覗いた携帯に、留津からのメールが届いていた。
(来るなと言ったのに?……)
留津はあまりメールを使わない。妙な違和感を覚えたが、確かに出勤しているはずの曜日だった。
「―――奈緒ちゃん」
閉館間際の受付にいた留津は私を見ると驚いた声をあげ、カウンターから飛び出した。
「何で? どうしたの?」
その狼狽ぶりに私は戸惑う。
「何でって―――メールしたでしょ?」
「メール?」
留津は目をしばたかせ、次の瞬間、私の背後に視線を移して顔を歪めた。
しまった、という表情だった。糸に引かれるように振り返った私もまた、全身から血の気が引いた。
「……良かった、閉館前に来てくれたのね」
留津と同じスポーツウェア姿だが、艶やかな女性がそこにいた。
「落とし物よ、日高さん」
クラブのオーナー―――あの時、ロッカールームで私の背後にいた女性―――はつまみ上げた携帯を留津に差し出し、私に目を向けてにっこり笑った。
あんな経緯がなかったら、見とれてしまうような微笑みだった。
「どうして……」
茫然とする私の傍らで、留津が控え目ながらも詰問する。
「新しく始めるマッサージのモニターをお願いしてたのよ……来て下さって嬉しいわ」
オーナーは眉ひとつ動かさずにそう答え、凍りついている私の腕を取った。
「あなたは閉館して帰っていいわよ、こちらのお嬢さんは私達でおもてなしするから。お疲れさま」
私は何も考えられぬままに腕を引かれ、ほとんど照明が消えた通路の奥へと導かれた。
(携帯)
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■5935
/ ResNo.23)
Dance Macabre 18
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□投稿者/ 葉
軍団(128回)-(2009/05/30(Sat) 01:35:03)
サウナ室に入った途端、開館中の熱気や蒸気とは違う、むせ返るような空気に私は顔をそむけた。
何人いるのか分からない……無数の裸の女性がそこにいて、淫らに絡み合っている。
「……この間は、ごめんなさいね」
背後から私の肩を抱き、耳元でオーナーが囁いた。
「いきなり驚かせたから、愉しんで貰えなかったでしょう?―――そのお詫びにと思って」
足がすくんで動けないまま、私は裸女の群れの前に押し出された。
「あら―――可愛いお客様」
「美味しそうじゃない?」
含み笑いと舐めるような視線を浴びせられ、あちこちから手を伸ばされる。
「誰が最初?」
その言葉に総気立つ私を椅子に座らせ、オーナーは柔らかい声で言った。
「そんなに急かしたら可哀想でしょ? ゆっくりほぐしてあげなきゃあ……」
私は優しく、けれども有無を言わせない力で誰かが差し出した椅子に座らされ、両腕を後ろに束ねられた。
「―――やめて…」
やっとの思いで声をあげるが、その間に両手首をタオルできつく縛られた。
「心配しないで」
耳元でオーナーが囁いた。
「痛い事や、傷をつけるような真似はしないから……」
ただ見ていればいい。
厭わしく、抗いがたい囁きだった。
(携帯)
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■5936
/ ResNo.24)
Danse Macabre 19
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□投稿者/ 葉
軍団(129回)-(2009/05/31(Sun) 02:55:34)
顔を見知っている人もいた。
ここやロッカールームで見たような、あからさまに淫靡な印象ではなかった人もいた。
「ああ……」
密閉された空間は人肌の放つ熱気と体臭、枯れ始める寸前のクチナシに似た濃密な甘い香り、そして喘ぎ声に満ちていた。
私は目を反らせない。背後からオーナーの女性に頭を柔らかく抱き込まれているせいもあるが、そうされなくても同じだったろう。
「……ちゃんと見てる?」
床に仰向けに横たわる女性の顔に跨り、粘りつくように身体を上下させる女性が私を見て笑う。
「そんなに怯えたふりはしなくていいの―――ここは、そういう場所なんだから……」
私は弱々しく首を振った。
頭が朦朧とする。この香りは香水やローションでなく、薬の物の類ではないだろうか……
「あっ―――ああ…」
目を動かす先は全て、あられもない痴態に埋め尽くされている。跪かせた女性に秘部を貪らせている者や、這わせた背中に覆い被さり獣のように腰を弾ませる者、両の乳房に別々の頭を抱え込み、大きく開いた脚の間にも別の頭を挟んで身をよじる者―――皆、どこかで他人の身体に触れている。
「―――あっ……」
背後から、ブラウス越しに胸を撫でられ私は呻いた。
「愉しんでくれてる?」
耳元で甘い声がした。
「愉しくないなんて事はないわよね?―――あんなに熱心に見てたんだから…」
襟元からゆっくりと指が中へと滑り下り、下着を押し下げる。
「いや……」
乳首の周りに円を描くように指を這わされ、逃れようと身体を引くと、背中に柔らかい乳房が押しつけられる。
「恥ずかしがらないで」
私のうなじに唇を当てて彼女は言った。
「何も気兼ねは要らないの……ここで好きなだけ愉しんで、外では知らん顔してればいいのよ。みんなそうしてるわ」
指先がちらりと乳首をかすめ、私は身体を震わせる。
「あっ………」
顎を持ち上げられ、振り向かされる。
私は自分から口を開け、彼女の舌を受け入れた。
(携帯)
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■5937
/ ResNo.25)
Danse Macabre 20
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□投稿者/ 葉
軍団(130回)-(2009/05/31(Sun) 03:42:42)
「いや………」
唇を塞がれ、舌を吸い上げられながら、私は相手の意図に気付き始めていた。
「いや……ああ……」
私の乳房を弄る指は舐めるように肌を這い、くすぐりながらもそこから先に進まない。
「いい子ね、こんなに固くして……」
時々、ほんの僅かに乳首に触れる。
「あっ―――」
椅子の後ろで束ねられた手首をねじり、大腿を擦り合わせて私はのけぞる。
「気持ちいい?」
彼女は私の襟元から引き抜いた指を私に含ませ、再び滑り込ませた。
「んっ……あ……」
自分の唾液に濡れた指で乳首を撫でられ、その感触に身をよじる。
自分自身にも誤魔化しようがない、熱い潤みが身体の芯から溢れ出た。
「―――まだよ」
乳首を爪先でいたぶりながら、何もかもを見通した声で彼女は言った。
「まだ、駄目……もっともっと欲しくなって、もっと素直になってから。その方が愉しいわよ……?」
「嫌ぁ―――ああ……」
私の目から涙がこぼれ、彼女はそれを舐め取った。そのまま再び唇を塞がれ、自分の涙の塩辛さに更に涙を溢れさせる。
「―――あっ……」
彼女だけでなく、幾本もの手に身体を撫でられ、ゆっくりと服を脱がされる感触に私は喘いだ。
「ああ―――あ……」
たくさんの指がとても優しく淫らに身体の上を這い、しかし決して肝心の部分には触れぬようにして私を焦らす。
「ああ……嫌……いや…」
スカートを脱がされ、下着を引き下ろされて脚を開かされる。
「わあ……」
無遠慮に覗き込む誰かが聞こえよがしに呟いた。
「可愛い―――いっぱいに溢れてる……」
言うが早いか、その誰かは密毛を指で掻き分け、私の身体の芯を外気に曝した。
(携帯)
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■5938
/ ResNo.26)
Danse Macabre 21
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□投稿者/ 葉
軍団(131回)-(2009/05/31(Sun) 04:49:51)
「―――ねえ、食べちゃっていい?」
「駄目よ、まだ……」
私は固く目を閉ざし、自分の身体越しの淫靡な囁き合いを聞いていた。
「けちねぇ―――ああ、我慢できない」
聞き覚えのある声は不満げに私の内腿に吐息を吹きかけ、私の背筋を震えさせる。
「……珊瑚玉みたい。なんて綺麗なピンク色―――ああ……」
私の脚の間に身体を割り込ませた誰かが自分の乳房を抱え上げ、固くしこった乳首を私の芯に当てて擦りつける。
「ああっ―――」
私は仰け反り、高く叫んだ。
「嫌、いやっ……やめて……」
「やめてもいいの?」
激しく震動を伝わせながら、誰かが甘く嘲り笑う。
「凄いわよ、こりこりしてて、ぬるぬるで……ああ…」
その間も絶え間なく背後から乳房を撫でられ、指先で乳首をくすぐられる。そむけた顔にはまた別の誰かの乳房が押しつけられ、否応なしに乳首を口に含ませられる。
「……ああ…あっ、あ、あ……」
もう誰の声なのか、自分の声なのかも分からない。無数の指と唇に身体を延々とまさぐられ、身体の芯を擦り上げられて私は泣き叫んだ。
「……そろそろね」
私の乳首をいたぶる手を止めて、オーナーの女性が呟いた。
「いっぱい我慢したから、ご褒美をあげなきゃね」
「次は私よ」
私の両脚の間にいる女性が喘ぎつつ、私のものではない下着を受け取り、子供に履かせるような手つきで着せつけた。
私は張り型つきのそれを見下ろし、絶句した。
「便利なのよ、こうすると……」
私にそれを装着させた女性はにっこり笑い、張り型をくわえて頭を上下させる。
「あ―――嫌っ……」
微細な震動が私の身体の芯に伝わり、その鋭さに悲鳴が漏れた。
「気持ちいいでしょ?」
オーナーの女性は優しくそう言い、するりと服を脱ぎ捨てた。
「……好きにしていいのよ」
そう言って私の脚の間にいた女性を退かせ、私の手首を束ねていたタオルを解いた。
「オーナーは、初々しいのが好きなのよ」
誰かの含み笑いが聞こえた。
「慣れない子の腰使いがたまらないのよねぇ……ひたむきで」
私はからからに乾いた喉に、にわかに湧いた唾を飲み込んだ。
「来て」
彼女は床に横たわり、立てた膝を開いて私を手招いた。
私はふらつく足で立ち上がり、床に膝をつき、言われた通りの事をした。
(携帯)
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■5943
/ ResNo.27)
Danse Macabre 22
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□投稿者/ 葉
軍団(132回)-(2009/06/01(Mon) 00:08:18)
「―――ですか」
不意に声をかけられ、私は我に返る。
「……煙草、吸ってもいいですか」
「ああ…どうぞ」
私は辺りを見回して、灰皿になりそうな物を探す。
手近にあった小皿を差し出すと、記者は軽く頭を下げてバッグを探り、煙草を取り出し火をつけた。
「……換気扇も使えないのに、すみません」
「いいです、そんなの」
メンソールの香りがふわりと漂う。私はそれをぼんやり眺め、妙に落ち着いた様子の記者に目を移した。
「―――禁煙してたんですけどね、このご時勢だし……」
独り言のように、彼女は言った。
「でも、何故か一箱だけは持ち歩いてたんです……まあ、今さら健康も糞もないし」
「肝を据えられたんですか」
彼女は小さく笑う。
「据えるしかないでしょう? ここまで来たら……」
テレビニュースはつい先刻、欧米や大陸にも感染者が現れたと告げた―――世界的大流行、パンデミックの始まりだ。
「……ウィルスはタンパク質の殻に覆われた遺伝物質で、それ自体は死滅させられないけれど、適合するワクチンで増殖を抑えたり、症状を緩和する事ができます」
低く淡々とした口調で彼女は言う。
「……でも、抗原と呼ばれるタンパク質の殻に変異を起こされると、せっかくワクチン等で高めた免疫系もウィルスを認識できません……表面構造をめまぐるしく変化させる代表的なウィルスはインフルエンザですが、これほどの強毒性のものは出ていない」
彼女の言う事は私も学習済みだった。外出もままならない日々が続く中、出来るのはニュースやPCを見る事くらいなのだから。
「抗原の中にあるものは、既知のウィルスなんでしょうか」
「さあ」
彼女は曖昧に首を振り、小皿の上に灰を落とした。
「亡くなった人や患者からウィルス株を採取して解析しているようだけど、抗原のシフト(不連続変異)が半端なく多発してるみたいですね―――だから、試薬の効果も一定しない。ある程度の信頼度の試薬がなければ、有効なワクチンは作れない」
私はテレビの画面に視線を向けた。
そこから流れる音声が、外国のものに変わっていた。
(携帯)
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■5944
/ ResNo.28)
Danse Macabre 23
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□投稿者/ 葉
軍団(133回)-(2009/06/01(Mon) 01:00:59)
「日本は疫病を我が国に持ち込むな」
ハングル文字や中国語の横断幕を掲げた群衆が叫びを上げている。
「これは細菌戦争ではないのか。ペストの死者の首を都市に投げ込み、病で制圧しようとした十字軍やモンゴル軍と同じではないのか」
ヒステリックな群衆だけでなく、欧米の首脳が輸出入の停止や空港閉鎖、大使館や基地の封鎖などを訳知り顔で語っている。
「……デフコンが上がるかも」
テレビを眺めながら、記者が呟く。
「え?」
聞き慣れない単語に振り返る私に、彼女は虚ろな目を向ける。
「米国国防省の軍事警戒基準です。5が平時で、1が開戦……核使用込みで」
「――――――」
私は息を飲む。
「日本に核を落とすとでも? ゾンビ映画じゃあるまいし―――」
「日本に落とさなくても、落としそうな国と撃ち合うかもしれない」
彼女はゆっくりと呟いた。
「この国には米軍基地があり、無数の原発もある。飛んでくるのが核でなくても、ほんの一発で終わりですよ。そうでしょう?」
私は茫然としてテーブルの上で拳を握り、その下にあるものに目を落とした。
ただの絵葉書。
たった一行の文章も、差出人の名前すら書かれていない、私宛ての絵葉書。
「―――今ならまだ、間に合うかもしれない」
煙草の煙をくゆらせながら、彼女はまっすぐに私を見つめた。
「教えて下さい。この絵葉書を送った人が今、どこにいるのか」
「知りません」
反射的に私は答えた。
「本当に知らないんです……これだって、彼女から来たものだとは―――」
「他の誰が送れるんですか、これをあなたに」
詰問するような口調ではなかった。それが余計に針のように感じられ、私は固く目をつぶった。
(携帯)
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■5945
/ ResNo.29)
Danse Macabre 24
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□投稿者/ 葉
軍団(134回)-(2009/06/01(Mon) 02:01:01)
……どのくらい時間が経ったのか分からない。ようやく解放されて一人で暗い通路を歩き、ホールまで辿り着いた時、そこには誰もいなかった。
「……素敵だったわよ、あなた」
何人を相手にしたのか覚えていない。気が付けば無数の裸女の群れに埋まり、ペットのように撫でられていた。
「明日もまたいらっしゃい。あなたが私達にしてくれた事を、今度は私達がしてあげる……みんなでね」
身体の節々が痛かった。とりわけ腰が―――入れ替わる誰かを相手に際限なく弾ませ、打ちつけ続けた腰が痛かった。その情けなさに私は泣いた。
そればかりに気を取られ、私は留津がホールにいなかった事を辛いとも、また幸いだとも思わなかった。
だからその次の晩、閉館したクラブの通用口をくぐった途端に腕を引かれ、狭い倉庫に連れ込まれた時に、本来はもっと早くにこの絶望や羞恥心に襲われていなければならなかったのだと思い知ったのだ。
―――慌ただしくドアに鍵をかけ、それからゆっくりと私を振り返る留津から後ずさり、私は顔を覆ってしゃがみ込んだ。
(携帯)
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■No5935に返信(葉さんの記事) > サウナ室に入った途端、開館中の熱気や蒸気とは違う、むせ返るような空気に私は顔をそむけた。 > 何人いるのか分からない……無数の裸の女性がそこにいて、淫らに絡み合っている。 > > > 「……この間は、ごめんなさいね」 > 背後から私の肩を抱き、耳元でオーナーが囁いた。 > 「いきなり驚かせたから、愉しんで貰えなかったでしょう?―――そのお詫びにと思って」 > 足がすくんで動けないまま、私は裸女の群れの前に押し出された。 > 「あら―――可愛いお客様」 > 「美味しそうじゃない?」 > 含み笑いと舐めるような視線を浴びせられ、あちこちから手を伸ばされる。 > 「誰が最初?」 > その言葉に総気立つ私を椅子に座らせ、オーナーは柔らかい声で言った。 > 「そんなに急かしたら可哀想でしょ? ゆっくりほぐしてあげなきゃあ……」 > 私は優しく、けれども有無を言わせない力で誰かが差し出した椅子に座らされ、両腕を後ろに束ねられた。 > 「―――やめて…」 > やっとの思いで声をあげるが、その間に両手首をタオルできつく縛られた。 > 「心配しないで」 > 耳元でオーナーが囁いた。 > 「痛い事や、傷をつけるような真似はしないから……」 > > > ただ見ていればいい。 > 厭わしく、抗いがたい囁きだった。 > > (携帯)
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