| (…っ。…痛い。…潰れるっ。…っ。) ベットの下で四つん這いのあたしの頭を ベットに座った彼女が素足で踏む。 「踏まれてどんな気分?」 額は床にゴリッと骨の軋む音が耳に響く。 身体が震える。 彼女の足に踏まれてあたしは被虐性に火がつく。 「こんな事をされて悦ぶなんてホントMは変態よね」 笑いながら言う彼女は踏みしめる足が更に強くなる。
もう何度、この様な行為を繰り返してきただろう。 知り合ってから既に3年。 出合った当初にあたしのM性は彼女の話してあった。 そして彼女も自分のS性をあたしに話した。 経験してきた事に多少の違いはあれど… お互いがお互いのSMに於ける嗜好に興味を持った。 …主従と呼べる関係になったのは必然だった。
ベットの下で四つん這いで踏まれていたあたしの頭から彼女の足が降りる。 しかし、あたしはまだ顔を上げず床に額を付けたまま。 それは勝手に顔を上げる事を禁じられているからだ。 「…ふふ。」 微かに聞こえた彼女の笑い声。 次の瞬間、床に付けたままの額に彼女の爪先が触れる。 そしてあたしは悟る。 ちゅ…ぷ…ちゅ…… ペディキュアを施す彼女の爪先にあたしは舌を這わせ口付けをする。 「そう。もっと丁寧になさい?」 言われるままにあたしは丁寧に口付け、指の一本一本までをも口に含む。 「美味しい?」 ふと視線を上げれば普段は温厚な彼女の冷たい眼差しがあたしを射抜く。 あたしはその彼女の表情にまるで熱に浮かされた様にただ頷く。 「なあに?そんなだらしない顔して。足を舐めるだけで欲情してるの?」 「…ホント、浅ましい変態ね、M」 それだけで… あたしの脳髄は侵される。 舐める唇を自分の唾液で光らせ… 抑える声が…僅かな呻きとなり…。
この後、あたしはもっと淫虐に囚われた獣になる。 彼女もまた…激しい情欲に囚われた獣と…。
---続く--
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