| 高校3年生の美鈴は、いつもと変わらず同じ時間、同じ車両の同じ席に座った。 〈あ〜あ、大学受験もイヤだし、どこかいい就職先ないかなあ!誰かお金持ちの人で、美鈴の事お手伝いでもいいから雇ってくれないかなあ〜〉
気がつくと車内はいつのまにか混んでいて、美鈴の前に、ある女性が立っていた。 〈あっ!今日もまた同じお姉さんだぁ。この頃毎日!それも私の事ずっと見られている感じ!もしかして私に気があるのかなあ〜なんて(笑)。カッコイイ男の子だったら良かったのになあ〜。でもそれにしても凄く綺麗な素敵なお姉さん!女の私でも惚れちゃう!…〉 美鈴はつい女性の顔を見つめ続けてしまったため、目があってしまった! 〈あっ!やばい!目があっちゃった!〉 するとその女性が、美鈴に向かって微笑み、何と声をかけてきた!
『おはよう!はじめまして!毎朝会いますね!私の顔に何かついてます?そんな大きな可愛い瞳で見つめられてドキドキしちゃいましたよ!(笑)』
「えっ!あっ!ごめんなさい…」予期せぬ出来事に美鈴はか細い声でうつむきながら答えた。 『ごめんごめん(笑)驚かしちゃったかしら??もしよかったら電車降りたらちょっとだけ時間くれない?次の○○駅で降りるでしょ?!せっかく知り合ったんだし…ね!実はいいお話があるの!』
吸い込まれるような笑顔と瞳に見つめられ、まるで狙われた子猫のような気分になった。 「あっ、は、はい。少しだけなら」 ふたりは駅のベンチに座った。…続く
(携帯)
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