| 「さやかちゃん、さっそくで悪いんだけど、この書類、作成してもらえるかしら?」 一枚の手書きの書類を渡された。取引先に送る案内状のようだ。 「はい、わかりました。あまり自信ないですが、やってみます。」 「うふっ、初日から頑張りすぎると疲れるわよ」
パソコンを立ち上げる間、書類に目を通す。
プルルル プルルル 「おはようございます、○△会社です。・・あら、おはよう。・・・えっ?そうよ、今日からね。
―私のことかなぁ?
・・・・まだ、だめよ、少しずつ始めるわ。ふふっ、そうねぇ、また報告するわ、それじゃぁね」
聞き耳たてすぎて、書類に手を付けていなかった。あわてた姿を見られたような、それになぜか微笑まれたのは気のせい?
なにが、まだなのかしら? なぜかドキドキしちゃってる。
入社して、社会にでた私は、一般常識と、それから、ビアンな世界に踏み込むとは考えてもいなかったことでした。
(携帯)
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