| 4月1日に入社してもうすぐ1ヶ月。 研修も終わり、配属されたのは営業課第2グループ。 もともと女性の多い会社なので上司も同僚も女性ばかり。 高原由希は初めて社会に出た楽しさと不安でいっぱいだった。 そして今日は由希のグループの新入社員歓迎会。 第2グループの新入社員は由希一人なので由希の歓迎会となる。 課の歓迎会はなんとなく堅苦しく、緊張もしていたためあまり楽しめなかったが、今度は内輪の歓迎会。由希はとても楽しみにしていた。
「高原さん、行きましょうか。」 由希が更衣室で私服に着替えると、ロングヘアーにきつめの顔立ち、篠原薫が声をかけてくれた。彼女はこのグループのリーダー。由希がひそかにあこがれている女性だった。 「はい!」 由希は元気良く返事をすると、薫は微かに笑みをもらし由希の隣を歩いた。 「今日の二次会は私の行きつけのお店なの。小さいお店だけと私のお気に入りなのよ。来れるでしょ。」 「はい!すごく楽しみです!」 由希はドキドキしながら足早に歩く薫の横を歩いた。
1次会は食事が中心。女性ばかり6人のグループはあまりお酒を飲まなくてもかなり盛り上がり、由希は楽しくてたまらなかった。 (この会社に入社してよかった〜) 由希は心の底からそう感じていた。
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