| 寝ている菜月の頬を撫で、宮崎は制服に着替えて家を出た。
学校に迎う途中の宮崎には下級生からの挨拶がかわされていく。
一人一人丁寧に挨拶を返す宮崎の目を一瞬で奪うように宮崎の前を彼女が… 由美が歩いていた。
由美を見付け、嬉しそうな顔を浮かべながら宮崎は由美が校内に入るまで手を出さないよう由美の後をついていく。
人気が無くなる廊下の角を由美が曲がる 慌てて宮崎は早足で由美を追う
「なんのつもり?宮崎」
角をまがった宮崎の瞳に写る由美は廊下の壁にもたれ、迷惑そうに腕を組んで睨み付けていた
「はは…、ばれてたの?」 何もないように宮崎は由美の頬に手を伸ばす
「触らないでよ」
パシンと乾いた音を出して宮崎の指を払い除ける
「気が強いのね、あいかわらずだけど」
払われた指を見つめ、口元に笑みを浮かべる
「何笑ってんの」
「別に?でもそんな態度とってる場合じゃないかもしれないよ?」
「どういう事?」
キツイ口調で話す由美にひるまず、宮崎は由美の耳元に唇を寄せた
〔菜月の鳴き声は可愛かったよ〕
宮崎の唇が耳元から離れたことすら気付いてないように由美の目は見開かれた
クスっと笑いながら宮崎は由美の手に何かを握らせて自分の教室に向かった
一人残された由美は、放心状態のまま握られた何かを瞳に映した
「……う…そ……」
たった一枚の写真が由美の身体を凍らせた 全てをさらけだした菜月が妖艶な笑みを浮かべてバイブを秘部に加えこんでいる姿。
由美は写真を強く握り締めて大粒の涙を流した きゅうきゅうと痛む胸のせいで涙はとめどなく由美の頬を伝っていった
(携帯)
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