| 2006/09/07(Thu) 18:27:47 編集(投稿者)
魅夜(みよ)ちゃんとは同じ委員会がキッカケで出会った。 ぱっちりとした瞳は睫毛が長く、色素の薄い髪は緩いパーマがかかっている。 声はかわいくて、いつも優しく響いた。
「真波ちゃん」
私は魅夜ちゃんに名前を呼ばれるのが好きだ。 魅夜ちゃんは私の名前を呼ぶ時ににっこりと笑ってくれる。
「委員会の資料、返しに行こう?」
「ん、良いよ」
他愛ない話をしながら資料室に向う。 資料室は校舎から離れていて、隣りの空き教室を運動部が更衣室代わりに使う時くらいしか人が来ない。
「そういえば古典の小テストがあるの、知ってる?」
「そうなの?! どーしよ、嫌いなんだよね、古典の文法…。 魅夜ちゃんは?」
「ふふふ、古典は割と得意なのよ。 教えようか?」
「ぜひお願いします」
そう言って頭を下げる私に魅夜ちゃんはいつも通り柔らかく笑う。 実を言えば最初は魅夜ちゃんが苦手だった。 だって絵に書いた様なお嬢様で女の子で、出来過ぎていたから。 だけど魅夜ちゃんは気さくで、あまり喋らない私にも話しかけてくれた。 うん、私は魅夜ちゃんが好きだ。 少なくとも今まで出来た友達のなかでは一番。
(携帯)
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