SMビアンエッセイ♪

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■4502 / inTopicNo.1)  艶心如月 〜艶やかな心は月の如く〜
  
□投稿者/ 芯 一般人(23回)-(2007/07/18(Wed) 15:19:05)
    まえがき

    前作「光と影」より、設定・シチュエーションが若干変りますが、
    主人公“DeepSeaのアキラ”は変わりなく登場します。
    新たなお話として、お読み下さると幸いです。
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■4503 / inTopicNo.2)  艶心如月 1
□投稿者/ 芯 一般人(24回)-(2007/07/18(Wed) 16:08:28)
    東京のとある大きな駅。歩いて10分程に駅前の喧騒が嘘の様に閑静な一角。
    そこに遠慮がちに佇むバー“DeppSea”。ごくごく普通のショットバー。
    老若男女いろいろな人が利用する。
    ただ、オーナー兼バーテンのアキラが、トランスである事は、
    一部の女性客しか知らない。見た目はごくごく普通の40代前半の男性。
    「カッコイイ」「男前」「美形」でもない平分な“男性”にしか見えない。
    何故か、そんなアキラに惹かれ、“アキラ目当て”で訪れるビアンの女性客は多い。
    アキラを誘う女性もいるが、アキラは、そんな気を全く見せず、優しく振舞うだけ。
    先日もセレブな女性が、高価な腕時計のプレゼントと高級ホテルを用意し、誘うが、
    アキラは、丁寧に静かにやり過ごす。そんなアキラの姿に余計に惹かれる。

    ある夜。大型の台風が関東に接近し、外は雨風で大荒れ。そんな天候の為もあり、
    客足も全くない。アキラは、グラスを拭きながら扉の横にある窓を眺め
    『この天候じゃあ、今夜は誰も来ないかなぁ。早めに店を閉めよう。』
    と思い耽っている時、扉が開き、外の嵐の音が大きく聞こえ、
    ひとりの女性が入って来た。ひと月振りくらいになるだろうか、ユミだった。
    こんな天候なのに小さな小さな折り畳み傘をたたみながら入ってくる。
    当然ずぶ濡れ。白いブラウスも肌に密着している。
    アキラは、「いらっしゃいませ。大丈夫ですか?」と言いながら、
    慌てて大き目のタオルを手に取り、カウンターから慌てて入口のユミに近づき
    「風邪ひきますよ」とタオルを手渡す。
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■4506 / inTopicNo.3)  艶心如月 2
□投稿者/ 芯 一般人(25回)-(2007/07/20(Fri) 18:50:58)
    アキラは、ユミをカウンターに座らせた。深刻な暗い顔をしている。
    ユミは、“何かあり”、こうしてDeepSeaに来た。
    そして、今夜は、アキラに“どうにかして欲しい”と思いやってきた。
    また、アキラも、ユミが彼女と喧嘩したのか、仕事で嫌なことがあったのか、
    アキラには想像できた。“どうにかして欲しい”と言う思いがある事も察している。

    アキラは、あえてごくごく自然に暖かい日本茶を薦め、「ご自宅は遠いのですか?」
    と問い、ユミは、「クルマで20分くらいかな」と何かを期待するように答える。
    「お茶飲んだら、タクシーを呼びますから、早く帰って着替えた方がいいですよ」と
    返す。ユミの『そんなぁ・・・』と言うような顔を気付かない振りをしながら、
    あえてテキパキと行動する。電話でタクシーを呼ぶ。
    「10分くらいでタクシー来るそうですよ」と伝え、熱いおしぼりを渡す。
    アキラは、「こんな天候だから、もうお客様もいらっしゃらないから店を閉めますね。
    一緒に出ましょう」と伝え、テキパキと支度をする。

    数分してタクシーが来た。アキラは、ユミを促すように「一緒に出ましょう。
    早くご自宅に帰って着替えないと。送ります。」と背中を押す。
    ユミは、優しく背中を押された感覚と共に、少しだけアキラに背中に
    触れられただけなのに、なんだかアキラの意のままにされた感覚を覚える。
    店の前に止まっているタクシーにユミを乗せ、店の鍵を閉めアキラも続いて乗る。
    「○○町まで」とアキラが告げる。ユミは、アキラの告げた行先が自宅とは
    正反対なのに気が付き、「私の家は・・・」と言いかけた瞬間、
    アキラに「黙っていなさい。僕の家に行くから。」と言われ、
    「はい・・・」と、丸で命じられた様に答える。
    ユミは、胸騒ぎで、アキラとタクシーの運転手の会話も耳に入らない。

    暫くして、あるマンションの前に到着する。タクシーから降り、マンションへ入る。
    部屋の鍵を開け、アキラが先に入り、「どうそ」とユミを導き扉を閉める。
    アキラは、靴を脱ぎ上がったと同時に「寒くないですか?遠慮なく上がって」
    と問うと「大丈夫です」と小さな声でユミが玄関先から上がりながら答える。
    アキラが出してくれたスリッパを遠慮がちに履きながら顔を上げた瞬間、ユミは、
    アキラに抱き寄せられ、激しくキスをされる。

    ユミは、当初、嫌なことがあり、アキラに“どうにかして欲しい”と思い、
    店を訪れたが、アキラがその気を見せなかったので、我に返り、
    今夜は何事もなく自宅に帰るつもりでいた。
    いきなりのアキラの激しいキスで戸惑いながらも、
    違和感も嫌悪感もなくアキラにされるがままになってしまうユミ。
    アキラのキスが更に激しくなると同時に、アキラの手がユミの後ろに回り、
    スカートをたくし上げ、ショーツの後ろをお尻に食い込ませ、
    出てしまったお尻を鷲掴みにされる。
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■4511 / inTopicNo.4)  艶心如月 3
□投稿者/ 芯 一般人(26回)-(2007/07/23(Mon) 10:55:51)
    部屋に入って、いきなりしかも玄関先で・・・。
    でも、ただただアキラにされるがままに、胸の中に抱かれ激しくキスをされ、
    お尻を鷲掴みにされるユミ。気が付いたらいつの間にかスカートを
    足元まで落とされている。アキラの舌が容赦なくユミの口の中に進入してくる。
    アキラは、ゆっくりとユミのブラウスをボタンを外し、脱がす。
    下着姿だけになってしまう。ブラの片方を下にずらされ胸が出る。
    と、共にむぎゅっと胸を揉まれる。ユミは声を出したいが、
    アキラの激しいキスに掻き消される。『もうダメ・・・』とユミが思った瞬間、
    ひょいと抱きかかえられ、アキラに部屋に連れて行かれる。
    玄関先に脱がされた服とバッグが無造作に置かれたまま。

    ユミをリビングのソファーにゆっくりと座らせる。
    アキラは、ベッドの上に置いてあったバスローブを、
    「風邪ひくといけないからこれを着ていなさい。」と手渡す。
    予想外のアキラの行動に戸惑いながらもアキラに進めたれたとおり身にまとう。
    アキラは、リビングから出て、玄関先に脱ぎ捨てられた服を丁寧にハンガーに
    掛け、浴室に吊るし、浴室乾燥のスイッチを押す。
    ユミがバスローブを身に付けたころ、リビングに戻ってきたアキラは、
    キッチンでホットミルクを二人分作り、ユミに「これ飲むと温まりますよ。」
    と進めながら、ユミの正面に腰掛けミルクを飲む。
    ユミも進められた通りミルクを飲む。何分間かアキラは、ユミと世間話をする。
    ユミは、返事をしたり、相槌を打ちながらも、アキラとの会話が頭に入らない。

    店に行きタクシーに乗るまでは、いつもの優しいアキラ、
    部屋に入ったとたん激しいアキラになり、『もうアキラさんの意のままに・・・』
    と思ったが、また、いつものアキラになる。
    そんなアキラの行動に戸惑う。

    どれくらい話をしただろうか、何分かして、アキラが、
    「服はもう乾いたかな」と浴室に確かめに行く。
    戻ってきたアキラは、「もうすっかり乾いているから、
    向こうに行って着替えてくるといいですよ。
    着替え終わったらご自宅まで送ります」伝える。
    ユミは、今夜はこのままアキラに抱かれると考えていたが、
    アキラに促されるままリビングを出て着替える。ユミは、着替えながら、
    心を落ち着かせようとするが、火照ってしまった身体はなかなか落ち着かない。

    着替え終わり、アキラと一緒に部屋を出る。
    マンションの駐車場に行き、一緒に車に乗り込む。
    アキラは、ユミに自宅の場所を詳しく聞き、車を走らせる。
    ユミの自宅の近くまで来たところでアキラはユミに、
    「明日明後日の土日は、お休みですか?どう過ごす予定ですか?」と
    丁寧に優しく問う。ユミは特に予定がない事をアキラに告げるが、
    アキラは、無言のまま車を走らせる。一人暮らしのユミのマンションの前に付き
    「明日お昼ころ迎えに来る。土日は、僕の為に、時間を空けておきなさい」
    と告げ、ユミを降ろし去って行った。
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■4512 / inTopicNo.5)  艶心如月 4
□投稿者/ 芯 一般人(27回)-(2007/07/24(Tue) 17:37:39)
    翌朝ユミは、今日の事を考える。“普通のデート”であるはずはないだろうと思うと、
    身体が熱くなる。毎朝浴びるシャワーも今日は、心なしか入念になる。
    アキラに見られる、触れられるであろう箇所を丁寧に洗う。シャワーから出たユミは、
    ひとまず部屋着に着替え、窓の外を眺める。昨夜までの台風の嵐が嘘のような快晴。
    都会の塵を全て洗い流したかのように遠くまで景色が見える。
    ただ、ユミの視界には、そんな爽やかな景色も、記憶に残らないようにぼんやりとしか
    視野に入らない。綺麗に遠くまで見える鹿敷の中に、アキラとの昨夜のこと、
    これから過ごすアキラとの時間を思う。

    何を着ていこうか、昨夜から考えるがなかなか決まらない。
    『どんな下着がいいか・・・そんな服にしようか・・・・』
    ルージュひとつから迷ってしまう。そんな、わくわくした時間は直ぐに過ぎてしまう。
    昨夜教えたアドレスにアキラからメールが入る。“12時にお迎えに上がります”。
    あと1時間くらいしかない。迷いながら慌てて下着を付け、服を着て、化粧をする。

    少しして化粧をしている最中、ふと時計に目をやると、もう約束の12時。
    『どうしよう。まだ支度出来ていない。』と焦りながらも丹念に支度を進める。
    12時を30分回ったところでやっと身支度が済んだ。そのほんの数分後、
    アキラから“今、ご自宅の前に到着しました。遅くなりました。”とメールが入る。
    迷いながらの支度できっと時間が掛かるであろうとユミの心中を察して、
    あえて30分遅く到着したアキラの配慮なのだろうか。
    “5〜6分で行きます”と返事をする。戸締りをしながら、
    鼓動が高まってくる自分に気が付くユミ。ゆっくりゆっくりアキラの元へ歩み寄る。
    車の前に立って待っているアキラが見えた瞬間、胸がキュンと締め付けられたような、
    そして、アキラと目が合った瞬間、身体がじゅんと反応してしまう。
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■4513 / inTopicNo.6)  艶心如月 5
□投稿者/ 芯 一般人(28回)-(2007/07/25(Wed) 19:04:06)
    アキラにエスコートされ車に乗り込む。「明日夕方に帰ってくる予定だけど大丈夫?」
    とアキラに言われ、「大丈夫です」と気丈にユミが答えと、
    アキラが「じゃあ、後は僕に安心して付いて来なさい。途中、軽く昼食を済ませよう」
    答える。どこに行くのか、どう過ごすのか、ユミには全く解らず想像もつかないが、
    不思議と何の不安もない。

    途中、軽い昼食を済ませ、車は、高速道路に入り、郊外へと向かう。車の中では、
    FMラジオが掛けられ、流行の曲やちょっと懐かしい洋楽、DJの声が聞こえてくる。
    車の中では、アキラと他愛のない会話が続く。

    ふとユミは想う。トランスのアキラは、見た目も声も仕草も男性である。
    知らない人は、アキラは、普通に男性としか解らないだろう。
    でも、どこか女性である雰囲気と言うか、リズムと言うか、言葉や文字では
    表現が難しいが、漂う。言葉遣いも仕草も男性であるが、
    内面や思いやりや心に女性らしさが感じられる。表面的なアキラは、
    太陽の様に暖かく大きな存在。しかし、本心や人としての中味は、
    妖艶で優しく月のような存在である。ユミが何故か安心でき心が落ち着くのは、
    そのためだろうか。そう感じながら、助手席からアキラの横顔を覗く。
    何故だか涙が出そうになるのを堪える自分に気が付く。これから起きるであろう事、
    アキラにされる事、何でも受け入れられる、されるがままになりたい、
    そう心がいっぱいになる。そして、また、身体がじゅんとする。
    疼き濡れてしまっている。その瞬間、他愛無い会話の最中、アキラが突然、
    「疼いてるのかな?濡れてしまっているのかな?」と言われ、驚くが、それよりも、
    『私の事を解っている、受け止めてくれている、私を見ててくれている』
    そんな思いが強くなる。ユミは、「はい。何故だか自分でも解らないけど・・・・」
    と正直に答える。
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■4514 / inTopicNo.7)  艶心如月 6
□投稿者/ 芯 一般人(29回)-(2007/07/26(Thu) 19:02:37)
    車は高速道路を走る。こまめにサービスエリアに入り休憩を取る。
    1回目は、トイレ休憩。2回目は、飲み物を買う。3回目も簡単な休憩だったが、
    アキラの行動が少し違った。1、2回目は、ユミとアキラが横に並び一緒に歩き、
    車道を横切る時など、アキラが、ユミの背中を軽く押しエスコートしていた。
    3回目の時、休憩が終り車に戻る際、車道を横切る時、今まで通り、
    背中を押してエスコートするのではなく、アキラは、ぎゅっとユミの肩を抱き寄せ、
    そして腰をぎゅっと抱き寄せ、「僕に密着して離れないように」と言いながら、
    アキラの手は、更にユミのお尻に触れ強く抱き寄せる。ユミは『あぁ』と感じながら
    「はい」と従う。そして、また、車に乗り込み出発する。さっきまでは、
    他愛のない会話の日常のドライブの雰囲気で過ごしていたユミは、
    今のぎゅっと抱き寄せられた事により、身体が熱くなる。
    心の底から『早くアキラさんに・・・』と思う。
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■4564 / inTopicNo.8)  芯さんへ
□投稿者/ みほこ 一般人(2回)-(2007/08/13(Mon) 00:10:11)
    前作からのファンです。
    ユミさんと同じ様に「早くアキラさんに・・・」という気持ちです。
    芯さん、続きを楽しみにしています。
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