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■5597 / inTopicNo.1)  プロローグ  
  
□投稿者/ 慈雨 一般人(1回)-(2009/02/06(Fri) 19:16:47)
    暗い  暗い  漆黒の闇の中






                    貴方は  狂ったように  笑いかけて






      微かに  蝋燭の  細い火が  揺れて  揺れて






                               どうか







    私の思いも  この闇に  飲み込まれますように






                             光に照らし出されませんように






    貴方のような  狂った者に  ばれてしまわぬ様に






                              どうか 閉じ込めて











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■5598 / inTopicNo.2)  第一章  始まり
□投稿者/ 慈雨 一般人(2回)-(2009/02/06(Fri) 19:44:33)
    今、この地上には5つの国がある。


    1つは、1番大きな国として栄える『藍』。国全体が純和風の国だ。
    国民は皆和装で、建物も何もかも和風に統一された国である。


    2つ目は『ソルボワーヌ』だ。国全体は洋風である。
    国民は陽気な性格と知られ、『藍』とは異なり洋風に統一された国だ。


    3つ目の国は中華風の国、『ガジェンカ・ルシカ』。
    まるで古来の中国のような雰囲気の国で、規制は1番厳しい。


    4つ目、『ミルテッロ』。その歴史は血にまみれているという噂である。
    近代風の建物が並び、海の幸が最も有名だ。


    最後の国は、『アンドロ・スボンヌ・ザンクス』。通称『アンドロ』。
    軍事に力を入れている軍事国家で、行事がたくさん行われる。






    そんな5つの国は、互いに領地争いをしていたが今は終戦を迎えて130年。
    それ以来戦争も何もなく、平和に時を過ごしていた。


    しかし、そんな平和もそうそう続くものではない。
    1番過激な王国、『アンドロ』が『藍』に攻撃をしかけたのだ。
    宣戦布告、と受け取った『藍』は、『ミルテッロ』と同盟をすぐに結んで反撃を開始。戦争がまた始まってしまった。

    結局、『アンドロ』と『ソルボワーヌ』、『藍』と『ミルテッロ』の戦争が始まった。『ガジェンカ・ルシカ』はどちらにも加勢せず、中立の立場を選んだ。

























    これは、そんな5つの王国の話である・・・・。


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■5600 / inTopicNo.3)  第一章  始まり@
□投稿者/ 慈雨 一般人(3回)-(2009/02/08(Sun) 23:05:21)
    ここは『藍』の首都、朱櫻にある王が住む城から北方に約3キロ離れた場所に位置する宿舎。
    この広大な敷地の宿舎は兵が住んでおり、仲間と鍛錬や食事、勉強などをして暮らしている。そして、国から出動命令が下れば、すぐにでも戦地へと向かうのだ。

    宿舎の他には、自衛隊のような鍛錬器具を備えた広いグランド、体育館のような外見の巨大鍛錬場などが装備されている。

    本当は男女共同で使われていた宿舎だが、数年前にセクハラが問題となり、男性兵は別に作られた方へと移り住んだので、ここには女性兵しかいない。
    女性兵を雇うなんて、この国だけだろう。しかも、男性軍に後れを取らない程、いや男性以上に強いかもしれない。



    「そこ、3班!もっと大砲は厳重に扱え!」

    「15班!さっさと銃を構えなさい!」


    鍛錬場。その中では凛とした少し女性にしては低めのハスキーな声が飛ぶ。
    今使って鍛錬しているのは陸軍。声の持ち主は陸軍大佐、総月である。
    黒い布生地に白いラインが入った着物のような着こなしをした軍服、腰まである黒い漆黒の長髪に赤い双眸を持つ。

    大佐は歴代、名前に月を入れるのがこの国の習わしだ。
    名前に元々入っていない人は改名、更に上がった時には元に戻しても、しなくてもいいというものである。



    「お、総月やん♬ここにおったんかぁ〜、はよ来れば良かったな」


    ガラガラ・・・と言う音と共に、鍛錬中の陸軍の軍人を関西弁を話しながら見渡しているのは、海軍大佐である香月である。

    白い生地に黒いライン入りの軍服に、肩までのポニーテールにした金髪を揺らしている。その青い目は深い海のような濃い色だ。


    「敬礼!」


    一人の女性が高い声で言うと、皆その場で直立不動の姿勢をとり敬礼した。


    「も〜、ええよ、そんなよそよそしくせんでも。やめ?」


    アハハ、と笑って香月がそういうと、は!と言う声と共に手が下がってピシッと体の横につけられる。




                         















    「で、何の用だ?香月海軍大佐が直々にこちらへ出向くなどとは」


    あの後鍛錬を切り上げた総月は、宿舎の中にある大佐専用の部屋である自分の部屋に香月を招いていた。
    そして、2人で和菓子を前に抹茶を堪能していた。


    この和菓子の桜綺麗やね、と感心していた香月は、総月にそう問われると机の上で手を組んだ。そして、その手の上に自分の顎を乗せる。


    「だってさぁ、俺は2ヶ月のスパイ活動でいなかったんだぞ?そりゃ恋人に会いに来るわ・・・なぁ?」


    突然声音を変え、口調まで変えた。

    実は普段は関西弁を話す香月だが、実際は男勝りな喋り方なのである。
    そして、総月と香月は1年前から付き合っていた。

    やはり女性だけという環境の中で、女性同士で付き合う兵が何人も現れる。
    この2人の大佐以外にも付き合っている人は山のようにいた。
    同じ陸軍同士で、違う所属同士で・・・・中には上下関係関係なく、上司と部下でも付き合っている。
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