SMビアンエッセイ♪

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■5665 / inTopicNo.1)  拾われて   プロローグ
  
□投稿者/ 郭炉 一般人(1回)-(2009/04/06(Mon) 16:54:32)
    その出来事は、6月・・・・梅雨のある日の出来事だった。




    その日1日は、まさにバケツをひっくり返したような大雨で、傘をさしても雨で濡れてしまうほどだった。
    傘が全くもって意味を持たない。
    唯一の救いは、風が大してない事だった。しかし、気温も湿気も高く、じめじめとして気分も暗くなる。




    『拾われて』




    私は、近所のスーパーに買い物に行ってきた帰りだった。




    今日は本当についていないと心底思う。
    晩御飯の材料が全くと言ってもいいほどに、冷蔵庫には無かった。
    そこまでは仕様が無いのだが、自転車は壊れてしまっているし、車は車検に出してしまっていて無かった。

    私は、傘を差して歩いて行く他にはなかったのだ。




        
                    * 





    ずしりとしたスーパーの半透明の袋を左手に、黒と白のドット柄の傘を右手に持ち、多少イラつきながら急いで自宅へ帰る。
    早くしないと、身体も買い物も濡れてしまう。



    一人暮らしをしている薄紫のマンションに着くと、急いで入り口へ向かった。
    幸い、マンションの入り口には屋根が付いており、そこで傘をたたむ事ができた。



    傘を少し振って、雨の水滴を落としていると、小さなくしゃみが足元から聞こえた。
    なんだろう、とちらりと初めて右側に目をやると、1人のびしょ濡れで震えている少女がいた。



    彼女は、染めていると思われる明るい茶色に染まったショートカットに、黒い切れ長の目が特徴的だった。
    服は白いワイシャツのみで、下は黒いズボンに裸足・・・いかにも寒そうで、家出をしてきた感じだ。
    しかも、古いダンボールの中で体育すわりをしていて、傷だらけの身体を休ませている・・・見た目は20代前半。



    「あの・・・・・?貴方はどなたでいらっしゃいますかね」



    恐る恐る、しかし心配しつつその人に尋ねると、ゆっくりと私の方に視線を向けてくる。
    その目は、しっかりとした意思を秘めたような強い目で、それと共に悲しみや淋しさに塗れていた。



    「あ・・・・・っ」



    彼女はしばらく私を眺めた後に、少し俯くと恥ずかしそうに俯いて声を上げた。
    少し低めの、目の感じと一緒の声だった。



    「・・・・貴方は・・・・俺の新しい御主人様・・・・・?」



    は?とつい固まってしまった・・・・・御主人様・・・・・・?
    私にはそんな趣味はないし、第一赤の他人、見知らぬ女性だ。いきなり言われても・・・困るだけだ。



    「あの、とりあえず中に入りませんか?濡れちゃってるし・・・・・・」



    一応、黙っている彼女の肩を抱いて、マンションの中へと連れて入って行った。














    ・・・・・これが、彼女との出会いだった。
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■5666 / inTopicNo.2)  拾われて   家で
□投稿者/ 郭炉 一般人(2回)-(2009/04/06(Mon) 17:26:06)
    マンションの4階に、私の住んでいる部屋はある。
    広めの部屋で、風呂、トイレ、キッチン、リビングともう1室が付いている部屋だが、そろそろ出ようかと考えているところだった。



    中へ入ると、まず、やはり黙っている彼女をお風呂へ入らせた。
    随分長時間外にいたみたいで、肌が透けてしまうほどに濡れていたのだ。風邪を引いてしまうといけない。


    お風呂に入っている間に、暖かい紅茶を沸かし、隣に住むおばさんに頂いた洋菓子を出して、小さな木製のテーブルに並べた。





    丁度、それらが終わった時に彼女はこちらへとやってきた。



    「うん、服のサイズは問題ないね」



    多分彼女は、私の着ている服の1つ下のサイズなのだろう。少し大きいが、小さくは無いので問題ない。
    私の黒いジャージを貸してあげたのだが、袖もぶかぶかだし、ズボンも少し引き摺る感じだが・・・・まあいいだろう。


    「ごめんなさい・・・・」


    ポツリと呟くと、私の横にぺたりと座った。少し湿っている髪が垂れて、少し色っぽい。


    「いいよ、別に。家出?」


    そう聞くと、彼女は弱々しく首を左右に振った。違うらしい。
    私は、無理矢理聞くのもなんだし、彼女が自ら話すのを待つことにして、紅茶とお菓子をすすめた。




                      *



    食べ終わって、私が食器を洗い終わる頃に、彼女は自分の事を話し始めるようにまでなった。
    空腹も満たされ、警戒心も解けているようだ。安心したのだろう。



    彼女の名前は、高草充流(タカクサ ミチル)。22歳の女性だ。両親はすでに交通事故で亡くなっているという。私の1つ年下である。
    つい一昨日まではとある人と同居していたらしい・・・それが御主人様だった。


    充流は中学生の頃ぐらいから、自分が恋人に意地悪をされるのが好きだと気が付いた。まあ、自分がMだと気が付いたのだ。
    それからはSである人と付き合うようになっていったらしい。
    彼女はバイ・・・男でも女でも好きになれる性格で、今まで男女4人と付き合ったが、長続きはしなかった。


    しかし、1年半前にとあるバーで元御主人様、明日宮さんと出会う。
    彼女に「私に付いて来る気はある?」と言われて、彼女のペットになった充流だが、彼女は凄まじかったという。
    鞭や蝋燭、過激な露出などを彼女に強要し、言う事を聞かなければ暴力、機嫌が悪くても暴力。ご飯を抜かれたりする事もしょっちゅうだった。

    そんな場所が嫌で、もっと自分を大切にしたくて脱走を幾度か試みるが、その度に捕まり拷問を受けていた。
    そして、一昨日やっと抜け出せた彼女は、行く当ても無くフラフラと来ていたらしい。



    「なるほどね・・・」



    私は乾かした自分のセミロングの黒髪を、くしでときながら聞いていた。
    私も既に汗と雨に濡れた服を着替え、白いワンピースを着ている。



    「あの、さ。行く当て・・・・ないんでしょ?」


    「・・・うん・・・・・」



    しょんぼりと彼女が答える。どう見ても精神的・肉体的ショックが大きいだろう。このまま放っておくわけにはいかない・・・・。






    「私と一緒に暮らす?」












    彼女の答えは・・・・首を縦に振った。
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■5667 / inTopicNo.3)  拾われて   同居
□投稿者/ 郭炉 一般人(3回)-(2009/04/06(Mon) 18:53:04)
    「御主人様・・・じゃない、貴方の名前って?」



    そう充流に尋ねられ、私は自分の名前を告げた。



    「菅原美都(スガワラ ミト)。充流の1歳年上で23」



    私の名前を教えると、充流は少し微笑んだ。その顔が可愛らしくて、私は不覚にも少しときめいてしまった。
    そして、彼女に聞かれる前に、私は自ら私の事を話し始めた。


    私の両親は、今は海外で仲良く暮らしていて、滅多に2人には会わないこと。
    仕事はチョコレートの専門店と雑貨店を営んでいること。
    自分もバイで、今まで男性1人、女性2人と付き合ったこと。
    SM系には、自分は一切興味が無いし経験も無いこと。
    今はマンション暮らしだけど、近いうちに隣町に引っ越す予定ということ。


    彼女は黙ってじっとこちらを見て聞いていた。
    私が話し終わると、あ、と小さく声を漏らした。



    「どうしよう・・・荷物持って来てないよ」


    彼女は手ぶらだったので、その事は見ても明らかだったが、ずっと私の服を着るわけにもいかない。


    2人で話し合って、今週の日曜日に買い物に行くことにした。
    充流は無事に家の外を歩けるかは分からないが、とりあえずはその日に大体は揃えようという事になった。


    そういえば、明日は私は仕事の予定が午後から入っている。
    今の充流を1人にさせたくは無いのだが、働かなければならない。
    不安だが仕方の無いことだ。



    「とりあえず、夕ご飯食べようか。今夜はピラフとサラダだけど、食べられる?」



    「うん。食べられるよ」



    「じゃあ、今から作るから・・・テレビでも見といて?スグだよ」



    そういって私はキッチンへ行くと、なるべく急いで夕ご飯を作り始めた。
    材料が足りるか心配だったが、私が元々食べる量が多めなので大丈夫そうだ。
    その間、充流はテレビをつけてドラマを見ていた。が、やはり笑みはない。
    たまにふっと微笑むだけであった。


    作り終わると、充流が気付いてテーブルの前に座った。まあ匂いで分かるのだろう。


    「美味しそうだねっ」


    「そう?ありがと」


    そう言って、私達は食べ始めた。先ほどお茶を下ばかりなのにすんなりと食べ終わり、食後のデザートで苺まで食べ終わった。










    それからすぐに、私達は1つの布団で寄り添って眠ってしまった。
    その頃には雨は止んでいて、少しだけ星が瞬いていたという・・・・。
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■5668 / inTopicNo.4)   拾われて 仕事
□投稿者/ 郭炉 一般人(4回)-(2009/04/07(Tue) 15:29:35)
    朝・・・・といっても、11時過ぎに目覚めると、最近はずっと降っていた雨が止んで晴天だった。
    隣を見ると、充流はすやすやと掛け布団の白いシーツを握り締めて眠っている。
    その寝顔は、年齢よりも少し幼い感じがする顔だ。


    私は起こすのも悪いなと思い、静かに布団を抜けると朝食を作り始めた。
    今朝は、コーヒーとブルーベリージャムをたっぷり乗せたトースト、ヨーグルトとバナナ。
    便秘がちな身体を気遣い、毎朝必ずヨーグルトとバナナを食べている。もう日課だ。



    食べ終わって、食器を洗い終えても彼女は起きなかった。
    よっぽど疲れているのだろう。
    もうちょっと家にいたいが、仕事があるので行かなければならない。
    私は不安になりつつ、メモを残していくことにした。


    『充流へ

       おはよう。これを読んでいる頃には、私は仕事中でしょう。
       起こすのが可哀想だったので、寝かせておきました。
       ご飯は、冷蔵庫にある程度は入っている食材で作ってね。
       テーブルにコーヒーとバナナを置いておきます。
       コーヒーは温めて飲んでね?
       いってきます。
       PS  困ったこととかあったら、下に書いてある電話番号に電話して。
       私のお店の電話番号です♪
        
                               美都』


    電話番号を書いて、私は薄い水色のシャツと黒いスーツに着替えてから仕事に向かった。一応、鍵は閉めていった。









                        *








    マンションから車で約20分。ちょっと離れた場所に、私が経営するチョコレートの専門店はあった。


    その店の外見は、黒い壁に白いドア。外からは中の様子は見えないが、横のほうに小さな出窓がいくつかついている。


    表の入り口から入ると、先に来ていた店員・・・ここで働いて3年目の葵さんが私に気が付く。



    「おはようございます、店長さん♪」



    「おはようございまーす。葵さん、なんですかソレ」



    葵さんは私の3つ上だ。一応私は店長だが、年上という事で敬意をはらって敬語で喋る。


    葵さんは、両手に大きなダンボールを抱えていた。
    確か、今日入荷したチョコレートは、そんなに多くは無いはずだ。


    「ああ、コレ?私の知人から頂いたの。蜜柑や苺とか、まあフルーツ系のチョコだって。いくらなんでも多いけどね」


    苦笑しながら、葵さんはそのダンボールを置いて、上に貼ってあったガムテープを剥いだ。
    中からは甘い匂いと、ダンボールの匂いが少しだけ混じった匂いがしてくる。



    「どうする?コレ売っちゃう?」



    「そうですねー・・・売りましょうか」



    ちょうどスペースが空いていたので、その場所に並べてもらった。

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■5686 / inTopicNo.5)  Re[4]: 拾われて 仕事
□投稿者/ さき 一般人(1回)-(2009/04/12(Sun) 00:15:56)
    続き楽しみにしてます。
    頑張って下さい♪
引用返信/返信 削除キー/
■5711 / inTopicNo.6)  Re[4]: 拾われて 仕事
□投稿者/ 塊 一般人(1回)-(2009/04/19(Sun) 22:25:35)
    面白いです
    続き待ってます

引用返信/返信 削除キー/



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