| 枕元に、沙耶は刀だけは置いていた。 「私がこれを抜いたら、体に布団を巻きつけなさい。危ないから…」 そう言われても、怖くはなかった。私は沙耶の肩に頭を預け、昼間の続きの唇を額から頬、頬から唇の順に受け入れた。 沙耶は私を壊れ物のように扱った―――キスを繰り返しては私の目を覗き込み、これ以上進んでいいのかと目で尋ね、決して性急な動きはしなかった。 「―――お願い…」 首筋に唇が降りた時、こらえ切れずに私は両腕で沙耶の背中を抱え込む。着慣れぬ浴衣の生地の下、下着を着けていない素肌は既に火照りきっていた。 「…あっ……」 首筋を唇と舌で丹念になぞりつつ、沙耶の手が生地の上から乳房を包んだ。手の平でやんわりと撫でさすられ、糊のきいた生地が乳首をこすり、その快さに私は身をよじる。 「あ……あぁ…」 「―――大丈夫?」 気遣わしげに顔を上げて沙耶が聞く。私はしきりに頷き、両膝を立てて沙耶の身体を挟み込んだ。 「おかしく…なりそう…」 これまで経験してきた露骨な快楽優先の愛撫とは違い、優しく穏やかな愛撫であるが故に、私は早くも乱れ始めていた。 「ああ―――こんなの……あ…」 首筋や耳の後ろに吐息と唇を感じ、浴衣の生地を押し上げる乳首に指を感じる。そこを軽く指が往復するだけで、体が芯からとろけ出す。 「……んっ…ああ…あ…」 浴衣の襟元が緩められ、そっと開かれる。沙耶はそこに顔を埋め、熱く張りを持つ乳房を口に含んだ。 「ああっ―――」 舌先が乳首を捉え、ゆっくりと転がす。それを左右交互に繰り返し、濡れそぼった乳首をさらに敏感に、硬くする。 「……あっ、あっ、あ……はあ…ん」 「―――可愛い」 沙耶は体をずり上げて私の顔を覗き込み、唇を塞ぐ。 私も夢中になってそれに応え、舌と舌を絡ませる―――泣きたいほどの切なさが胸を締めつけ、涙がにじむ。 「どうしたの」 沙耶は唇を寄せて涙を吸い取り、しがみつく私をゆったりと抱え込んだ。 「…分からない」 両腕と両膝で沙耶を放すまいと強く抱き締めながら、私は喘いだ。 「分からないけど…」嬉しいのだと答える前に、再び唇を塞がれた。 浴衣の腰紐が解かれ、脇をすくい上げられ、同じように身を起こした沙耶の膝に乗せられる。 「………あっ!」 沙耶の肩に頭を預け、私は身体をこわばらせる。はだけた裾に手が滑り込み、潤んだそこに指が触れた。 「ああ―――ふ……」
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