| 『おいで』 優しくささやくと椅子に座った私の元へ首輪をチリンとならしてすりよってくる。 『いい子だね』 目を細めて頭をゆっくり撫でる。それが嬉しいのか頬を染める。そしてはにかみながら膝に頭を乗せてくる。ゆっくり撫でてやると安心したように目を閉じる。 『今日はお風呂にいれてあげる約束だったね』 そうささやくと耳が赤くなる。 『いやなの?』 意地悪く聞くと首を思い切りふる。そのたびに首輪は音をたてる。 黒い細身の皮の首輪は白く細い首によく似合う。私が見立てたものだ。 『じゃあお風呂場に行こうか』 そういうと私の可愛い猫は首まで赤くなる。 何度となく夜をともにしても恥じらいを忘れることが無いそんな猫をいとおしく感じる。
(携帯)
|