| 「あっ、いッ・・・・ぐぅッ・・・・はあっ・・・・・あっ!」
赤い小さな華のように、あまり日焼けをしていない白い肌に蝋が垂らされる。 それは鮮血のように、暗闇の中の一寸の光のように鮮やかに映える光景だった。 服を纏っていない全裸になった背中に垂れる度、小さな呻き声が部屋に響く。 その蝋は、プライドも理性も何もかも溶かすほどに熱い。 実際、彼女のプライドも理性ももうほとんど残ってはいなかった。 ただその熱さに耐え、姿勢を崩さないように踏ん張り、喘ぐしかなかった。
「ね、そんなにコレが良いの?」
全身に黒を纏った、男性のような女性が彼女の髪を掴み、無理矢理顔を上げさせる。 彼女はその衝撃に息を呑む事しか出来ず、虚ろな瞳が女性を映していた。 薄暗い中で、蝋燭の灯だけが部屋や彼女達を照らし出している部屋で、四つん這いの彼女と、その背中に跨る女性。 いつまでたっても荒くした息しか聞こえない事に女性は苛立ちを覚え、蝋を近距離から垂らすと、垂らした直後にそこを針で刺した。
「いいいいぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
ビクン、と身体をしならせ、彼女は意識を手放し、同時に果てた。 最後にするりと背中から下りた女性の眉をひそめた顔と、低く怖い声が聞こえた。
「駄目な猫だ」
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