| 「密演とは女の体の芯で筆を携え、大書を家元と師範たちの前で実演披露することです」「その際、女性器に墨を塗り器拓を押すことで刻印とします」 「さ、ツキヨさん筆にたっぷり墨をつけて、思い切り腰を動かして書いてね。しっかりと窒で筆をくわえて腰を大胆に動かさなければ完成しないから、さあ、今日からみっちり一月頑張って。よろしいですね?」 ツキヨは穴に筆を挿したまま、おずおずと腰を落とし墨を含ませた。快感が堰(せき)を切ったように押し寄せ、一月後に大勢の女の前でこの姿を晒すことを想像すると穴の奥から濡れた液体が筆をつたっていつの間にか垂れて来ていて墨汁と混ざりあっていた。 豊子は目ざとく見付け「ツキヨさんくれぐれも筆を落とさぬよう」と意地悪く扇子でピシャリと尻を打ち、ヌメッた筆を更に押し込める。豊子の目は妖しい光を湛えている。 「これでこの娘の進む道は決まった…密演後は戻っては来れないわ」 筆を押し込められて余計に感じたツキヨは、押し寄せる快楽の波に薄れいく意識の中で、家元が来た時にお付きの女性に耳打ちしていた事がわかったような気がした。
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