| いつものように他愛ない話をしながらお酒はすすむ。 そんな中口を開いたのは夏海だった。 「そういえば桃花は彼氏とかいないの?」 鈴菜が続ける。 「そういやけっこうマメにうちに飲みに来るよね」 「・・・そういう先輩こそいつもOKしてくれるじゃないですか」 ぶうとちょっとすねたように口をとがらせ桃花が反論すると二人は笑った。 「私たちにはちゃんといるもの」 「ねえ?」 「えっ!?」 初耳とばかりに桃花が目を丸くした。 仕事帰りにデートなどの話は聞いたことはなかったしこうして飲みに行くときも断られた覚えもない。 そんな二人にいつにまに? 呆然とする桃花に二人が続ける。 「鈍いよね〜」 「ホント」 「鈴菜ぁ・・・いい機会だと思わない?」 「私もおんなじこと考えてた」 くすっと笑うと鈴菜は寝室に何かを取りに行った。 「いつの間に先輩たち彼氏なんか作ったんですか?それも教えてもくれないなんて」 そんな二人の気配に気づかずに桃花は仲間外れにされた気分で文句を言い始める。 「気づいてると思ってたわ」 「でもすぐに教えてあげる」 戻ってきた鈴菜がソファに座る桃花の後ろに立つと夏海が桃花の両手を持ち万歳のような格好をさせた。 「???」 カシャン 金属音がしてその手がおろされると桃花の手首には手錠がかけられていた。
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