| そのドアの陰には先生がいて、私は何かを嗅がされ、気を失いました。 目が覚めると、いつものお仕置き部屋で四つん這いに拘束され、隣には同じように拘束された結衣ちゃんがいました。 結衣ちゃんのお尻にはなにか蛇口のついたガラスのようなものが突き立てられていて、全身が脂汗でぬめ光っていました。 「気付いた?」と美紀ちゃんが言いました。 「あなたには知られたくなかったんだけど、しかたないわ。本当のお仕置きしなきゃならないことなったわ。あなたの深層意識は鞭を望んでいた。だから鞭を与えてあげたの。でも、本当のお仕置きなら、深層意識でいちばん望んでいない苦痛を与えなきゃね。結衣がリンチされてるときの表情観てわかったの。あなたは浣腸が最も嫌いだって。だからそれを与えてあげる。結衣ももう二時間耐えてるわ。人間浣腸としては最高の出来のはずよ。もう言葉も出ないし」 私はナースさんたちに、結衣ちゃんが見えない位置に運ばれました。 いきなり、後ろに何か堅いものを突き立てられました。 それは徐々に深く入ってきて、私の後ろの門が限界まで開くのがわかりました。 「これでもう、自分の意思では出せないわ」 美紀ちゃんは嬉しそうに言いました。 「どう? 辛い?」 「辛い」 でも、それはまだ我慢できる感覚でした。 「じゃ、行くわよ。さあ、結衣、思い切り出すのよ」 ギャ…… 信じられない勢いで、熱い奔流が体の中に入ってきました。肛門から直腸、大腸が直接感じられるほど、その液体は私の体内を満たしたのです。 「今まで結衣の体に入っていた浣腸液よ。何て汚いの。それが今、あなたの体を満たしたの」 あまりのおぞましさに、 「止めて、すぐに止めて」と叫びました。 「あなたが望んだことよ」 「こんなの、こんなの望んでない。絶対に」 次第に腹痛が強烈な便意となって襲ってきました。 「嘘よ。ここでは望んだことしか現実にならないわ」 「ここ?」 「そう。ここはあなたの妄想の世界。あなたは結衣ちゃんと汚物で結ばれることを望んだのよ。そのほかは全部ここに至るまでの迷路の突き当たりよ。言ってみれば幻ね。あなたは死ぬまで、ここで結衣ちゃんと汚物で結ばれて過ごすのよ。何年も何十年も。幸せね」 出そうとしていきむと、結衣ちゃんの悲鳴が上がりました。 「止めてください。もう死んじゃいます」 「ほら、つながってるでしょ、二人。あなたの出したものが、結衣ちゃんの体内に入っていくの。幸せよね、二人つながって。これが望みだったんだものね」 「望んでない、こんなこと、絶対に」 「じゃ、私たち行くわ。お二人で永遠に楽しんでね。何十年も……」 私の心を真実の絶望が満たし、結衣ちゃんと汚物を交換する何年もの日々がすぎたある日のことでした。 ……聞こえますか…… ……聞こえますか…… 目を開けると、そこは病室でした。 すべては、私のパートナー、結衣ちゃんが、セックスの時に使うとサイコーらしいよ、などと言って持って来たドラッグをお気軽に使った結果でした。 私はそのハーブティを飲んだとたんに昏倒し、三日間病院で点滴を受けていたのでした。 妄想の中では深層意識が現実化すると言うのですが…… 「ねえ、どんな世界だった?」 と結衣ちゃんはお気楽な顔をして聞くのですが、とても説明できたものではありません。 「恥ずかしがらなくてもいいじゃない、私とあなたの仲じゃん」 いえ、どんな仲でも絶対に口には出せません。 現実になったらイヤだから…… イヤ……?(終わり)
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