| 破局は突然やってきた。 サンローランは覚醒剤の元締めだった。 ショーのお客は仲買人たち。 そして、私にもこっそり幻覚性のある脱法ハーブが盛られていた。 健康に良いからと渡されていたハーブを、言われるまま毎日飲んでは残虐な妄想に耽って自分を犯していた。 そして毎週のショー。 私は自分がマゾヒストで、その中毒だと思い込まされていた。 ある日、サンローランが警察に摘発され、私は被害者として事情聴取を受けた。 その後、保護施設に入れられ、二週間も経つと、体からハーブはすっかり抜けた。 なぜあんなことであれほど悦んでいたのか、さっぱりわからなくなった。 私はすっかり更正した。 はずだった…… 学校に戻って来たその日、ミクから呼び出された。 ミクはどうしようもない不良だという噂で、同じようなどうしようもない女の子を取り巻きにしていた。 まともな女の子は誰も相手にしないようなバカ女だった。 体育館の資材置き場でミクは言った。 「クスリ、やってたんだろ。あれって、イイらしいな」 「関係ないでしょ」 いきなり頬をビンタされた。 「クスリやりながらセックスすると死ぬほどイイって本当か?」 ゾクッとした。 もっとよ、もっと言って! 「ここでやってみろよ。一人で……どうした!」 またビンタ! 痛さと屈辱と、悦びに涙が出る。 「ほら早く、始めろって言ってるだろ!」 ああ、また始まるのだ。 そう思うと、それだけでイキそうになるのだった。(終わり)
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