| 2017/03/10(Fri) 11:51:01 編集(投稿者)
8月も半ばを過ぎれば宿題はとうに片付いていた。 後10日ほどで二学期が始まる。
ある日の午後、リビングで姉とお互いに撮った写真を見せ合っていた。 お互いのおどけた写真に二人で笑った。 楽しかった。 姉のスマホを覗き込み、夏休みの思い出に浸っていた。
「じゃあね、これ。」
次に姉に見せられた写真に固まった。 ベッドの上で気絶した私を抱きしめる姉、二人とも生まれたままの姿で汗まみれ。
「あら、どうしたの?」
暫く声が出なかった。
「お姉さん、それ、消して、」 「どうして、可愛いのに…。」 「恥ずかしいから…。」 「そう…、こんなのもあるけれど。」
姉がそう呟きながら、別の写真を見せてくれた。
「☆@▼#◇!!」
あまりにも恥ずかしい写真に素っ頓狂な声を上げた。 私の反応に姉がお腹を抱えて笑いころげていた。 ぷうと頬を膨らませれば、
「これは消しておくわね。」
姉は笑いをこらえつつその場でその写真を消去してくれた。
他にどんな写真を撮られているか分からない、堪ったものじゃない。 姉のスマホに手を伸ばそうとすれば、機先を制される。
「明後日、寄宿舎に戻りましょう。」 「ぇ?」
急に話題を変えてスマホを仕舞う姉。 伸ばした手が空しく宙を彷徨う。 夏休みは未だ10日も残っているのに…。
「パパがね、学校の傍にマンションを買ってくれたの。そこで一緒に生活するようにって。」 「学校と寄宿舎のほうへはもう連絡してあるから、夏休みのうちに引越しを済ませましょう。」
きょとんとする私を女神様の笑みが見詰めていた。
「これからも沢山愛してあげるわ、もちろん勉強もみてあげる。 唯、愛してる。」
白い腕が伸びてきて柔らかな温もりに抱きしめられれば、クッテリと力が抜けてしまう。 視界いっぱいにハニーゴールドの髪が揺れていた。 唇が重ねられ、細い手指が太股へ伸びてくる。
用意周到な姉の計画に嵌められたのだと実感した。 逃げ道はなさそうだった。
(私は姉から逃れられない運命なのね…。) 女神様の寵愛に身を委ねた。
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